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この2日は、刺激的でした。
金曜日は、染織家の平山ふさえさんと下地康子さんにお会いしました。なんと下地さんの仕事場に伺えたのだ!仕事場、なんと一軒家。ビックリ。気持ちよい空間で、集中して仕事なさっているご様子。さすがだなあ。
平山さんも、下地さんも、いろんな壁にぶつかって、それをひとつひとつ、解決しながら、仕事されている。悩みつつ、苦しみつつ、切り開くしかないもんね。がんばろー!
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土曜日は、八王子の奥田染工場での奥田塾でした。この日は、反応染料のプリントが課題でした。絹には最適ではないこともあり、私、反応染料使うのはじめてでした。反応染料って1956年に生まれた新しい染料で、今では綿素材の衣料品の90%がこれで染まってるんだって。ほー。私が着てる普段着もお出かけ着も、きっと反応染料ね。着物以外はね。
一日染め作業して、ボロボロに疲れましたが、「人はなぜ装うのか?」という永遠の課題にちょっと気付きがあったかな?現代人は現代の装い方をするのだ。それは本能なのだ。そこに訴える染織をしたい。
*写真は奥田塾にて。蒸したあとのソーピングの様子。
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ブログ、なかなか追いつきませんが、ゴールデンウィーク終盤の5月6日、かずさま、4回目のミーティングに、我が家にお越しくださいました。実は、このミーティング、もともとは、4月26日に決まっていたのだけど、私が熊本に手伝いに帰ったため、延期してくださっていたのでした。
ミーティングと言っても、話し合うことはすでにありません。全て、決まってますのでね。かずさまは、ご自分で染めた糸をせっせと巻いてくださいます。私は、もくもくと織りつづけます。シーンとした中、それぞれの仕事の音しかしない、静かないい時間です。
あ、念のため。only only でご注文いただいた方、みなさまに、このかずさまのように、何回も我が家にお越しいただいている訳ではありません。遠方の方、忙しくて時間の取りにくい方、任せっきりの方がここちよい方、それぞれですので、お一人、お一人、その方のご都合やご希望に合わせます。これぞ、only only なのです。それに、会わなくても、メールや手紙で充分機能すると思っています。
かずさまの場合はね、退職されたばかりで、時間も作りやすいし、加えて、ご自分で染めた糸を織り込むってのが、大事なミッションとなったので、その糸を巻いていただいたと言うわけです。
思い起こせば、ちょうど一年前のゴールデンウィークに、かずさま、我が家にお越しくださって、今回のonly only のお話は始まったのでした。1年か〜。順調な方かな???
もし、only only に興味お持ちの方、お気軽にお問い合わせください。「まだ考え中だけど」な方もどうぞ、どうぞ。まずはお問い合わせをこちらから!→☆
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かずさまのonly only、進んでいます。織っているところを動画にとりましたので下に貼付けます。こうして見ると、客観的に見れますね。私、けっこう必死に織ってますねえ、、、、。もう少し楽に織った方がいいと思うのだけど、力の抜き方がわかりません。
もしアドバイスいただける方、おられましたら、ぜひお願いします。よろしくお願いします。(アドバイスはこちらから→☆)
目標は、優しく強く、柔らかに丈夫に。
1分くらいです。見てね〜。
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本日は盛りだくさんの一日でした。
朝から、松浦弘美さんのギャラリートークに銀座もとじさんへ伺いました。作品、トークともすばらしく、大感激でした。
松浦さん、4人の師との出会いがそれぞれに大きいと、しかし最後は独学なんだと。絽を織るのに、絹糸を精練するのだけど、その試行錯誤に7年かかったと。失敗の連続を詳細にノートに取って改善して行くのが、とても楽しかったと。
それから、銀座三越のデパ地下で、思いっきりカワイイお菓子を、熊本のお世話になってる方に送る。おしゃれな方だからね。銀座でしか買えないものを贈って、元気になってもらいたい。
そして、有楽町の無印良品へ、「日本の布ができるまで 展」を観に。現在の繊維産業。斜陽といわれ久しいけど、どっこいしぶとく生き抜いているなあと思った。布の魅力は魔力だなあ。上の写真は、こちらの展示会で撮りました。水に溶ける不織布にミシン刺繍して、あとで溶かして糸のみにする手法。
ここの無印は、本屋が充実しているので、つい長居。つい買ってしまう。重いのに。「よそおいの民俗誌 化粧・着物・死装束」っての。読むの楽しみ。
それから、地下鉄に乗って、日本橋三越へ。伝統工芸染織展、拝見に。入選されてる作家さん方の、自分の技を磨いている真剣さが伝わって来て、さすが〜っと思った。
