吉田美保子の some ori ノート

鈴田滋人さんの個展へ

2013.11.30

写真 のコピー.JPG
鈴田滋人さんの個展のギャラリートークに、銀座もとじさんに伺いました。
鈴田氏と言えば、言わずとしれた、木版摺り更紗の人間国宝。端正で静謐なイメージで、どんなお話をなさるか想像できないわーって思っていたのだけど、、、、、ものすっごく面白かったです!!!鈴田氏の、美を創造する力に、吸い込まれました。
写真.JPG
印象に残ったお話をひとつ。(私の脳内変換があるかもです〜)
工芸は現代美術だ。人に近い美術だ。人を思って美を作るとき、新たな美が生まれる。現代美術の要素の、コラボレーションは、人と着物はスーパーコラボだし、インスタレーションは、まさに状況や空間を作るし、インプロビゼーション(即興)の美術でもある。面倒なことをしないとダメだ。欲をコントロールするのが作業。
深くうなずきつつ傾聴。すばらしかった。
鈴田滋人展は、銀座もとじさんにて、明日まで。
写真は、ちょっと前の銀杏。絵画館前。今はきっとまっきっきでしょうな。

栗の染め、アゲイン。柿もね。

2013.11.27

P1070640.JPG
筑波のご夫妻から託されたもの。栗です。今回は鬼皮に加え、イガと枝も。草木染めの染材です。さあ、早速染料にしてしまいましょう。
P1070657.JPG
枝をカットしました。細かく、細かく。色がたっぷり出ますように。なかなか固かったよー。
P1070664.JPG
さあ、取れましたよ。しっかりしたいい色だ〜。立派に取れたので、二染までいただきました。
P1070674.JPG
お着物を織るための染料なのですが、本格的に取りかかるのはまだ先です。取りかかる前に、コンセンサス、大事だと思っているのですが、とにかくこの段階で、一度染めてしまいます。やってみないと、提案もできないしね。
うんうん、こんな感じを望まれているのではないか。
P1070658.JPG
そうだ!柿渋染めもやってみよう。ご夫妻は、栗のみならず、柿にも特別の思い入れがお有りなのだ。ふむーー。柿渋染めは、固くなるので、着物には使いづらいけど、帯ならどうだろう。

初・結城に行った!

2013.11.26

P1070564.JPG
今回、お世話になったご夫妻。
P1070578.JPG
ご一家。
P1070550.JPG
蚕影神社のあと、結城に連れて行って下さいました。あの結城紬の結城です。私、結城に行くのも初めてでした。結城紬に対する畏敬の念は強く強くあるのですが、なんだか腰が上がらなかった。
結城に行って、ぷらぷら歩いて、北関東の古い城下町の文化の力を感じました。品のある、人がいきいき生きてる街でした。長い長い蓄積があるのだよ、街にも、織物にも。
奥順さんがされてる「つむぎの館」を見学しました。結城紬って名前に安穏してない(安穏のところはすでに無くなったのだろうけど)。いろいろ商品みせていただいて、本来の結城紬と、半分動織機が入ってる反物があったけど、本場のすごさ目の当たり〜。撚りが掛かってない真綿ってのは、織りをやってる者からみると、夢のような糸です。むーーー。むーーー。糸はすごいよ。蚕はすごいよ。
どうすりゃいいんだ。むーーー。

Beautiful holiday

2013.11.25

P1070512.JPG
ワンダフルなことがありました。
P1070525.JPG
先日、仕事の打ち合わせに、あるご夫妻の元に行きました。ら、それは、完璧なビューティフル ホリデーとなりました!!!わーい!仕事そっちのけで、すっかり遊んでいただきました。きれいな広い青空で、紅葉してて、ああ、なんてすてきなの。
P1070547.JPG
ここは蚕影(こかげ)神社。お蚕さまの総本山!
P1070543.JPG
ひなびた里山の高いところに、ひっそりとたたずんでました。養蚕が盛んな頃は、桑畑が見渡せたのかな。
P1070545.JPG
ここは、私はその存在を知らなかったのだけど、今回遊んでくださった方とメールのやり取りをするたびに、「ひなびた蚕の神社があって、いつかヨシダさんをお連れしたい」ってずっと言って下さってたんです。ボロボロだけど、いいんだって。で、ずっと憧れてたのだ。どんなところなんだろう???
行けて本当によかったです。
おみくじ引いたら、大吉でした!!!!
My friend and her husband took me to the shrine called Kokage Jinjya near Mt.Tukuba. The Kokage shrine is dedicated to silk worm and weaving.
Many shrines are dedicated to silk worm in Japan. But the Kokage shrine is the head of them.

