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これ、きおさまの帯の、メインの緯糸です。タイ産のキビソ糸。野性味あふれる面白い糸です。それをほんの少々精練して、固さを残し、極極薄に染めています。
この糸、太さ、揃ってません。そうとうバラつきがありますので、小管に巻きながら、太、中、細と分けていきます。きおさまは、あまり太い糸は入れないのをお望みでしたので、そういう糸は、よけておきます。またいつか出番が回ってくるでしょう。
色も、もともと生成りの状態で、すごくバラつきがありました。真っ白に近い部分と、うすベージュ、うすグレーという風に。染めてもその違いは、健在ですので、やはり小管に巻きながら、分けておきます。
そうしておいて、織りながら、「ここだ!」ってところに、適する緯糸を入れていきます。または、無作為にいれていくのも、自然な段ができて、風景になって面白い。私はタイコとお腹は吟味しますが、あとは無作為が好きです。
今回、この糸をメインに選んだのは、曜変天目をあらわすのに、あまり人工的に均整をとれさせた糸は合わないんじゃないかって思ったことがあります。蚕が糸を吐く、その勢いが欲しかった。
それともうひとつの理由は、実はきおさま、私の帯、すでに2本、お持ち下さってます。それらと違う糸を使いたかった。糸が違うと、別物になりますのでね、いろんな帯をお持ちいただき、いろんな場面で締めていただきたいなって、気持ちからです。
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きおさまの帯、ブラッシングカラーズ、終わりました。調合した染料を、設計図どおりに刷毛で刷り込んでいきます。下から見上げて、写真を撮りました。
きおさまのブラッシングカラーズの要点は、ボカシ、カスレを効果的に。色を重ねる。円はまん丸にならないように。線は真っ直ぐにならないように。などなど。
やりながら思ったことは、やはりこれは、星だな、星空を描けばいいんだってこと。曜変天目からのインスピレーションは、星空だったってこと。宇宙とも言えるけど、私には、「宇宙」は大きすぎる言葉のように思うから、星空と言いたいのだ。
広ーい空間に、生まれたての星とか、太古からの星とか、浮かんでる。秩序があるのか、ないのか。きっとあるけど、解明できない、、、
きおさまの帯は、星空がみっつのブルー。それそれに、ものがたりのある星空だ。
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きおさまの八寸帯、順調に進んでいます。ここまできたら、今まで準備してきたことを、素直に、真面目に、誠実に、仕事して行くのみです。
きおさまからメールをいただきました。それを拝読し、私はたいへん励まされました。うれしいメールでした。
きおさまとキャッチボールを続けて、一緒に手探りで作っていくことは何よりの喜びです。許可いただきましたので、一部ご紹介させていただきます。
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ヨシダさんへ
こんばんは。
ブログずっと見ています。
今日は色を決めたというのを見てニンマリ!
私がお願いした色がちゃんと並んでいるではないですか!
