吉田美保子の some ori ノート

きおさま、仕上げ中

2015.05.05

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きおさまの帯、織り終わりましたよ。早速蒸しと水元。そして、伸子張りです。
実は私、蒸しが一番コワい。染料が動くなど想定外の事故が起こることがあるし、やり直しがきかないから。毎度、いろいろな工夫を凝らしている。悩みつつ、チャレンジしつつ、ビビリつつ。へっぴり腰ながら、度胸を決めてやってるつもり。
今回は、、、、、、クリアだ!よかったよー。うまくいった!
気持ちも軽やか。薫風さわやかですなあ〜。
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きおさまの帯は、このあと、湯のしに出して、最終の検反をすれば、完成です。でもお納めは、ちょっと間を置くことになりました。きおさま、5月中旬まで外国出張とのこと。宅配で送って納品するより、手渡しを選んだ、きおさまと私。
ですから、このブログのきおさまの連載も、これにて、一時お休みします。再開は納品の日かな!?

熊本ゆかり便り、5月号に載った!

2015.05.04

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あ!和の國さんのブログの、「熊本ゆかり便り」が更新されてる!なんと、5月号は、私めにフォーカスいただいてます。ぜひ、ご覧下さい。こちらです→
この「熊本ゆかり便り」は、熊本のすてきなきもの店「和の國」さんで開催される「熊本ゆかりの染織作家展」の実行員、安達絵里子さんが、ずっと連載されているものです。
安達さんはきものライターなのですが、ご自身も、毎日をきもので暮らしてらっしゃいます。梅雨時期も、暑い夏も、木枯らし吹いてもきものです。だからこそ書ける、説得力ある文章だなあ〜と毎回楽しみに読んでいます。
私自身は、着物を着るのは、毎日などトンでもなく、何かお誘いいただいたり、特別に出かける時のみとなってますが、それでも、そういう機会があれば、せっせと着るようになりました。
そうなってから、きものや帯のこと、今までよりは分かるようになったし、作る時も「こうしよう」とか、もっと踏み込んで「こうあるべきだ」って自分なりですが、思うようになりました。
身につけるもんですものね、着やすさとか、扱いやすさも、あと、見映えも大事だもんね。好みが一番だけど、その「好き」に応える技術と工夫、、、、いつも課題です。
地元熊本で活躍される、和の國さん、安達さんは、私の心のよりどころです。本当にどうもありがとうございます。

きおさま、織ってます。2

2015.05.02

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きおさまの帯、進んでいます。ここまで来ると、しゅくしゅくと進めるほかありませんので、せっせと、コツコツと織っています。写っているのは、前帯部分。
織りは、織るまでの段取りが8割と思ってやってますが(帯の場合ね。着尺は6割かな?)、今回のきおさまの帯は、織るまでで、90%を使い果たしました。でもやっぱ、織るのは集大成って感じで好きです。今まで仕掛けてきたことが、ここで現れますので、すがすがしい感じ。
仕上がって、お納めした時のきおさまのお顔を思い描きながら、もうひとがんばりです。
I have been weaving Kio Sama’s obi 5 meter long now. I’m imaging Kio Sama’s bright & big smile when I delivered this obi to her. I usually spent my full-enegy 80% for its planning and 20% for weaving when I create obi. But I spent my full-power 90% for this obi planning.
Each time shuttle runs from right to left then left to right, this obi grows close to my finish image in my mind.

ありがとうございます、本日12周年。

2015.05.01

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今日、5月1日は、染織吉田の設立記念日です。生きてるだけでビックリ状態のまま、なんとか織り続けてきました。本当にどうもありがとうございます。12年間、ずーっと、支えていただき、教えていただき、応援をいただき、おかげさまで生きています。心から、感謝申し上げます。
12年という時間の流れのはやさにビビります。最近、年を取ったせいか、ますます加速してきました。どんどん織らないと、織り尽くせません。焦ります。
私自身は、12年前と今と、ちっとも変わってないようにも思います。自分の表現したいものを、どうにか形にしたいと七転八倒。失敗して転んだりもしましたが、その都度、助けられ、起き上がることが出来ました。ひとつひとつを思い出し、ありがたかったなあと、感謝にたえません。
今日も、普通に仕事してました。明日からもずっとです。ひとつひとつ、丁寧に。元気で仕事が一番です。
染織吉田を、どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。
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*写真は、数日前。朝ジョグしてたら、いきなり目に飛び込んできた、満開の藤の花。近所なんだけど、藤が生えてるって認識してなかったら、突然、花のかたまりがボンッと出現して、ビックリした。
この木が生えてる場所は、アパートの横の、ジャリ敷きの駐車場の脇。盆栽をそのまま大きくしたような、カッコいい枝振りの藤には似つかわしくない。ここ、何十年か前までは、お屋敷のお庭だったのかな。相続かなんかで取り壊されて、アパートと駐車場になったけど、藤は残されたと推理します。それは幸なのか不幸なのか。