帰りがけに、エスカレーターの上りと下りで、とっても感じのいいお二人連れとすれ違いました。遠目で、あら素敵なお着物お召しだわと思ったけど、ジロジロ見るのも失礼かと目線を反らそうとするのだけど、どうもあちらも、私の方をチラチラご覧になる。
あ!nkさんhyさん姉妹だわ!一度下りたエスカレーターをUターンして上って、うっわーーー、お久しぶりでっっす!お二人ともお変わりなく!相変わらず、それぞれにご自分らしいコーディネートでお着物お召しでいいなあって思いました。
実は、このご姉妹のショールをもうずっと以前に織らせていただいたのです。なつかしい、大切な時間でした。あらためて、ありがとうございます。
お姉様のショールはこれ。
妹さまのショールはこれ。
羽織っていただいているところ。
そのうしろ姿。
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本番を織りはじめた正にその日、その夜に、熊本の大震災がおきました。ビックリと言うのが本音でした。幸い電話が通じ、みんな無事だと、、、。まずはよかった。心配しつつも楽観視してました。
しかし、一日たって、本震です。うちの家族は無事と連絡ついたけど、だからと言って、、、、。千々に乱れる心をおさえつつ、今の私にできることはただひとつ。真摯に織機に向かうこと。
先がまったく見通せない苦しい時期、目の前にかずさまのonly only があったことは、本当に、大きな大きな救いでした。しっかり向き合う仕事があること。たんたんと、たんたんと。
かずさま自身も、長年、たんたんと、たんたんと、真摯に仕事に取り組んで来られた方です。(仕事されてるお姿は見たことないけど、分かります。そんな人なんです。かずさまが居れば大丈夫って、仕事仲間の方も思ってられたことでしょう。)
取り組んでいるかずさまのonly only が、帯や絵羽のお着物などではなく、無地っぽい着尺というのも、ありがたかったです。帯や絵羽だと、どうしても「見せ場」があるので、そこに向けて、緩急をつけ、戦略を練り、虎視眈々と手筈を整えます。しかし、着尺は、3丈4尺、たんたんと行けるのです。
たんたんと、たんたんと、織り続けました。
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かずさまのお着物、緯糸、結局18種類の糸を使うことにしました。18丁杼です。
かずさまのご希望が、「無地っぽいのがよい」「色や糸に遊びがあってよい」とありますので、それにどうお応えするか、、、と試行錯誤し、結局この糸数になりました。杼を持ち替えるのがたいへんそうだ、、、、思いやられる、、、、、。
(とか言いながら、私、けっこう好きなんです。思い切りたくさんの糸を混ぜて、布を作っていくの。自分の手のなかから生まれ出てくる感じすごくします。)
18丁杼の入れ方はランダムなんだけど、全体のバランスをとるために、ランダムと言っても、本当にランダムではありません。いくつかの決まりごとを作って、それははじめから最後まで貫きます。
緯糸18種類のうち、ガンガン使うのは10種類にしました。あとの8種類は、ここぞという時。1尺に1本とか。2尺に1本とか、そのくらいの頻度です。
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よしよし、決まったぞ、さあ織るぞと思っていた4月14日の晩、ふるさとで大地震が発生しました。ちょうどラジオをつけていたので、緊急地震速報もリアルタイムでした。は?くまもと?
即、母に電話し、無事を確認したころ、かずさま、メールくださいました。
「吉田さん、九州で大きな地震ありましたけどニュース聞いてますか。」
テレビがない我が家は、ラジオがついてないと、ニュースが入って来ないってことご存知なのです。
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「まあ、なんて、きれいな色!」
染め揃った緯糸を観たかずさまの第一声です。やった!(3回目のミーティングで我が家にお越しくださった4月13日の話しです。)
糸、かずさまのご希望に添うように、狙いに狙って染めましたが、もし違うようでしたら、納得いくまで染め重ねるつもりでした。
しかしイッパツでクリアです。かずさまのお好みとか、よくよく分かってるつもりだからね。えへん!
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かずさまは、早速、ご自分で染めた藍の生葉染めの糸を巻かれます。お着物に真っ白な割烹着ですよ。決まってますねー。
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私は、緯糸をどういうリズムで織り込んで行くかを最終決定しなければなりません。メインをどのくらい入れるか?半分か?三分の一か?サブの糸は、候補から厳選して、10種類くらいに絞り込みたい。多すぎるとうるさいし、少ないと詰まらない。どうする?