緯糸のムラ染めこれもあじわいが出るだろうなあと思いました。
今回、only only をヨシダさんにお願いして、たった一つの私のオリジナルが出来る事をすごく楽しみにしています。
そして、何よりも、私がヨシダさんの所に伺って、話し合って、だんだん形になっていく過程が、とても楽しいと思いました。これは病みつきになってしまうかもと思ったくらいです。
一緒に考えて行くうちに、いろいろなアイディアが出て、それが形になっていく、こんなに楽しい事はありません。
私は染めや織りに関しては素人なので、勝手な事をヨシダさんに要求します。
その要求がとても無謀なことだと、何回か打ち合わせをしているうちに気が付きます。
でも、私の希望を少しでも実現してくれようとするヨシダさんの努力に、私は喜びを感じ、楽しさを感じます。
(後略)
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きおさま、うれしいメールを本当にどうもありがとうございます。
着物を着ることや作ることの、楽しみや喜びを、すぐそこに感じます。それが、もし、私の努力で体現できるものなのであれば、いくらでもがんばります。もうひとがんばりすれば、それだけ、きおさまのご希望に近づけるかもしれない。出来ることはすべてする、それが染織吉田の基本姿勢です。
*写真は、仕事場。きおさまの染料と設計図が手前に写っています。
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九寸名古屋帯「イエロー・モンドリアン」は、南青山のギャラリー「イトノサキ」さんに、お気に召していただいて、扱っていただくことになりました。
さっそくブログに載せていただいてます。ぜひご覧下さい。→☆ 上の写真は、こちらからの拝借です〜。帯締めのチョイスもクールだね。
イトノサキの店主、畔蒜(あびる)さんは、このあと、帯を評して「見れば見るほど奥行きがあるカッコいい帯」と言って下さいました。うれしいなあ。織物は、線であった糸を面にする作業です。面に奥行きを出すのは、何か、仕掛けがいるんです。それが、染めなのか、糸なのか、織りの組織なのか、、、、いつも直面している課題です。
もしよかったら、イトノサキさんにお出かけくださいませんか?「イエロー・モンドリアン」の実物、ぜひご覧下さい。イトノサキさんは、外苑前が最寄り駅ですが、表参道からもささっと歩けます。きっと今、青山墓地の緑が最高にきれいね。イトノサキさんのサイトはこちら→☆
畔蒜さんは、甘くない着物をキリッと着こなすすてきな方です。イトノサキさんも、畔蒜さんのキリッとした眼でキリッと選んだ、着物や帯や、他にもいろいろ、すてきなものを揃えたギャラリーです。
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きおさまとのミーティングは、終わりました。さあ、あとは形にするのに邁進するのみ。堀を埋めてく感じで、準備周到に。これは、本番用の染料を作り直してるところ。
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色は、この8色に決定。
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緯糸の一種は、これ。うすーくムラ染めにしています。うすい青、びみょうに見えますね。織るとばらけますので、とびとびに入ります。深く、豊かな帯になるための仕掛けです。これ見よがしにならないように。ごくあっさりと。でもしっかりと。手品のタネを仕込むようで、好きな作業です。
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さあ、きおさまの帯、4回目のミーティングに向けて、色を詰めて行きます。色の調合は、トライ&エラーの繰り返し。今までの、きおさまとのやり取りを反芻し、ノートを見直しながら。
染料を扱うのは、大好きです。しかし、ガツッとご希望を叶える色を出すのは難しい。
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今回の試し織りは、色を見るためのものだから、分量少なめで、3色を2バージョンずつ織りました。
4回目のミーティグもきおさまにご足労いただきました。実はこの日は、ご一緒にお昼いただきました。近所の餃子の王将で。二人とも王将、入ったことなかったんです。前回のミーティングのとき、「行ってみる?」などと話したもので。初めての経験。なかなかおいしかったです。
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ミーティグの結果、ダークブルーは、下染めにグリーン、ターコイズはあくまで純粋に、曜変天目の群青はふかい色で緑も感じさせる色に決まりました。(黄色いシールが貼ってある方)
きおさま、決めるの速いです。ぱっぱと選んで行かれます。自分のことが分かってらっしゃるんだろうな。決断力あるって、カッコいい。そのへんも、帯に反映できるといいな。そんな帯、織ろう。
さあさあ、出そろったよ!
