吉田美保子の some ori ノート

この数日

2016.04.19

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熊本のことで気持ちが高ぶったままのこの数日ですが、不思議に仕事は順調です。熊本の友人たちの、仕事を再開したとか、避難所と回って細かな支援をしているとかいうニュースが支えです。
遠い島に住む友人から、「どう過ごしていいかわからない時こそ、仕事だ、機織りだ、出来ることは元気に働くことだけだ、がんばれ、ソメオリヨシダ!」と強いメッセージいただいたことも大きいです。種火がポッと明るくなるメッセージでした。
かずさまの only only、ブログ上では、昨秋の個展にお越しくださって、スケジュールの変更があったってところまでですが、実作業は日々しゅくしゅくと進んでいます。この辛い時期、しっかり取り組めている仕事が目の前にあることが、どんなにありがたいことか。気が塞いても落ち着くし、その時間だけは無心になれます。
あらためて、かずさまに感謝します。
ブログの続きは、、、、また詳しく書きますね。
*写真は、午後5時の空です。春の夕暮れ。今日じゃないよ。春分ころだったかな。これはね、かずさまのonly only ストーリーの伏線です。おほほ。

がんばるばい

2016.04.16

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毎朝、ラジオのタイマーで目を覚ます。朝6時、NHKラジオ第一。しばらく寝床でぐたぐたしながら聞いているのが通例だが、今朝は飛び起きた。熊本をさらなる災害が襲っていた。すぐに母と妹にメールし、ほどなく無事との返信がきた。
被害状況を知るほどに呆然。不安におそわれ、今日の予定をキャンセルしようかと思ったが、ネットにかじりついていてもらちは開かないし、出掛けることにした。
7時20分にうちを出て、八王子の奥田塾へ染めの勉強に。結果、行って正解だった。普通は門外不出なことを教えて下さるので、夢中になる。体力的にも過酷なのだ。
途中、チラチラと情報チェックし、たまらず、父と母に電話したが、それ以外はぱっつんぱっつん。帰り着いたら午後8時。
駅前の東急ストアで、熊本産のアスパラとミニトマトを売ってたので買ってきた。横にあった千葉産より高かったけど、熊本のエネルギーを体内に取り込むのだ。うちには、先日、友人が送ってくれた、阿蘇高菜の新漬けもあるのだ。熊本の恵に満たされています。
がんばるばい!
*写真は奥田染工場。

地震

2016.04.15

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昨日から呆然としております。たくさんの方から、実家は大丈夫かと、電話やメールいただきました。ご心配いただき、ありがとうございます。両親、妹一家、親戚、大丈夫です。
熊本の友人たちが心配ですが、知る限り、みんな無事で、それぞれの仕事にまい進しているようで、心強い限りです。
それにしても、心が痛みます。熊日(熊本日々新聞のこと。熊本のローカル紙)の紙面をネットで見て、じわっときました。あんな中、朝刊が出たんだ。その後号外も。
これ以上太くできないと言うくらい太い白抜き文字で「益城町震度7」。熊本城の写真も涙腺ゆるむ。こんなことが、起きるんだ。
一日中流れてるラジオのニュースで、つぎつぎ連呼される地名が、知ってる名前ばかりなのが辛いです。ああ、あの辺かと。
熊本在住の人たちが、未曾有のことに対峙して踏んばっているのだから、遠くにいてもしっかりがんばろうと思っております。
熊本の方、お体、大事に。今夜はちょっとは体を休めてください。
*寝ていた二人の姪は、あの地震でも起きなかったそうです。妹(1歳)は余震で周りがざわついて起きたそうですが、姉(4歳)は朝までぐっすり。熊本市南区、震度6弱だよ。すごい。

