吉田美保子の some ori ノート

織ってます

2015.02.23

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にこさまの帯、さあ織りましょう。今回、打ち込みを少々変えてみました。いままでより、もっと、密度高くなるように、入るように、筬を打ちます。そうすることで、地がしっかりとした、キリッとした感じの帯になる。
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織っていたら、手伝いにきてくれていた miwa さんが、「ヨシダさん!とってもきれいです!」と教えてくれました。タイコのところ、経糸が上と下に分かれる様子が、美しいと。ほら、写真撮らないと!
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こちらは、前帯。こんな感じ。タイコと呼応する、シンプルな織柄が入る予定。

今日も良き日

2015.02.22

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今日もまたすばらしい日でした。九寸帯、クリスタル・ストリーム (crystal stream)に再会できました。締めて下さってるところ、拝見するのは、2回目でしたが、前回とは全く別のお着物に(何と訪問着!)合わせてくださって、大感激。この方の、既成概念の枠がない感じ、いつも、いつも、感服しています。
うふふ、ランチにお誘いいただいたのですよ。代官山で。とんでもなく本格的なフレンチのコースでした。メインのあとにチーズが出てきて、デザートのあと、また小さなお菓子が出てくると言う、、、、こんなの何年ぶりだろう、、、、
ゆっくりお話できたのも、何よりうれしかった。仕事する上でのビジョンも多くの気付きをいただいた。5年ごとに考え直すことが起きるよ、、などと、、、、そっか、留まってちゃダメね。
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すてきな方なのだよ〜。
うれしかったのは、今日のお仕度をしてる時の、クリスタル・ストリームの話しで、「畳紙(たとう)を開けたら、私の好きな色が、目に飛び込んできたの」って、満面の笑みで、おっしゃって下さったこと。色の打ち合わせ、細かくしましたものね。やった。よかった。
この帯のことを書いているのは、この辺りです。→1,2,3,4,5

平山八重子展、荒木節子展へ行った。

2015.02.21

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平山八重子さんの個展のギャラリートークに、銀座もとじさんに伺いました。平山さんは、紬織りの大家で、とても美しい着物を織られる方です。すっごく緻密な仕事がしてある完璧な作品です。多色だし、絣だし、計算されまくり。でも、まったくうるさくなく、響き合ってる。すごいな〜。ご本人が、サバサバしている感じなのも、またいいのです。
計画段階の、設計図も拝見できて、頭の中のぞかせてもらった気に。ふぁー、たじたじ。
その後、新宿に移動して「荒木節子 染の風景展」の最終日にすべり込みました。地下一階に、バーンと荒木節子さんの世界が広がってました。
荒木さんは、今、最も売れてるちょう有名な作家さんのお一人。独自の染めの世界を築かれてます。ずっと前から尊敬の念を持ってましたが、まだきちんとご挨拶したことなく、、
今日も、「あ、いらっしゃる」と思いながらも、話しかけられずにいると、、、。荒木先生から、「あら、すてきなバッグですね」っておそれおおくも声をかけていだきました。今日のバックは私の自慢の一品、大ファンの、はやしのりこさん作です。それをきっかけに、私の織りの話しもさせていただき、意気投合。「がんばりましょう!」ってお話しに。
そうなのだよな、、、諸先輩のように、切り開いて行かないと、、、、いろいろありがたい一日でした。
*写真は、我が家のアイドル、こうめちゃん。この写真は3、4日前。今日はもう8輪咲いて、満開まぢか。こうめが我が家に春を告げてくれます。
Koume-chan (my sweet bonsai plum tree) is the symbol of ice-breaking season of my house. She tells me Spring is just around corner.