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新しく作った2枚の試し織りと設計図を用意して、きおさまとの3回目のミーティングに臨んだ。
きおさま、私のプレゼンをじっと聞いて下さり、黒と茶を使わず白抜きで、曜変天目の星を表現することなど、ほぼ賛同をいただけた。
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思ってたことと違った点は、きおさま、却下になった試し織り(上の写真)の青が一番お好きと。透明感のあるターコイズにエメラルドを重ねたような色。ではこの色を真ん中にすえて、上に、黒を感じるダークなブルー、下に緑の下染めと曜変天目の群青を。
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その他のきおさまのご希望は、ブラッシングカラーズはムラがあった方がよい、染め重ねて多色にする、真っ直ぐな線にしない、形は大小あった方がいい、などなど。
緯糸も、あまり太すぎないように。でこぼこが見えると、ちょっと民芸調になっちゃうしね。緯の差し色も細かく観ていただき、微調整。やっと光が見えてきた。だんだんフォーカス絞り込めてきたよ。
きおさまには、色の変更後の実際も観ていただくことになったので、もう一度ご足労いただきます。本当に何度もすみません。まさに二人三脚のモノ作り。さあ、もうひとがんばり。
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100歳の祖母を見舞いに、母が上京していて、少々時間があるというので、代官山で待ち合わせた。
待ち合わせ場所を指定したのは私。外出したら、用事をハシゴするのは必須です。今、代官山で拝見したい展覧会をやってるのだ。「勝山健史織物展」。
駅で落ち合ったら、ごきげんの母。「代官山、いちど来たかったんだ。若者の街だけん!」ガクッとくる私、、、ちょ、、、
まずは、目的地。ヒルサイドテラスへ。勝山健史さん、いやはや、すばらしかったです。糸もいいのだろうけど(塩蔵繭!)、なんというか、、、、バランス最高。糸や織りのレベルが高く保たれてて、そこに効かせ色がピピピっと来てて、ふわー、すっかり感服、いい気持ちだ。
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母に「このヒルサイドテラスの裏は、何か知らんけど、すごいお屋敷なんだよ」と言うと、興味をしめす。行ってみようかと言うと、行きたがる。おお、公開されてるじゃん。
旧朝倉家住宅は、渋谷区の持ち物で、一般公開されていた。私は入場料100円、母は60歳以上無料。庭が傾斜地で歩きにくいが、とても立派。お宅もいい材をふんだんに使った大正期の建築。
しかし、母よ。若者の街だから、代官山に来たかったんじゃないの?
まあ、よいです。
代官山らしい、クールなレストランで夕食を食べ、私はビールを4杯飲み(グラスだよ。だんだん味と色が濃くなる)、ほろ酔いかげんで駅まで歩き、実家に帰る母とは東横線内で別れました。
母には、ブログに余計なこと書かないように釘を刺されたので、これ以上のことは書きませんよ。うふふ。
*写真は、オサレな代官山ではありません。神奈川県の端っこの、我が家の近くです。
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「ヨシダさんの青が好き」って言葉に支えられて、三たび暗中模索を開始する。
私の青って?
好きなのは、イブ・クラインのクラインブルーと、マチスのブルーヌード。ああいう、バシッとした青が好き。
それでいいのか?とにかく、スケッチだ。ふむー。ちょっくら、試しブラッシング。ふむーふむー。
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3枚目の試しを織って、蒸してみる。あらっ、光が見えたか?ブラッシングをしなかった、白場が案外効いてる。青を引き立ててる。いけるか?
可能性ありと見た。じゃあ、実物大にしてみよう。ここまできたら、パソコンの力を借ります。
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よし、じゃあ、全体像を作ってみよう。全体の設計図ができると、頭の中がすっきりします。
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ふむ、自分としては、帯として、立たせるところまで持ってこれたと思う。さあ、きおさまに見ていただこう。
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さあ、それでは2回目のミーティングを、形に落とし込んでみよう。まずは話し合ったことに忠実に。スケッチと、試しブラッシング、試し織り。
青、黒、茶色、有機的に、、、、、、なかなか落とし所が見つからずに苦しむ。おどろおどろしい感じがしてしまって、そこからの突破口が見つからない。
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きおさまは美人である。それも、華があって光がある正統派の美人。影のある美しさとかじゃなくてね。きっと、息子さん方、小さい頃、自慢のお母さんだったろうなあ。ほら、小学生の男の子って、美醜に対して正直じゃん?笑
おしゃれなきおさまのことだから、もちろん、ダークな帯も、使いこなしていただけるとは思う。だけど、できれば、もっと明るい光の帯を作らせていただきたいなあ。
何か、ご提案できないか、、、、
きおさまは、「ヨシダの青がすき」と言って下さっていた。では、青で勝負は掛けられないか、、、、。
思い切って、茶色をなくすか?そうすると、ずいぶんすっきりするぞ。だったら、黒も落としちゃう?青のみ、白抜きだったらどうだろう、、、、