かずさま、そして

2016.04.13

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かずさまの only only、その後、しばらく静かに寝かせていました。心の中で、どうしようか、こうしようかはありますが、火はつけません。
去年の秋の私の個展に、かずさま、お越しくださいました。会場で、楽しい時間を過ごしてくれていたようでした。着物をお召しになる方にとって、着物や帯を見るというのは、楽しいものですものね。
かずさま、出品作の帯をとても気に入ってくださって、お求めくださるというのです。わー、ありがとうざいます!
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それで、承っている、帯の方のonly onlyは、やめておこうということになりました。私としても、お預かりしているかずさまが自分で染められた絹糸、帯にするには、経にも緯にも、ちょっと向かないな、、、と思っていたこともあり、いい着地点になったと思いました。
それから、着尺の方、お納めするのが退職となる3月末の予定でしたが、それを、取りかかるのが退職後の4月からってことにいたしました。その方が、しっかり話し合って取り組めますものね。私も大賛成です。
このように、only onlyは、微調整可能です。実際に取りかかってしまえば動かせませんが、それより前でしたら、可能な限り、ご希望に添えるよういたします。また、こちらの都合をお願いすることもあります。ケースバイケース。その都度、すり合わせて行くのが only only です。
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今日のお写真は、個展でお求めくださった帯、「小さくてハッピーな三角たち ロングバーバージョン」を締めてくださってるかずさまです!撮ったのは、なんと本日!ブログ記事はなかなか追いつきませんが、本日3回目の打ち合わせでした。進んでますよ!

ゴールデンウィークに

2016.04.11

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かずさまが、ある日メールをくださいました。ちょうど一年くらい前だったと記憶しています。相談したいことがあるから、おじゃましてもいいかとおっしゃいます。もちろんウェルカム。どうぞどうぞ。
バリバリキャリアウーマンのかずさま、平日は動けません。去年のゴールデンウィークのある日、はるばる関東平野を横断してお越しくださいました。
お久しぶりです!
お話を聞くと、約一年後の2016年3月末をもって、長年のお勤めを定年退職なさると。それを記念して、着物と帯を作りたい。ついては織ってくれないかと。
どうもありがとうございます!心して織らせていただきます。
かずさまは、手織りの教室に長く行かれてました。博識で面倒見のいい先生がされている、とてもいい教室だったようです。(私だって行きたいくらい!)しかし、先生が亡くなられ、そこはクローズされた由、かずさまの手元に、ご自分で草木染めされた絹糸が残りました。この糸を生かせないかと。
どれどれ。
糸は、細いつやつやの絹糸と、ずり出しのふわふわの糸。染料は藍の生葉と桜のアルミ媒染。(上の写真です。生葉染めは、藍の花がピンクのものと、白いもので、分けて染められてます。色が微妙に違うのが面白い。)
かずさまがお望みなのは、グレーか藤色の着尺と、八寸帯。(この段階では)
出来上がりのご希望は、退職されるころとのこと。(この段階では)
うーん、、、、さあ、悩むべー。

only only かずさま、登場!

2016.04.10

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さあ、新たな完全注文制作 only only をスタートです。今回のヒロインを「かずさま」とお呼びしましょう。
かずさまと私は、けっこう長いおつきあいです。10年くらいかな。なんか、お会いすると和んだ気持ちにさせてくれる方で、ほっとします。
以前、ご注文いただき帯を織らせていただいたこともあります。まだ、注文制作を「only only」って名付ける前のこと。昔のブログに載ってるよ。あー、2009年だ。こことかここ
2009年って、私、引っ越した年で、かずさま、この帯の打ち合わせに、昔すんでた小さなアパートにお越しくださいました。そして出来上がったのを受け取りに、今住んでるここにお越しくださいました。
この帯ね、お締めいただいていると、「あら、それヨシダさんの?」って全く知らない方に話しかけられたりするそうです。すっきりストレートな感じが、ヨシダというより、「かずさまそのもの」のような気がするのだけどね。面白いものです。
それから、昨年の個展でも帯をお求めくださいました。
そして、今回は、、、、、。うふふ。話しの続きは、明日以降に。

森康次先生の展示会に伺いました

2016.04.09

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日本刺繍の森康次先生の個展を拝見しに、銀座もとじさんに伺いました。森先生とお弟子さんの佐藤未知さんにお会いしたかったのです。ギャラリートークに参加させていただきましたが、お話、すごく面白かったです。
森先生が、作品作りをなさるにあたって、大切にされていることは三つあって、それは、「時間差」「情緒」「着姿」だそう。
「時間差」というのは、例えば、裾模様に花を繍ったとすると、肩の模様には実を表現する。そうすると、春と秋を同時に表現できる。これは分かりやすい時間差だけど、それだけでなくもっと微妙な時間差を表現する。例えば柄の大小でリズムをつける。色に少し変化をつけて、奥行きを出す。奥の方は、地色に近い色を使う。
「情緒」というのは理屈でないところ。静かな場所を作る。強弱をつける。余白をつくる。
「着姿」というのは、着物も帯も、決して平面でなく、人を包み、円筒形になることを意識すること。前姿、うしろ姿。側面の美しさ。
そして、色数は決して多くしない。着物と相性のいい色はそんなにない。色数は少なく、濃淡を5〜6段使う。
なるほど、なるほど。お聞きしながら激しくうなずきます。あー、すぐ隣りに展示されている作品が、まさにそうなっている〜。上品で可憐で、はかなげでさえある作品たちは、確固たる技術とマインドに裏付けされてるんだな。
いいものには理由があるんだ。そう思い知りました。自省します。
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写真は森先生と佐藤未知さん。なかなかいい写真でしょ?掲載許可はいただいてませんが、森先生は有名人だし、佐藤さんもウェブ上に取り上げられてらっしゃるので、いいかなと思いました。
佐藤さんの記事はここで読めます。すてきです。