これでどんなお着物になるか、決定しますので、真剣勝負です。
*かずさまのうしろ姿も、すてきでしょ。帯は、拙作、八寸帯「小さくてハッピーな三角たち ロングバーバージョン」
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六本木の国立新美術館に行ってきました。
まず国展。工芸部のみでしたが、堪能しました。本日最終日だったためか、駆け込みで見に来る人や、出品されてる作家さんや、多くの人でにぎわってました。
下地康子さんとバッタリお会いすることが出来ました。今年も存在感のある、大きい、美しい作品を出品されてました。イキイキとした感じは、作家さんも作品も同じだなあ。マチュア(mature)、かつ若々しいのだ。
館山唐山の斎藤裕司さんにも、バッタリお会いできました。出品されていたのではなく、観に来ていた方で。斎藤さんは、半年前の私の個展にもお越しいただいていて、その時の感想など、率直にバシバシお伝えくださいました。ありがたい。作り手として大尊敬の方なのです。うれしかった。
国展工芸部、観ていて、これ好き〜と思うのは、染めや木工や陶ではなく、織りのことが大半で、私、やっぱ、織りが好きなのかななどと素朴に思った。
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それから、同じく新美術館で開催中のルノワール展を拝見しました。こちらも国展同様、招待券いただいていたのだ〜。ありがたや〜。
ルノワール観てて、100年前のパリって本当にこんな感じだったんだろうなって思った。ルノワールは事実(とその印象)を描いているのだ。なんか、楽しそう。平穏な時代とは言いがたいように思うけど、明るいのだ。時代を感じるなあと思った。
あとやっぱ、ヌードはいいね。ルノワールのヌードはそそられると思った。服きてるとまどろっこしい。脱がせた方が本領発揮って感じした。
新美術館では、イッセイミヤケもやってたけど、急いで帰って仕事の続きをすることにした。国展で刺激もらったからね。私もがんばる。
*写真は国立新美術館の建物。
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さあ、かずさまのonly only、 緯糸やっとメインを染めますよ。染めるのは、この糸。国産の生繭の座繰り糸です。うふふ、いい糸なのよ〜。ふわっふわっ。むっちり弾力があるのです。単衣か胴抜きのお着物にされるので、特にね。丈夫で、張りと弾力があることが必須だと思ってる。
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めざす色は、ごくごく薄いグレー。それも、思いっきりブルーに振った。かずさま、ブルーがとても似合われますので、青い着物を織る訳ではないけど、ブルーはしっかり仕込みます。
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そうは言っても、赤の染料も黄色の染料もしっかり入れて、色に深みを持たせます。
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様子を見ながら慎重に染め重ね。極薄だから、染料の量に特に気を使う。極少量ずつを何回も何回も足して行きます。
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これはサブで使う糸。試しで使っていた分です。数種類あるのだけど、これもメインに相性いいように、染め重ねます。
ドンドン、ドンドン、染めて行きます。
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4月2日土曜日、かずさま、我が家にいらっしゃいました。約1年ぶりです。
かずさま、その2日前の3月31日を持って、長年のお勤めを定年退職なさいました。退職したらお会いして、一気に詰めましょうというお話はしていたのだけど、わずか2日後です。
「昨日でもいいかなって思ったのだけど、職場から引き継ぎでの不明点とか、電話が入るかもって思ってね。ほら、今日なら土曜だから向こうも休みでしょ。」とおっしゃるかずさま。うーん、かずさまらしい、、、、この責任感。すばらしい。職業人として100%信頼できる。見習わなくては、、、。お応えせねば、、、。
早速、試し織りを3種、みていただく。かずさま、パッとお顔が明るくなる。「あら、すてき。こんな感じでお願いします。」
ちょっとガクッとくる私。どう攻略しようかと思ってたのに。
しかし、実際にはまだまだ詰まってはいないんです。メインの糸、これから染めるし。私としては方向性を確固としたいのです。
かずさまに、私の織機に乗って、自由に織ってもらいました。私が織っていた試し織り第3段に続けるような感じで。かずさま、長いこと織りを習われていて、着尺も織ったことあるそうなんです。しばらく会話もなく、それぞれが仕事に没頭する時間となりました。かずさま、いい感じで、織りを楽しまれたと思います。
織った中で、この色が好きだ、とおっしゃられた糸がありました。真綿紬の薄いブルーグレーに染めた糸。
そうですか、それでは、メインの糸はその色を目標に染めましょう。
*写真は糸巻きをするかずさま。糸は、ご自分で染めた糸です。綛が乱れてて巻きにくいけど、巻いていると頭が空っぽになって、無我の境地になれます。