きおさま、織ってます

2015.04.30

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きおさまの帯、織ってます。
きおさまの帯は、おタイコと前柄のところのみブラッシングカラーズで染めて、その他は白場として残します。そして、タレと手先、タイコとお腹のブラッシングカラーズの前後には、緯糸を変えて、差し色として線を入れます。これは、曜変天目の口縁のみたてのつもり。
緯糸は、8種類の糸を使います。そのうち、地の部分には、3種類。先日載せたタイのキビソ糸と、4/24付けブログに載せてるごく薄ーいムラ染めの糸(これは玉糸、柔らかく弾力がある)、と極細の銀糸。銀糸を地の部分全面に入れるのも、きおさまとお話して決めました。極細で、抑えた銀なので、そんなに目立たない。でも、角度を変えるとキラッと光る。
あとの5種が、差し色の横線の糸です。一種は、太目の銀。もうひとつが黒(ここで染めてる→)、あとの3種は3段階の濃淡のブルーです。
さあ、もうひとがんばり。

お茶会へ

2015.04.30

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昨日は、お茶会にお誘いいただきまして、ウキウキと出かけてきました。鎌倉まで♡ 今年のGW、唯一の、お出かけです。
実は私、お茶席、初参加。ドキドキしまくりでした。お誘いいただいときに、無作法者であることと、紬の着物と帯しか持ってないことを白状しまして、カジュアルな会だから気にしないでって言っていただいてました。その上なんと「私も当日は、ミホコさんの帯しめるつもりだから。」と!!!ビックリ、大光栄です。
一夜明けまして、なんか、いろいろ濃密過ぎて、すご過ぎて、上手く感想書けないけど、お茶っていいですね!それをしみじみ感じました。私の知らない世界を垣間みさせていただきました。
床の間の完璧さに、打たれました。ここまで、一分の隙もないほどの空間に作り上げるって、すごい。余白って美しいなあ。この空間に自分も居させていただくことの不思議さとありがたさ。
風情のあるお庭を眺めながら、お薄を一服いただきました。向こうのお山には、山藤が咲いているのが見えました。
お道具拝見、文化の凝縮だなあ〜。お仕覆は17世紀の印金だとか、、、それを実際に使ってだもんね。お茶はタイムマシンだね。
ご一緒させていただいた方々との出会いも、たいへん貴重で、引き合わせて下さったのも、ご亭主さまのお心遣い。どんだけ準備してくれたんだろうって思うと、ただただ頭が下がります。
お茶席のあとは、酒宴も用意してくださってて、これまたすばらしく、ほろほろ酔いで帰宅しました。
*写真は、お庭の梅の木。ご亭主はこの木の下でお薄を点ててくださった。帯も新緑に映え、ご亭主に寄り添い、うれしかった。

きおさまの緯糸

2015.04.29

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これ、きおさまの帯の、メインの緯糸です。タイ産のキビソ糸。野性味あふれる面白い糸です。それをほんの少々精練して、固さを残し、極極薄に染めています。
この糸、太さ、揃ってません。そうとうバラつきがありますので、小管に巻きながら、太、中、細と分けていきます。きおさまは、あまり太い糸は入れないのをお望みでしたので、そういう糸は、よけておきます。またいつか出番が回ってくるでしょう。
色も、もともと生成りの状態で、すごくバラつきがありました。真っ白に近い部分と、うすベージュ、うすグレーという風に。染めてもその違いは、健在ですので、やはり小管に巻きながら、分けておきます。
そうしておいて、織りながら、「ここだ!」ってところに、適する緯糸を入れていきます。または、無作為にいれていくのも、自然な段ができて、風景になって面白い。私はタイコとお腹は吟味しますが、あとは無作為が好きです。
今回、この糸をメインに選んだのは、曜変天目をあらわすのに、あまり人工的に均整をとれさせた糸は合わないんじゃないかって思ったことがあります。蚕が糸を吐く、その勢いが欲しかった。
それともうひとつの理由は、実はきおさま、私の帯、すでに2本、お持ち下さってます。それらと違う糸を使いたかった。糸が違うと、別物になりますのでね、いろんな帯をお持ちいただき、いろんな場面で締めていただきたいなって、気持ちからです。

