吉田美保子の some ori ノート

八寸帯 citrus lemon(シトラス・レモン)

2015.06.01

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ジャーン!新作できました!これは、ご注文で制作した八寸名古屋帯、「citrus lemon (シトラス・レモン)」。
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ご注文くださったのは、名古屋のウワサの着物サロン、水流(みつる)さんです。
水流さんのおウワサは、愛情あふれる着物屋さんとして、あちこちからお聞きしますので、お伺いしたくてウズウズしているのですが、いまだチャンス作れず、、、、。パソコン越し、電話越しでお付き合いさせていただいてます。アツい水流ファンの気持ち、よく分かります。私もファンです。
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今回織らせていただいた「八寸帯シトラス・レモン」は、以前、水流さんで以前お取り扱いいただいた「九寸帯シトラス」の発展形です。(この帯ね→
こちらをお求めいただいたお客様が、ご姉妹でお揃いで締めたいので、もう一本欲しいとお望み下さったとのこと。
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大変ありがたいお話です。
ですから、出来るだけ、素直に、この九寸帯シトラスを再現してみようと思いました。でも、九寸と八寸の違いもあるし、糸の選択も、ガラッと違ってきます。私もこの数年で、帯や染織に対する考えも、技法も変わってます。(前進してると信じたい、、、)
糸や技法は違えど、「何を織りたいか」ってコンセプトの部分をまったく同じにしようと、原点回帰して、初心に返って、作りました。
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ご姉妹で、一緒に締めて、いい時間をお過ごしいただければうれしいなあ。きっと、微妙な違いがいい味だすと思います。お二人に幸あれ!
*タイコの写真は、中心位置を上下にずらして撮りました。少々ずらして、表情変えるのも楽しい帯です。

作品

にこさま、登場!

2015.05.30

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うれしいメールが届きました。うふふ、にこさまからです。
この冬、一番寒い頃に取り組んでいた 完全注文制作 only only、「Rhythmical Niko(リズミカル・ニコ)」、締めていただいたお写真を送ってくださったのです。
いやはやー、すごくすてきじゃないですか!!!!さすが、にこさま、決めて下さってます。布の時より、1000倍いいね!命、吹き込まれました。
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心配していた前帯もよかった。おタイコとは、パッとみ違うのだけど、呼応してるよね。
お顔、トリミングしちゃったけど、すごくいい表情されているのですよ。自然で、チャーミング。にこさまらしい感じで。
にこさま、どうもありがとうございます!
*にこさまストーリーをお読みになりたい方は、ブログのカテゴリー「にこさま」を、時間をさかのぼってご覧ください。こちらです→

きおさま、完結!

2015.05.29

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きおさまの八寸帯、無事にお納めすることが出来ました。こちらにも、晴れて発表させていただきます。
ジャーン!名付けて、「Little Cosmos」(リトル・コスモス)。曜変天目のでっかい宇宙を目標に、きおさまと私で作った、小さな宇宙です。
きおさまに、「打ち合わせた通りの色で仕上がっていて、びっくり!」「おタイコの真ん中にヨシダさんの青がしっかりといる」とおっしゃっていただいて、うれしかったです。
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おタイコをちょっとずらすと、こういう風になります。表情かわるでしょ。遊べる帯です。
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ディテールを撮ったつもりが、ディテールになってませんね。地の部分に、目立ちませんが、細い銀糸が、ずーっと入ってます。きおさま、銀糸、似合われるんです。キビソ糸のワイルド加減も、暴れすぎず、おとなしすぎず、ちょうど良かったかな。
前帯も撮り損ねました。ガクっ、、、基本、タイコと同じです。星がひとまわり小さいです。手先には、タレ先同様に、白の無地場に差し色の糸、入ってます。
この帯、ぜーーったい、締めた方が映えますね。きおさま、ご自分の宇宙を持ってる方なので、Little Cosmos をエクスパンドして、大宇宙にしてくださるかも。
きおさま、すてきなことをおっしゃってくださいました。
「私はこの帯を締めるたびに、ヨシダさんと相談しながら作り上げた事を思い出せるんだなあと考えたら、とても幸せな気持ちになれました。」
感無量です。きおさま、本当にどうもありがとうございました。
このブログの、Only Only きおさまストーリー、これにておしまい。いつか、再会できますように。

