いずさまの only only のお着物、「限りなく無地に近いピンク」と名付けさせていただきました。
湯のしから戻ってきて、検反したあと、床に置いたままじゃホントのところは分からんわと思って、立ててみたくて、ふわっと和装ボディに掛けてみました。
わわわ、、、いいじゃん。無地なのに、豊かな感じ。
そして写真を撮りました。
タイトルの「限りなく無地に近いピンク」は、いずさまとのやり取りを思い出しつつ付けました。今回のご注文で、一番大切だったことは、やはりこれかなと。
強い主張のない中の、抑えた存在感。押し出るんじゃまったく無く。極薄ではかなげなんだけど、しっかり立ってる感じ。遊び心もこっそりあるのよ。緯糸17色と経糸8種類が混ざり合う、豊かなピンク。
いずさま、このお着物が到着後すぐにメッセージくださいました。
「お茶会に着ていきます。きっと、苔むした秦勝寺に映える事と思います。涙が出そう。」
うう、私も泣く、、、
そうなの、そうなの。お寺の苔のお庭に立ちたいってのが隠しテーマだった。
それが、どうにかこうにか、やっとやっと、いずさまや、いろんな関わって下さった方々のおかげさまで、作ることが出来ました。そして生まれでたのが、「限りなく無地に近いピンク」。
いずさまのメイキングストーリーは、これにて中締めです。この秋、秦勝寺の苔の緑に映えるお姿、拝見できるかな。楽しみです。
さあ、湯のしから帰ってきましたよ。お納めです。
糸見本を作りました。緯糸17種類、経糸8種類です。砂糖菓子みたいでしょ。
お手紙も書きました。今回、いずさまのお着物を織らせていただいて、ほんとーーーに、勉強になりました。着物のことのみならず、お茶のこと、お客様のお気持ち、作り手同士の繋がり、求めればつながれて、アドバイスもらえ、助けてもらえる。次は私が助けるよ。そうなれるよう、力つけるよ。
仕事が私を育ててくれる。ありがたい、ありがたい、only only でした。着物のアップやタイトルは次に載せますね。
いずさまの着尺、仕上げてます。
気持ちよさそうに、お風呂に入ってます。糸が、座繰り糸と真綿糸で、毛羽立つタイプでしたので、糊、強めなんです。さっぱり落としてしまいますよ〜。
湯通しが終われば、伸子張りです。着尺は、長ーいですので、我が仕事場で張るには、1回Uターンするんです。着物は約13mですので、1辺13m以上の部屋なら、ターンしなくていいんですけどね。
Uターンには、ステンレスのポールを使ってます。便利です。
ぬれた状態だったのが、だんだん乾いて、表情かわってきます。
完全に乾かない前に、伸子は取ります。跡がつくからね。カラカラにする必要もないのよ。これから湯のしだしね。
夕方、虹を見つけた!
近所に買い物に出て、急いでいたのだけど、虹の方へ吸い寄せられて、どんどん歩いて行った。牛乳が重かった。
なんと、ダブルの虹!
何人もの人が、同じように写メしてた。ずっと空みてたら、蚊にさされた。
この頃お気に入りの、クリスト物件。
虹は東の空だったんだけど、振り返ったら、夕焼け空。
昼間は霧雨ふってたし、こりゃ、虹の出る条件、バッチリね。
ちょっとムンク。
このくらいのおとなし目の空もいい。色もいい。
とてもいい。
いい。
織り上がったよ、いずさまの only only!
生まれたてほやほや。湯気でそうね。
これは、まだ機にくっついているところ。女巻き(めまき)の方を外して、巻いてある布をカラカラと出したところ。
切れた糸などを処理して(たくさんあったよ〜)、屏風だたみにしたところ。
さあ、仕上げるよ。
いずさまの only only、佳境です。
織ってる裏はこんな風になってます。伸子を張って、織り幅を整え、織りやすくしてます。この伸子、すっごくいいよ〜。影山工房さんから分けていただきました。私は、織り裏派なんです。
この写真は数日前。
この写真は、今、現在。太巻きになったのがお分かりいただけますでしょうか?
もうすぐ!
いずさまの only only、織機に上がっている姿、なかなかいいね。カッコいいじゃん。
経糸、白すぎたかと思ったこともあったけど、こうして見ると、うっすらピンクね。そうしたいと願って、そう仕事した結果が出てる。当たり前だけど、よかった。
よく言われることだけど、「織りの仕事は織機に上げるまでが9割。織るのは仕上げ。」それに異存はないけど、その1割がヘビーなのよ。気力と体力とバランス感覚を保つのに必死。
ふらふらよーん。
これをやり切ったときに、泉鏡花の世界に対面できると信じて。
がんばりまーす!
いずさまの、only only、進んできましたよ。これは、2分メガネで覗いたところ。
2分メガネって、鯨尺の2分(=7.56mm)に、緯糸が何本打ち込まれたか、確認する道具です。一日に数度、これを覗いて、本数を数えます。
均整とれた、安定した織物にするために。糸の太い細いは、もちろんあるので、まったく一緒じゃないけど、ある一定の枠から外れないように。
ちょっとひくとこんな感じ。
全体像はこんな感じ。
この右側に写ってるやつ。ちっちゃいのよ〜。左はもう少々広範囲を見るためのもの。
さあ、今日もがんばりましょう!
いずさまの only only、進んでます。経糸。いい感じです。
経糸は、座繰り糸と、真綿紬糸。この2種を、8種類に染め分けました。
(この写真は、手前がのっぺり写っちゃいましたね。実物はのっぺりじゃぜんぜんないよ。経糸の節は写ってますな〜。けっこう難儀してます。切れて切れて、、)
実は経糸を経てたあと、「もうちょっと染めの違いを際立たせればよかったかもんな」って思いました。ちょっと染め分けがおとなし過ぎたか、、、、目に見えづらいな、、、、と。
でも織りはじめて数日たった今、ああ、このくらいの違いでよかったよ、いい感じのオブラートだって思います。やり過ぎずによかった。やり過ぎ注意。これ大事だなあ〜。
ぱっと見は無地だけど、よく見るといろんな表情が、豊かに豊かにあります。
さあ、もうひとがんばりだよ〜〜
いずさまの only only、織ってますよ。薄ピンク具合が、絶妙かな。
手前に写ってるテープはガイドです。長さをはかるのと、4つに分けた、色と疎密の、繰り返しを見るためのもの。ガイドの中では、自由に、ランダムに。
本日、七夕ですからね、巻いていきますよ。