吉田美保子の some ori ノート

(その後のお話、ご報告)染織吉田は、手伝ってくださる方を募集します。

2013.11.14

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このブログに下記のような、記事を載せておりましたところ、大変よい縁をいただきました。
ありがとうございます。
お互いの伸びしろを拡げ、やって行きたいと思っています。
私の仕事を手伝ってくださいって言いながら、もしかしたら、それは口実なのかもしれませんね。
私は、互いに刺激・応援し合えるような仲間が欲しいのかもしれません。
私の持っている知識や拙い技術は何でも教えると言いながら、私の方が、気付かされています。
染織吉田は、染織に真剣に取り組む方からのご連絡をお待ちしております。
お手伝いに通っていただくかどうかはまた別として。
会いませんか。
写真はずっと前に撮ったもの。扉、よかったらたたいて下さいね。(開いてる写真がなかったの〜〜〜)(鍵はかかってないよ、すぐ開けまーす!)
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私の制作を手伝ってくださる方を募集します。
どんな方に来ていただきたいかを下に書きますので、お読みくださり、私こそと思われる方は、こちらからお問い合わせください。
・ 仕事の内容は、染織全般の補助です。染色や糸巻きや筬通し、綜絖通しなど、いろいろです。
・ 経験は重視しませんが、未経験者は難しいと思ってます。
・ 時間は、10:00〜17:00が基本ですが、9:00〜16:00、11:00〜18:00でもいいです。
・ 頻度は、相談の上、決めさせてください。毎日でなく、週1〜2回程度がいいかと思ってます。頻度は固定でなく、都度、決めてもいいです。(今月は所用で1回しか来れないなどもオッケーです。)
・ 薄謝(日給)をお支払いします。交通費はごめんなさい。(最寄り駅は、「中央林間」です。)
・ 昼食は、こちら持ちです。一緒に作って食べましょう。
・ 現在、2名の方にお手伝いいただいております。
・ 40歳くらいまでの方にお願いしたいと思っています。
ここでひとつ、本音の話。
どういう人に来ていただきたいかの筆頭は、やはり、本気で染織に取り組んでいる人です。
そうでない方は、もし来たって詰まらないと思います。1日使って得るものは、薄謝のみですから。(申し訳ないですが、本当に薄謝です。生活の足しにはなりません。)
でももし本気で染織をやろうとする人にとったら、私の持ってるノウハウを全て盗めます。それは大歓迎です。
まだまだ途上中ではありますが、20年、試行錯誤しながら染織してます。道具も、失敗しながら買い直したりして、今のものになりました。
どういう仕事場の作りで、動線がどうで、素材をどこで買ってどう使っているかなど、本気で染織をやろうとお思いの方には、きっと参考になると思います。
どうして、私が、上記のようなことを書くかというと、私が駆け出しの頃、何より勉強になったのが、先輩作家さんのお手伝いをして、その仕事のやり方をつぶさに見させていただいたことでした。「ああ、こうやってるのか!」という気付きが、今の仕事の基礎になっています。
染織にマジな方、仕事、手伝って下さいませんか?
ここで、もうひとつ、本音の話、ネガティブ編
染織吉田の仕事を手伝ってくださり、染織のノウハウを得られたからと言って、染織家になれるとは限りません。私にはあなたを育て、世に出すだけの力はありません。そのことについては申し訳なく思っています。
プロになるには、染織の腕だけでなく、他にもクリアしなければならないことが山とあり、常識をひっくり返すくらいのタフさが必要です。
もし、それでも本気で染織家になりたい方に対しては、私は協力を惜しみません。
ここまで読んでくださって、やってみたいと思われた方は、こちらからお問い合わせください。面接と言うほどのものでは無いですが、一度お越しいただき、話をしましょう。その上で、双方の合意が出来れば、お願いします。

フォトショップ講座、その後

2013.11.12

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フォトショップ講座、すすみました。
やるだけやったよ、もうフラフラ。パソコン仕事の疲れは独特ですね。脳みその芯のところが疲弊し切った感じです。
あーあ、私はやっぱりガテン系かな。手でつくる方が向いてるね。脳で作り上げるのではなく、手を動かし、体を動かし、全身をふりしぼって作る方が向いてる感じです。
とは言え、今回の講座はデジタルで羽裏を作ることが目的ですから、そこに向かって走りました。自家用とはいえ、実際に使えるものを作りたかった。
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最終完成形はこんな感じ。縮尺不明ですよね。幅は114cmあります。反物の幅の3倍です。長さは250cm。
インスピレーションは現代アートからなのだけど、いじっていたら、現代着物風になりました。私っぽくもなったな。あはは。
制作がすすんで行くうちに、銘仙とか、街着の着物に、カルタや花札やトランプの模様があったなあと思い出した。そんなつもりは毛頭なかったけど、四角が飛んでるとそうなるのかもね。
これって、着物の柄って出尽くしているってことか?それを今の空気に合うようにリニューアルさせているのか?織りも同じか??
物作りなんてそんなものかもなあと思った次第。