サイ トゥオンブリー、原美術館

2015.05.26

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最近のこのブログ、お出かけ記録と化しておりますね。普段は閉じこもりの私、モンモンと悩みつつ、ダーンと壁に激突しながら、モクモクと染織してます。その合間を縫って、「これだけははずせないっ!」とあらば、といそいそと出かけます。
行ってきましたよ、「サイ トゥオンブリー 紙の作品、50年の奇跡」。それも初日に。ものすっごく楽しみにしてました。原美術館も、すごく久しぶりです。(ハラビのサイト→、展示会のことはこっちの方が分かりやすい→
サイ トゥオンブリーの本物みるの、いくつ目だろ?過去、2点は見てる。3回目にして、やっとまとまった数見られたわけか。画集は3冊持ってる。
私、サイ トゥオンブリーのこと、知らなかったのだけど、いつだったか、もうずいぶん前、「ヨシダさん、絶対好きだよ」って教えてもらって、日本の美術館では見られないそうだから(のち、数点はあることが判明)、Amazonでカンで画集買った。それが、ものすごーーーく良くて、心酔しまくり。今日にいたる。
で、ドキドキの今回の展示会だったわけです。5つの展示室の、1室目からやられたなあ、、、。1室目は違う年代の作品を組み合わせて展示されてて、2室目からは、年代毎なのだけど、年代、関係ないのです。だんだん構築されてったとかじゃなくて、はじめからいきなりいいのです。独自の自然な世界観。ぜんぶ、いい。いや、天才って言ってしまえばそれまでなんだけどね。
この日は、トークもあり、もちろん申し込んでました。2003年に、エルミタージュでのサイ トゥオンブリー展のキュレーターをした方のお話でして、この方、それ以前にエルミタージュで、ルイーズ ブルジョア展も、開催したのですって。まだ冷戦が終わって、10年くらいの頃だって。すごく受け入れられたらしい。ロシア、すごいな。この展示会も日本巡回してくれ〜〜〜(って、ずーっと昔の話しですね)
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今日は話題をもうひとつ。
原美術館は、私にとって、特別な場所です。今は亡き祖父と二人で来たことがあるのです。
もうずーーーっと前、たぶん、10代終わりの頃の美大受験の頃か、、、、。夏期講習やらなんやらで、上京しては母の実家に居候してました。現代アートカブレのクソガキだった私は(今もほとんど変わりませんが)、こと有る毎にアートスポット巡り。原美術館は、大のお気に入りの場所です。
ある日、祖父が、「ミホコ、今日はどこに行く?」「ハラビ?」「三菱の開東閣の近く?」「おじいちゃんも行こうかな」というのです。どうやって行ったか覚えてません。品川から歩いた?五反田からバス?祖父はその頃、70オーバー?
祖父は現代アートなど、まったくの無関係で生きてきた人ですが、タイトルのプレートをひとつひとつじっくり読み、とても満足げな顔をしてました。
その後、うなぎを食べさせてくれました。どこでだったかは、まったく覚えてませんが、東京で食べたはじめてのうなぎだったと思います。
祖父はその、5,6年後に亡くなりました。もう20年くらいになります。
*上の写真は、展示会のリーフレット。下の写真は、原美術館の通用口の前に立つ私。籠から制作ノートが覗くのがいいでしょ。着付けが下手っぴなのと、いつも同じ着物なのは、お見逃しのほど〜〜。

同窓会に行って来た

2015.05.24

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今年もこのシーズンがやってきました。5月下旬と言えば、我が母校、熊本県立濟々黌高校の同窓会です。
去年は、この東京同窓会、我々62年卒が幹事学年でして、この日のために、一年間かけて苦楽をともにし、準備に奔走したのです。あれから一年たったのか。早いなあ〜。
と言うわけで、今年は一学年下の、63年卒の皆さんが、幹事をやって下さって、我々は楽しむことに専念できたのです。
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幹事さんたちの、舞台裏のヒヤヒヤドキドキの記憶が新しいだけに、「今、ドキッとしてるだろうな」とか、「盛り上がってよかったな」とか思ってました。
同窓会の幹事って理不尽なことが多いんだよね。社会とは違うルールやノリがあったりするし。それを乗り越えてこそのこの日なんだよねえ、、、。63の皆様、本当にお疲れさまでした。おかげで同級生や先輩後輩に再会して、また新しくお出会いして、楽しい時間を持てました。ありがとうございました。
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写真、下の2枚の中央にいるのは、幹事メンバーのKくん。校黌斉唱を盛り上げてるところ。すごい!私は、彼の勇姿に目が釘付けで、舞台の方を見られなかった!(笑)