ゆうどにて

2016.04.08

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昨日の晩のことですが、目白のゆうどへ行ってきました。単行本「更紗 いのちの華布」出版記念展のオープニングパーティーでした。
「インドで生まれた模様染めの木綿布、更紗。日本、ジャワ、ペルシャ、ヨーロッパ、行く先々で人々を熱狂させ、それぞれの地で独自に花開き、産業革命をも引き起こした、その布の魅力を探る・・・」と解説にあります。なるほど、なるほど。まさにそうね。「熱狂」という、普段の生活にはあまり使わない言葉が、ピッタリ合うのだよね。
パーティーで歓談のあとに、本に登場している方々が、一言ずつご挨拶なさいました。それがまた熱かったのだわ。更紗に対する熱烈な愛を感じました。その熱烈な愛を、皆々さんが、表現は違えど、腹の底からお持ちなのだ。すごいなあ。
布って、それだけの力、あると思う。染めもそうだし、織りもね。縫いもね。どうして、そうなのか、うまく説明できないけど。
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会場のゆうどは、実は私の古巣です。13年前まで、勤めていました。28歳の時、ここで働くために再上京したのです。いやー、なつかしかったわ。いろいろ悲喜こもごもありましたけど、私を育ててくれた大事な場所です。

Grayish Bampy

2016.04.07

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オリジナル制作のご紹介です。こちら、八寸帯「Grayish Bampy(グレイッシュバンピイ)」と申します。バンピイシリーズの2作目です。
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小気味いい帯になったと思っているのだけど、いかがでしょう。
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一本目のバンピーより、ずっとグレイです。薄いグレイが主ですが、濃いグレイもこそっと入れています。
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緯糸はすべて国産のキビソ糸なのですが、太めの糸を多く使いました。八寸帯ですので、仕立てないで、張りを持たせるためです。
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しかし、全体的に太いキビソを使っている訳ではありません。タイコと前帯部分に集中して使っています。その方が布としても面白いですし、もし全体に使ってしまうと、重たい帯になるためです。
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いろんなお着物に合わせやすい、いろんなシチュエーションに締めてお出かけいただける、一本になるかと思っております。
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糸の面白さがたまらんです。織りならではの一本。
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もしよかったら、より詳しくご説明いたします。お値段などもお気軽にお問い合わせください。業界の方からのお問い合わせも、お待ちしております。ぜひ!
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作品

ヤマモモの皮

2016.04.03

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これは、ヤマモモの樹皮をチップしたもの。草木染めの染材としてすごく状態がいいです。きれいでしょう。いい色出そう。
これね、いただいたのだ。宅急便で送ってもらった。箱を開けたとき、心底から感動した。
先頃、大変お世話になった、大好きな植木職人の親方がなくなられた。私、親方にも奥様にもとても可愛がっていただいていた。亡くなったと聞いて愕然とした。
出会いは、まだ勤め人の頃。担当した東南アジアの染織家たちをお呼びするプロジェクトに、ものすごく協力してくださって、盛り立ててくれた。会場に竹林とか橋とか作ってくれたんだよ!「一生懸命やれば誰かが助けてくれるものだなあ。それって神さま?」って実感した。
時は流れ、私は退職し、染織で独立した。その後も、交流はつづき、京都で奥様と二人展されたときなど、観に行った。
で、写真のヤマモモは、植木職人のお弟子の方が、奥様にって持ってきたののお裾分け。奥様も染織なさるのだ。ウールの手紡ぎ。
ヤマモモの樹皮をここまで丁寧にはがして、煮出しやすいようにチップにするの、ものすごく大変。これ、お弟子さんの、親方と奥様への愛だなあ。愛、あふれてるもんね。親方、そのものでもあるな。とても大事なことがここにあるように思うのだ。分けていただいて、ありがとうございます。

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