フォトショップの講座

2013.11.09

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この秋は、フォトショップのクラスを受講しています。講座名は「羽織の裏地ーデジタルの布地作り」。
デジタルで布を作るというのにひかれました。いつも、「これでもかっ!」ってくらいの手作業で布作りをしていますので。
デジタルでものを作ること、手で作ること、いったい何が違うのか?
で、発見したことは、手で作った方が(「体動かした方が」とも言い換えられますが、)すっきりします。ある種、諦観もあります。「やるだけやった、やり切った」と言える。
デジタルだと、際限なく、いくらでもやれるんだなあ〜。やっぱ、やればやるだけ面白くもなるし。フラストレーションはたまりますな。もっともっとを望んでるのに、スキルがついて行かない。「よっしゃ!来たぜ」って感覚はあります。これは、手でやってても一緒ですね。
手で布を作ることを仕事としていますが、何より大事は、手を使うってことじゃなくて、いいものを作ること。その方法が自分の手なんだよね、今のとこ。まあ、たぶん、これからも。ただ、固定化せず、外界から取り入れられるもの、どんどん入れて、ボーダーレスな手仕事を目指したいのだよなあ。
写真は、作業中の私の羽裏。講座内の時間ではとても間に合わないので、おうちでせっせと進めてます。まだまだー!
イメージソースに使わせてもらったのは、アーティストのルイーズ・ブルジョアのタブローです。ルイーズ・ブルジョアって、彫刻家とカテゴライズされるし、有名なのは、六本木ヒルズの巨大な蜘蛛のオブジェだと思うけど、平面もいいのだ。大尊敬。

栗の染液をとる

2013.11.08

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さあ、鬼皮が取れました。草木染めの世界では、果皮とも言いますな。これを煮出します。
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ぐつぐつぐつ。今回は二染目まで取りました。
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栗の染液です。いい感じに取れました。このまま、本番の糸が決まるまで、保管します。私は防腐剤を入れて、涼しい場所に置いておきます。沈殿するかなど、様子を見ながらね。
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試し染めをしておきましょう。今度、ご提案に行くのです。
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媒染は金属塩です。試し染めに使ったのは、アルミ、錫、銅、チタン、鉄の5種類。

栗がきた!

2013.11.07

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栗がやってきました!宅配便でドンと。わーーー!ピカピカでツヤツヤの大きな栗です。
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栗のみならず、新米と栗の和菓子も!幸せ!
いやはや、これはどう言うことかと申しますと、次の次の次くらいに織らせていただくONLY ONLY のお着物、お客様とのメールのやり取りで、栗に特別の思い入れがあると言うことで、栗染めで行こうってことになったのです。それで、その方のお住まいが栗の産地ということもあり、お送りいただくことになったのです。
しかーし、実をおおくりいただいちゃうとは、なんとも恐縮。
私がお願いしたのは、栗は強い染料だから、葉でも枝でも樹皮でもイガでも鬼皮でも何でも色は出ますので、手に入るもの送ってくださいってものでした。それが、何と実とは、、、、思ってなかったよ、サプライズだよ、、、、よよよ、感涙。
さあ、栗をむきましょう。新米で栗ごはんにしちゃおうかな。お菓子もうれしいよ。私、来客以外の時は甘いもの買わないんだ。でも好きなんだ!やったーー!
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むいたぜ。ふぅー。(ごめん!今回のメインはこっちじゃなくて、鬼皮の方!)

染め重ねる

2013.11.06

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めとさまのお着物、デザインを詰めて、糸も本番の一部を染めて、ご提案寸前まで行きましたが、ここで少々お時間いただく形になりました。あら、降ってわいたこの時間。これは神様がくださったのね。そこで、私、染め直しをすることにしました。
告白しましょう。
じ、じ、じつは、染めていた糸に、「自分として完全に完璧に納得」まで行ってなかった綛があったのです。
これからめとさまに見ていただいて、変更依頼が来るかもしれないので、あえて染め重ねをぜずに寸止めのところでとめておいたでした。詰めるのは、めとさまのご意見伺ってからと思ってました。
が、これは、私、間違ってました。自分としての、100%までやり切ってなかった。98で止めてました。猛省です。決定の責任を投げてた。とにかく、やるだけやって、やり切って、それで、投げなきゃ。100が来なけりゃ、めとさまだって、打ち返せないよね。
そこそこいい色までは行ってたけど、神様は見ておられる。
上の写真は染め重ねているところ。こっくり感が足りてなかった。染料配合しなおし。よっしゃ、この色だ。
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これは、染め重ねた糸たち。酸性染料で染めてた上に、茜を重ねて染めたのです。深くなったよねーー。酸性染料で深くすることもできるのだけど、めとさまのお着物には、一部であっても、日本で昔から愛された、植物染料を使いたかった。めとさまに、歴史に歌い込まれた色をお召しただきたいって気持ちもあり。茜は、日本の女を守る色だという、思いもあり。
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染め重ねた糸たち。見てたら、匂い立つような感じがしたよ。いい着物になる。めとさまがお召しになって、ご自宅近くで、散歩されたり、買い物されたり。何気なく、風景にとけ込んで。でもそこだけ、いい風吹いてるみたいな、、、