鈴木マサル展、Basso conti展、田中昭夫展、ミナペルホネン

2015.05.23

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昨日は、六本木、青山方面に出かけました。走れ、走れ。大急ぎで、たくさん、展示会を拝見してきました。
まずは「鈴木マサルのテキスタイル 傘とラグとタオルと」。六本木のギャラリールベインです。この方の傘を見たかったのだよ〜。カラフルで楽しくて、晴天でしたのに、雨あめ降れふれ、です。これ、欲しいなあ、、、とあっという間に憧憬のユーザー目線です。会期は5月24日までです。
*写真はすべてこちらの展覧会で撮りました。
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それから、歩いて(走ったんじゃないの?笑)(六本木から南青山って歩いて20分くらい)、南青山のイトノサキさんへ。「Basso conti 織物展」、開催中です。きちんとした素直な着やすそうな着尺や帯でした。草木染めの良さ、感じました。こちらも、24日まで。
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その後、別件がひとつありまして、気付くと、ぎゃー6時半すぎてる!!!走って、走って、すべり込んだ先は、DEE’S HALL。そうです、「正藍型染師 田中昭夫の布 頒布会」です。ついたのは、6時45分くらいでクローズは7時なのけど、まだまだお客様もたくさんいらして、熱気ムンムン。ああ、この方が田中さんか、、、
ちょっと拝見してすぐ退散するつもりが、動けなくなりました。これは大変なものだ。無理してでも手元に置きたい。相当無理して、ひとつ、分けていただきました。結局、7時20分くらいまで居てしまいました。
こちらは、本日23日が最終日。今日は18時までですよ。
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さあ、走ります!次は、ミナペルホネンの20周年「ミナカケル」、目指すはスパイラル。こちらは、20時までですので、これまた滑り込みセーフ。こちらも、大勢の人でにぎわってました。が、すっとミナの精神が通っているようで、人の多さが気にならないと言うか、、、空気感まで作る布、すごいな。こちらは、6月7日まで。
帰りついても、一夜明けても、興奮してる私です。

芭蕉布展、小川待子展、線を聴く

2015.05.17

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今日は銀座に出かけました。展示会を三つみて、自然と美について考えました。
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まずは、もとじさんへ。喜如嘉の芭蕉布展の、平美恵子さんによるギャラリートークでした。
芭蕉布は、ことあるごとに拝見しているので、目新しいことは何もなかったのですが、行ってよかったーーーー!やっぱ、いいですね!迫ってくるものがあります。昔と変らず、受け継がれ、織られている、奇跡のような布。ちょっと怠けたり、我を出したりしたら、あっという間に無くなってしまう。
平美恵子さんが、「芭蕉布は自然といわれるけれど、実は、人手を掛けて、手間ひま掛けて、選別して選別して、バランスをとって作った布だ」っておっしゃってたのが、心に残る。ただ自然にしていただけでは、出来ないのだって。そりゃそうだろうけど、その労力は想像を絶する、、、
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それから、思文閣銀座で、小川待子展を拝見しました。迫力あったーー!陶器とガラスが抱き合ったような。すごく好きでした。人の手を感じさせない。まるで、溶岩が自然に冷えて固まったよう。でも確かに人の仕事だ。
掛け花入が欲しかったなあ。そばに置きたい。買えないけど。こんな物作りしたい。
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その後、メゾンエルメスで開催中の、「線を聴く」へ伺いました。線に主眼を置いたグループ展ですが、こちらもめちゃくちゃ面白かったです。特に、ロジェ・カイヨワさんの自然石のコレクション。すべてがいいのだ。完璧な自然。お茶室に置きたいような、心がすっとする石でした。
備忘のために、ロジェ・カイヨワさんの言葉を、写し書きしておきます。
「あちこちに石がみずから書き残したしるしは、それにこだまを返す他のしるしの探索と精神を誘う。
 私はこうしたしるしの前に佇み、みつめ、記述する。
 そのとき、遊びがはじまる、発明であると同時に認識でもある遊びが。」
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*写真は今日じゃないよ。以前いった長坂のアフリカンアートミュージアムの庭。iPhoneに残ってた。
I’ve been to the African Art Museum at Yamanashi Prefecture. It has beautiful tiny garden. I saw a gardener who was working hard to keep the garden nice and neat.