ブラッシングカラーズ

2015.04.28

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きおさまの帯、ブラッシングカラーズ、終わりました。調合した染料を、設計図どおりに刷毛で刷り込んでいきます。下から見上げて、写真を撮りました。
きおさまのブラッシングカラーズの要点は、ボカシ、カスレを効果的に。色を重ねる。円はまん丸にならないように。線は真っ直ぐにならないように。などなど。
やりながら思ったことは、やはりこれは、星だな、星空を描けばいいんだってこと。曜変天目からのインスピレーションは、星空だったってこと。宇宙とも言えるけど、私には、「宇宙」は大きすぎる言葉のように思うから、星空と言いたいのだ。
広ーい空間に、生まれたての星とか、太古からの星とか、浮かんでる。秩序があるのか、ないのか。きっとあるけど、解明できない、、、
きおさまの帯は、星空がみっつのブルー。それそれに、ものがたりのある星空だ。

きおさまからのメール

2015.04.26

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きおさまの八寸帯、順調に進んでいます。ここまできたら、今まで準備してきたことを、素直に、真面目に、誠実に、仕事して行くのみです。
きおさまからメールをいただきました。それを拝読し、私はたいへん励まされました。うれしいメールでした。
きおさまとキャッチボールを続けて、一緒に手探りで作っていくことは何よりの喜びです。許可いただきましたので、一部ご紹介させていただきます。
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ヨシダさんへ
こんばんは。
ブログずっと見ています。
今日は色を決めたというのを見てニンマリ!
私がお願いした色がちゃんと並んでいるではないですか!
緯糸のムラ染めこれもあじわいが出るだろうなあと思いました。
今回、only only をヨシダさんにお願いして、たった一つの私のオリジナルが出来る事をすごく楽しみにしています。
そして、何よりも、私がヨシダさんの所に伺って、話し合って、だんだん形になっていく過程が、とても楽しいと思いました。これは病みつきになってしまうかもと思ったくらいです。
一緒に考えて行くうちに、いろいろなアイディアが出て、それが形になっていく、こんなに楽しい事はありません。
私は染めや織りに関しては素人なので、勝手な事をヨシダさんに要求します。
その要求がとても無謀なことだと、何回か打ち合わせをしているうちに気が付きます。
でも、私の希望を少しでも実現してくれようとするヨシダさんの努力に、私は喜びを感じ、楽しさを感じます。
(後略)
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きおさま、うれしいメールを本当にどうもありがとうございます。
着物を着ることや作ることの、楽しみや喜びを、すぐそこに感じます。それが、もし、私の努力で体現できるものなのであれば、いくらでもがんばります。もうひとがんばりすれば、それだけ、きおさまのご希望に近づけるかもしれない。出来ることはすべてする、それが染織吉田の基本姿勢です。
*写真は、仕事場。きおさまの染料と設計図が手前に写っています。

イトノサキさん!

2015.04.25

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九寸名古屋帯「イエロー・モンドリアン」は、南青山のギャラリー「イトノサキ」さんに、お気に召していただいて、扱っていただくことになりました。
さっそくブログに載せていただいてます。ぜひご覧下さい。→ 上の写真は、こちらからの拝借です〜。帯締めのチョイスもクールだね。
イトノサキの店主、畔蒜(あびる)さんは、このあと、帯を評して「見れば見るほど奥行きがあるカッコいい帯」と言って下さいました。うれしいなあ。織物は、線であった糸を面にする作業です。面に奥行きを出すのは、何か、仕掛けがいるんです。それが、染めなのか、糸なのか、織りの組織なのか、、、、いつも直面している課題です。
もしよかったら、イトノサキさんにお出かけくださいませんか?「イエロー・モンドリアン」の実物、ぜひご覧下さい。イトノサキさんは、外苑前が最寄り駅ですが、表参道からもささっと歩けます。きっと今、青山墓地の緑が最高にきれいね。イトノサキさんのサイトはこちら→
畔蒜さんは、甘くない着物をキリッと着こなすすてきな方です。イトノサキさんも、畔蒜さんのキリッとした眼でキリッと選んだ、着物や帯や、他にもいろいろ、すてきなものを揃えたギャラリーです。

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