デザインを詰める。

2013.11.05

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めとさまのお着物、デザインが詰まってきました。何度も何度もやり直し、自分なりに「良し!」って言い切れるその一枚に持って行きます。
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染めも進みました。経糸は、今のところこんな感じ。
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緯糸も含むとこんな感じ。
うん、ここらで一度、めとさまに見ていただこう。説明文も書き添える。
と、宅配便を差し上げたい旨をメールすると、めとさま、お出かけとのことで一週間程発送ができない。うぅ。

めとさま、染めます

2013.11.01

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めとさまのお着物、さらに染めます。これは、緯糸。入る分量は少ないけど、大事な赤系の色です。
最終稿のデザインは、まだ完全には決まっていないのですが、目に見える形にして、具体化し、さらに詰めたい。
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これも緯糸。オレンジ系。この段階では、ちょっと黄色が強すぎるか、、、、
めとさまが、うちにいらっしゃっとき、我が家の隠し本棚に「みだれ髪」の文庫本があるのに目を止められた。与謝野晶子が好きなのだそうだ。それで、パラパラと再読。
「みだれ髪」、何とカラフルなんだろう!色がどんどん出てくる。総天然色の歌集なのだなあ。それも赤系、「丹」の字がつくような、、、、うーん。なるほど。
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それで、赤系、染め重ねてます。こっくりした晶子の赤。

めとさま考

2013.10.27

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めとさまのお着物、さらに考えます。
ありがたい気付きがありました。昨日、織楽浅野さんのギャラリートークに、銀座もとじささんに、伺いました。浅野さんのお話は、いつも大変興味深く面白いのです。いただいた資料に「玄(げん)」と「素(そ)」という言葉がありました。玄は黒、素は白とも言えるのだけど、黒とか白の色ではなく、物の本質を示すとのことです。
うーん、めとさま、きっと経糸に望まれてるのは、こんなことなんじゃないかな。
織楽浅野さんの作品は、色味を抑え、深い奥行きがあって素晴らしいです。いつも学ばせていただいています。もとじさんでの個展「日々創造的でありたい」は今日まで。
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それからもうひとつ、めとさまのお着物を考えていて、心に浮かんだのは、やはりこれ。
「色は匂へど 散りぬるを 我が世誰そ 常ならむ 有為の奥山 今日越えて 浅き夢見じ 酔ひもせず」
有為の奥山の先にあるのは、「玄」なのかな?「素」かな??だからこそ、今、匂い立つ「紅」なのかな、、、うーん、うーん。
よく分からんです。この辺のことは、私などより、めとさま、つかんでらっしゃるので、私は精一杯うつくしいもの、作りたいと思います。
まあ、私レベルの下世話な話になりますが、めとさまに2回お会いして、若くお美しいさまに、感嘆したわけです。資料を手渡しした時の、めとさまの手のツヤツヤなこと!自分のシワシワ加減を改めて自覚したってこともありまして。若くて輝いている方に、きれいなお着物をお召しいただきたいって気持ちもあります。もっともっと花開いていただきたいと。
「素」や「玄」がベースで、そこに美しい「紅」の風が吹く。
写真はあまり関係ないのだけど、自然の中でパチパチ撮ってると、「紅」って色は無いものだなあと。やはり、特別な色なんだなあと思った次第。

一衣舎さん、楽艸さんの展示会

2013.10.26

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一衣舎さんと、お草履の楽艸さんの展示会に、浅草に行ってきました。一衣舎さんには、私の作品も出品させていただいてます。
雨模様、気温も低くて、ちょっと外に出るのを躊躇するような日でしたが、いい展示会でした。面白いものたっぷりありましたよ。ウールの帯とか!ハロウィンのバッグとか!普通じゃ飽き足りない方には、恰好の展示会だと思います。面白くて独自路線で、丈夫で着やすいお着物など探している方、ぜひお運び下さい。
一衣舎の木村さんは、布に対する愛にあふれている方なので、着物全般の相談事などもされてみるのも、いいかもです。私も、いつか欲しいと思ってる羽織のことなどお聞きしましたら、抜群の反物、教えていただきました。ああ、そうか、この布だと、こういうシルエットになるのねえ。想像してウットリです。いつの日にかゲットできるよう、がんばりましょう。
一衣舎楽艸 秋の二人展」は、明日まで、浅草のギャラリー丸美京屋にて。ぜひ!
写真は、関係ないですよ。木の肌です。こんな織物、織りたい。

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