ピンクレイン、夙川なう、一衣舎さん。

2015.05.13

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これは、オリジナル制作の九寸名古屋帯、「ピンク・レイン」。
カリスマ仕立て師、一衣舎さんが、ただいま兵庫県の夙川での展示会へ、この帯など、連れて行ってくださってます。5月17日の日曜日まで。詳細はこちら→。よかったら、ぜひお出かけください。
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ここでは、九寸帯「ピンク・レイン」の紹介をいたしますね。実物は、ぜひ、夙川「小さい芽」の一衣舎展でご覧下さい。
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すっとした感じが都会的な縞帯です。基調のピンクはコチニールで染めてます。アクセントで入る強いピンク(2ヶ所のみ。これがミソよ!)や赤や黒は酸性染料です。グレーは、墨染め。白もきいてるでしょ。白も青味の白と、アイボリーホワイトと、二種類入れてます。天然染料と酸性染料が、それぞれ上手く仕事してくれたと思ってます。
糸は、しなやかで強い、国産の絹糸です。気軽に締めていただける、インパクトある楽しい帯です。
お問い合わせは、こちらから、何なりどうぞ!

作品

国展に行った

2015.05.09

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昨夕は、国展に行って来ました。金曜は夜間も開いているので、ねらい目です。地下鉄は、六本木でなく、千代田線に乗って乃木坂で降りる。ささっと入れるので、時間短縮できます。染織しか見ないのだけどね〜。
見たかったのは、小島秀子さん、下地康子さん、川村成さん。それぞれに、すばらしかったです!技術も、センスも、ピカピカに磨かれてるなあ、、、、やりたいことをやり遂げてる感が、ゾクゾクするほどよかったです。
他にも染織部門レベル高くて、「こんなによかったの!」と感激しながら、見てました。手で作ったテキスタイルは、やっぱいいなあ。もっと身につけたり、生活に取り入れるべきだっ!と、ひとり息巻きながら見てましたが、実情は難しいのが、モンモンとするところです。流通しなければ生き残れないというのが、私的な意見ですが、その解決策はなかなかです。
午後8時の閉館ギリギリまで、見ても見ても飽きず、見てました。
*写真は、国立新美術館。乃木坂側の入り口。飛行機雲が登り龍!

ある連休の午後

2015.05.07

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ゴールデンウィーク後半のある午後、お客様の予定があった。前日になって、「ゴゴイチうちなら、一緒にお昼にしたらいい」と思いたち、お誘いしたら、乗って下さった。
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るんるんと準備。献立は、カレーとサラダ。スーパーで、「オトナの方がお見えになるのだから、ビールでも買っとくのが礼儀」と(「酒飲みは理由が必要」とどなたかも書かれてましたね)、缶ビールをゲット。お仕事の打ち合わせだから、軽くね。
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その午後、遠くから貴重なお休みを利用してお出で下さったその方と、再会を祝し、お互いの健康と、これからの仕事の成功を祈念し、カンパーイ!
気分は一気に盛り上がり(私だけ?)、楽しくミーティングをすることが出来ました。世間がお休みだと、お昼のビールも許される空気が漂ってるよね。(思い込み?)
気分だけでもお休みモードになりたい私につき合ってくださって、ありがとうございました。ご意向をくみ、いいもの織るよう、がんばります。
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写真は伊豆半島。
もちろん、大ウソ。うちの近所。歩いて10分、走って5分のところ。小田急線沿い。このずーーっと先は江ノ島だよー!

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