今は漕ぎいでな

2013.11.22

P1070469.JPG
めとさまのお着物、経糸の入れ方を計算して紙に落とし込んでいます。デザイン、はじめと終わりはやっぱり紙ですね。調整する時はパソコンを使うけど。
P1070449.JPG
めとさまにこれで行きますよってメールしたら、「今は漕ぎいでな」ってタイトルの返信くださった。めとさまらしいご返信。その日、満月じゃなかったかな?潮も満ちた。さあ。
写真は船出を待つ糸たち。

森万里子展へ行った

2013.11.21

写真 のコピー.JPG
ちょいと抜け出す。表参道とその界隈へ。
写真.JPG
表参道で、森万里子展を見た。
正直言うと、私、あまり森万里子、ピンとこないんだ。タイプでないアーティスト。そのくせ、けっこう見てるのよね。10年くらい前の、東京現代美術館でも見たし、これもずいぶん前だけど、豊島(てしま)で沼の中ににょきっとしてるのも見たよ。
で毎度、うーん、アジャストできんわぁ、と思いつつ、ガン見。
写真 のコピー 2.JPG
タイプでなくても、人を吸い込むのだよ。それに、うなづかせる。目が離せなくなる。たいしたもんだと思う。
森万里子展は、表参道のエスパス・ルイ・ヴィトンにて、来年の1月5日まで。
写真は森作品です。撮影可なのよね、ここ。

もう一色

2013.11.20

P1070427.JPG
めとさまのお着物の経糸、染めは全て完了したはずでした。いい色が出揃いましたので、納得してました。
ですが、いよいよ落とし込みをしながら、ちょっとだけ、違和感。グラデーションのところ、ちょっと違わないか?もう少し、ふわっと感を出した方がよくないか?ピンク系から、シャンパン色に行くところ、本当にこのままでいいのか???
上の写真はピンクの糸が乾いたところです。糸は完全に乾かないと、色が分からないのですよね。
P1070467.JPG
それで、もう一色染めました。この写真の真ん中に写っている糸(ピンクの手前)。中間色染めて、グラデーションを優しく柔らかくしたかった。シャープなグラデーションの場合は、色数の少ないのもいいのだけど、めとさまの場合は、「colored wind」なのだから、ふんわりといい香り漂う感じ。ここではシャープさは求めてないのよ。
P1070451.JPG
さあ、これが経糸のすべて。いいでしょ、いいでしょ!

友達がきた

2013.11.19

P1070493.JPG
先々日、先日と二日続けて、友達がきた。付き合いべたな気がある私としては珍しいことだ。
二人とも、ちょっと年上のすてきなお姉さん。それぞれご多忙の中を縫って、お越しくださった。
P1070498.JPG
一日目にきてくれた人は、この2年くらいのうちにとても仲良くなった方。新しい視点から、私の制作に大きなサジェスチョンをくれた。よし、動くぞ!
二日目にきてくれた人は、もう15年くらいの付き合いか?板橋区時代のご近所さん。オーストラリアの方。3年ぶりくらいだよ。変わらないなあ。アートな人だ。10周年の挨拶状を出したのに応える形でお越しくださったのだけど、それは5月の話。自分のペースで祝ってくれる。うれしかった。
写真はお二人にいただいたもの。場所を変えて撮ってみた。Thank you!

さあ、最終の色調整

2013.11.18

P1070415.JPG
めとさまのお着物、いよいよ最終の色調整の染めです。
まずは、紅(くれない)です。この色がやはり、めとさまのお着物を支える色ですものね。お借りした本の見返しの色と、染めながら、何度も何度も見比べる。本の色というより、めとさまが求めている色を染めたい。
こっくりとした紅にするために、隠し色の黒と黄色をしっかり吸わせて、より深い色にしました。
P1070425.JPG
これは朱。緯糸です。染め重ねてます。緯糸の最終調整は、経糸ができてからなのだけど、ほんのちょっとだけこっくり感があった方がいいかもとのことだったので、やってしまいます。できることは何でもすぐにやって、ひとつレベルを上げた状態で、最終の最終の調整に臨まなくっちゃ!
P1070423.JPG
これは新たに染めてるピンクです。ご提案時は、グレーを帯びたピンクだったのだけど、めとさまの「透明感を大切にしたい」というご希望でグレー味は、ほとんど無くなりました。
 new.JPG
これも新たに染めてます。めとさまにお借りしたショールの色です。シャンパン色なんです。いい色よー。上のピンクとグラデーションにします。
これで、全ての色が出そろったと思いましたが、すっかり乾いて、さあいよいよとなった時、ちょっと待てのワーニングが心の中に鳴りました。その話はまた。

箱が行き、帰ってきた。

2013.11.16

P1070317.JPG
めとさまと私の間で、ひとつの箱が行き来しました。思いや計画や見本をたくさん詰めて出し、めとさまの元で、揉まれ、磨かれ、新たに息吹をたくさん吹き込んでもらって、意気揚々と帰ってきました。
私の書いた計画書に丁寧に意見を重ねてくださった。それを丹念に読む。耳を傾ける。
色に少々の修正あり。
ご希望の色の見本として、本とショールをお借りしました。
本は先日見せていただいたのだけど、染めるとき、近くに欲しかった。脳内改ざんが怖かった。ほーら、やっぱり!こっくり加減がぐっと深いよ。借りてよかった。
ショールは、シャンパン色の見本として。「色があるようで色がない、あるいは、色がないようで色がある」を目指していますので、微妙な色。風のような色。これもお借りしてよかった。私の思いより、少々黄色みが強かった。
これから、染め重ねたり、新たに染めたりに入ります。
写真は新たに染める糸。湯洗いを終えて、染まる気まんまん。

カテゴリー