緯糸もオッケー

2015.02.20

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にこさまの帯、ブラッシングカラーをほどこした経糸を巻き取った後は、緯糸の最終チェックです。必要な糸が、必要な分量、確保されてるか。試し織りをしている時に、緯の染めはほとんど終わってるのだけど、念を入れて。あと、新たな糸も加える。響き合う感じにしたいので。
うるさくなっちゃいけないけど、遠慮しすぎると、詰まらない織物になる。攻めるか、守るか。ギリギリの選択。
あ、ちなみに、上の写真の、右端の大きい綛と、左から2番目の小さい綛が、試しのとき変色したので、直接染料で染め直した分です。手間はかかったけど、かえってにこさま好みの色になったんじゃないかな。結果オーライ〜。
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緯糸は、試行錯誤の上、9種類にした。あ、写真には、8種しか写ってないね。もうひとつは、いかにも絹糸って感じの、光沢のある白い糸です。光沢は絹の最大の強みのひとつなので、ピカピカの織布をねらってない時も、控えめに使う。すると、マットなのに、心躍る織物になる。
にこさまは、相当、控えめな方だと思う。だから、最大限、控えめに。でも、輝くように。
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織りはじめました!

ブラッシングカラーズ

2015.02.19

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にこさまの帯、いよいよブラッシングカラーズ。経糸に、刷毛を使って、染料を刷り込んで行きます。もうここまで来たら、計画通り実行するのみ。慎重に、慎重に。余計なことは考えず、頭を真っ白に。遂行する。
あ、仕上がったらこんなにまん丸にはならないよ。自然な感じにずれるはず。
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タイコ以外は、きほん無地です。無地だけど、色は3色作りました。その染め重なりで、タイコに負けない、豊かな無地にしなきゃね。

整ってきた

2015.02.18

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にこさまの帯、本番に向けての準備がちゃくちゃくです。
色は本当に悩みます。今、調合して出ている色をもし本番に採用したとして、仕上がりでそのまま出る可能性は、とても低いです。濃度でも、配合でも、蒸しによっても変わってきます。
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人事を尽くして天命を待つの境地。望むらくは、にこさまのテイスト側に振れること。
気合いと念。あと覚悟。(データと経験は、もちろんのこと)
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経糸の準備は万端よ。実は、筬目は3回変えた。ほんのちょっとの密度にこだわる。布の厚さが微妙に変わってくるので、八寸帯の場合は特に重要だと思ってます。
糸、けっこう暴れる。赤城の節糸、節ありすぎ〜。

本番に向けて

2015.02.17

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にこさまにお送りして観ていただいてた3回目の試し織り、ほどなく送り返されてきました。新たなご要望はほとんどなく。方向性は間違ってなかったってことか。このまま続行ね。
ほんのちょっとの変更点。そこを基軸に、全体を少々修正。そのほんのちょっとのところに、にこさまのアンテナが反応したのだから、超重要だ。
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さあさあ、本番の準備。ブラッシングの色を作ってしまう。ひとつひとつの色。全体の色。バランスも大事。濃さを調整。前帯の地の色は難しいね。ある程度、主張のある色でないと、タイコと釣り合わない。糊を混ぜて、さあ、もう一度、確認だ。

岩波ホール

2015.02.15

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金曜の夕方、神田小川町の TEORIYA さんでの、影山工房講座を終わったら、もう真っ暗だった。早めに出たら、観に行こうと思ってた展示会があったのだけど、ちょっとタイムアウトだなあ。
神保町に向かって歩く。スマホにメール。「竜巻だいじょうぶだった?」えっ!検索すると厚木市で午後3時頃。わー、知らんかった。厚木はすぐ隣り。
神保町をウロウロしたかったのだが、この日は、なんせ寒かった。ウロウロなんて不可能だ。さて、どうしよう。神保町で、寒くなくて、何か面白いこと。あ!岩波ホール!ものすっごくご無沙汰してるけど、岩波ホールがあるじゃん!
とりあえずビルの下まで行って、看板を見上げる。上映中なのはポーランドの「幸せのありか」。みようかなあ、、、当日一般1800円が、ちとネック。
そしたら、見知らぬおじさまに声を掛けられた。「失礼ですが、今から映画みられるのですか?もしよかったら、前売りチケット、安く譲りますよ。もう最終日で最終回だからね。1200円でどうでしょう?」
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と言うわけで、特別に寒い日の晩、若い頃、憧憬の念を持って足を運んだ映画館で、映画を観た。
映画は、脳性麻痺の男の子が、小さい頃から、成長していく過程。それがみずみずしいこと、美しいこと。実話なのだそうだ。
主人公は、私より、一回りくらい若いんじゃないか?だとしたら、映し出されるポーランドの風景は、私と同時代なのだ。共産圏だったし、庶民の生活は、決して豊かでないけど、とても、とても美しく、心が揺れた。
ああ、私、映画を観ることが好きだったなあ、、、、映画で、世界中に旅して、主人公になりきるのが大好きだった。忘れてたよ。
*写真はうちの近所。遅くに帰ってきたけど、竜巻の影響は一切なかったみたい。
I saw movie at Iwanami Hall at Jinbocho, Tokyo on Friday evening. Iwanami Hall is a very famous film house showing anti-hollywood movies since opening. When I was very young (about 20 years old), I visited there so often.

影山工房公開講座に行った

2015.02.14

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染織家の影山秀雄さんの、公開講座「織りを伝える」を受講してきました。影山さんは、織り歴40年。染織の家に生まれ、ずっと織りと共に生きて来られた、マエストロです。
私は影山さんのシンパサイザー。すごいと思ってる。その経験に基づく膨大な知識。それを惜しげなく伝えて下さる姿勢。ほんと、ありがたいです。
私が受けた講座は、「私の好きな糸の話」と題されてて、影山さんの実際に使ってられる糸とそれで織った布の実物を見せていただきながらの講座でした。
木綿、絹、野蚕、麻、カシミアやヤク、蓮糸。
糸をどう使いこなして行くかってことが、大変面白かったです。双糸にしたり、追い撚りを掛けたり。この糸を使いたいってことがあって、使いにくい糸だったとしても、目的に合わせ、一手間、二手間掛けることで、経糸にも使えるし、また、唯一無二の布にもなる。これぞ、私が求めていることだ。私の弱いところでもあると思う。まだまだ追求が足りないぞ、私!
講座のほか、影山さん考案の機道具も展示販売されてて、こういう知識の交流、道具の交流、いいなあ〜と思いました。影山さんから教えたいただいたことと、譲っていただいた道具を、しっかり自分のモノとしなくちゃね。がんばろう。
*写真はうちの近所。ブロック塀の一部がガラスでいい感じ。なんだけど、ガラスの向こうは集積所。下半分の緑はカラスよけの網。ちらと見える黄色は、大和市指定有料ゴミ袋。
I have joined into the lecture of weaving by Mr. Kageyama yesterday. He showed the cloth made from the fiber extracted from lotus. It was a soft, savage and beautiful cloth.

3回目の試し織り

2015.02.12

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にこさまの緯糸、新しく染まりました。デザインも整えた。さあ、3回目の試し織りをしましょう。新しく染めた糸の調子を見るためだけど、同時に、ブラッシングの色味の再確認と、緯糸の入れ方を考えたい。即本番に持って行けるように。
緯糸は和紙の糸だけだと、単調なのよね。単調が悪いわけではぜんぜんないけど、「リズミカルな森のラクダ」の絵は、背景も決して単調ではない。もちろん、和の世界にもってくるのだから、クレーの絵の調子そのままって言うわけには行かないけど。如何にミックスするか、悩みに悩む。
にこさまがこの帯に合わせる予定のお着物は、色は個性的だけど、テクスチャーはさらっとしてる。だったら帯は、手の跡が残るような、印象に残るような、そんな深い風合いでもいいのかも、、、、、。
さあ、3回目の試し、織り終わりましたよ。ドキドキの蒸し。難なくクリア。想定外の変色はありません。水元もオッケー。
それでは、にこさまに観ていただきましょう。説明書を書いて、デザインの実物大と縮小版とともに、発送です。

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