吉田美保子の some ori ノート

一度目の対話、その後

2013.07.17

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一度目のメールのやり取りをして、ずいぶん、頭がすっきりしてきた私です。今回のお着物に、何を求められているのかってことが、分かってきました。
それは、まっすぐに、刺繍やご自分に向き合って生きていらっしゃる佐藤さんそのもののような着物です。美しく凛として、きちんとしている。押しが強いとか、派手とか、そう言うのは一切ないけど、優しいまじめな主張があるような、、、そして、創作の根本に清らかさがあるような、、、、
そうねえ、、、
ひな形と色見本を見ながら、考えます。
そろそろ糸の手配をしなければなりません。それには、もうちょっと、突っ込んで、どういう着物にするかをすり合わせないと、決められません。糸によって、どういう着物になるかは大きく異なります。色の発色も違います。
次は色のことを対話したいと思いました。
写真は神奈川県の空。京都までつながってます。

一度目の対話

2013.07.15

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ほどなくして、アトリエ森繍の佐藤未知さんから、封書が届きました。A4サイズがすっぽり入る大きな封筒です。中に、お手紙と、これから作るお着物のひな形と、色見本と、寸法が入っていました。どれも、とても丁寧で、佐藤さんのお人柄やお仕事に対するまっすぐな姿勢を偲ばせるものでした。
さあ、私はこれらから何を感じ、何を掬い取れるだろうか。お手紙の行間から、色見本の向こう側から、ひな形の色鉛筆のタッチから。
私はメールをお送りしました。
お聞きしたいことはつぎつぎ出てくるのですが、まずは概観を固定するというか、、、大きく見て方向性に間違いがないか確認するというか、、、そのためのメールでした。
2日おいて、佐藤さんはまたまた丁寧なお返事を下さいました。この返信のおかげで、ピントが合ってきたと実感。もうちょっとフォーカス絞り込みたいですが、まずはここまでで、頭の中を整理整頓です。
下に、私がお送りしたメールを貼付けます。いただいたお返事は内緒です♡
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佐藤未知さま
こんにちは。
夏至の頃、いかがお過ごしですか。
こちらは今日は一日中雨のようです。
佐藤さん、今日は、お着物の件で、少し詳しく伺いたいと思い、メールさせていただきます。
ゆっくり読んでいただいて、佐藤さんがお時間ある時に、ご返信いただければと思います。
どうかよろしくお願いします。
佐藤未知さん
1、以前にもとじさんでお会いした時、私が受けた印象は、「すらっと、明るい、まっすぐ」ですが、佐藤さんのお着物を織る時に、私が頭に持っておくイメージはこんな感じでいいですか?
もしかして、もっと「はんなり」などをイメージとしてお持ちですか?
2、大変、失礼ながら、画像検索させていただきました。
この写真の表情、生き生きして、とてもすてきです。
http://◯◯◯
もう一枚ありました。こちらはちょっと以前のもののようです。こちらは色がきちんと出てます。
http://◯◯◯
私が、佐藤さんのお顔や印象などを思う時、この2枚の写真を頼りにしていいですか?
もし、この写真はイメージと違うなどあれば、大変お手数ですが、写メでもいいので、一枚お送りいただけませんか?
3、またまた大変失礼ながら、お年を伺っていいですか?(ちなみに私は1968年生まれ、申年、45歳です)
また、もしも、今回の着物に関して、年より若いイメージでとか、大人っぽいイメージでなどあれば教えて下さい。
4、それから、今回のお着物は、お召しでお出かけになる場所など、ある程度でも決めてらっしゃいますか?
どのくらい、フォーマル成分を入れるかってことを知りたいのです。正式な場所にもお召しになるものをお望みですか?
5、お送りいただいたひな形、色見本を拝見しますと、おとなし目に、遊び成分などは押さえ、きれいに作るって風に感じますが、その認識に間違いありませんか?
6、佐藤さんは刺繍の作家さんなので、もしかしたら、この着物に刺繍をなさるのかなと思いましたが、もしもその場合は、織り手が気をつけることなどあれば教えておいて下さい。
7、袷になさるか、お単衣かは、決めてらっしゃいますか?
8、もしも袷でしたら、布の風合いは、「ほっこり」に寄せるか「つるつる」に寄せるかは、どういたしましょう?
真綿紬糸を多用すると「ほっこり」成分が増し、座繰り糸、玉糸などで織ると「つるつる」します。
「ほっこり」ですと、いわゆる「紬」になります。(紬糸で織った着物という意味で)
冬にお召しでしたら、「ほっこり」もいいですね。
最近の流行は、「つるつる」目で、軽いというのみたいです。
あと、もしも正式な場所にもということでしたら、「つるつる」目の方が、よりフォーマル感が出るかもしれません。
真綿紬糸と玉糸、座繰り糸をまぜて使うのもいいですし、私も好きですが、まぜるとカジュアル感が出るので、場合によっては押さえますね。
お単衣でしたら、さらっとがいいかと思います。
(後略)

only only はじめます。

2013.07.15

染織吉田の制作スタイルに、ご注文をいただいて、その方のためだけに着物や帯を制作するというのがあります。その制作スタイルを「only only」と名付けました。
「only only」は、染めもonly、織りもonly。もちろん、糸選びもデザインも、全てがあなたのためだけに行なわれます。どんなお着物、帯にするかってことは、対話を重ねながら、あなたと私で決めていきます。一緒に作り上げて行くあなただけの一枚です。
それで、このブログにも、新たにカテゴリーを作りました。その名も、「only only」。ご注文制作を作り上げていく過程を許される範囲でつづって行きます。
今、アトリエ森繍さまから、大変ありがたいお着物のご注文をいただいてます。ブログに掲載してもいいよと寛大なお言葉いただいてますので、出来る限り連載していきたいと思っています。続けてご覧になりたい方は、このページの左に出ますカテゴリーの「only only 森繍さま」をクリックしてご覧になってください。
よろしくお願いいたします。

福本潮子展へ、下地康子展へ

2013.07.13

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福本潮子さんの展示会のギャラリートークに、銀座もとじさんに伺いました。福本さんは、言わずと知れた、藍染めの大家です。お話の中で、「基本は几帳面です。計算できるところまではきちんとやります。それ以上のことは自然に任せます」とおっしゃってたのが心に残る。あの美しく冴えた白の秘密は、緻密な計算だったのね。
その後、染織家の下地康子さんの個展を拝見しに、南青山の como さんに伺いました。色とテクスチャーの妙、すばらしかったです。下地さんの表現したい世界観と、作った作品がピタリと合ってる感じがしました。それってすごい。
染色家・福本潮子展は、銀座もとじさんにて、15日(月/祝)まで。
真東風 織工房URIZUN 下地康子展は、como さんにて、17日(水)まで。
というふうに、今日はおしゃれな場所に行ったのに、写真はうちの近所。工場の壁。

そもそも

2013.07.12

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森先生のお弟子さんのお着物をお作りするお話のそもそもは、10周年のご挨拶状でした。
私はこの5月、設立10周年を迎えました。織りを始めてからは、20年です。そのご挨拶のお手紙をお付き合いいただいている方々へお送りしました。その手紙に応えて、ありがたい、あたたかいメッセージを送ってくださった方のお一人が、森先生だったのです!
こっそり引用しちゃいます。森先生、佐藤さん、勝手にごめんなさい。感動のお便りだったので、皆様と分かち合いたく、、、お願いします。
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吉田さん 10周年おめでとうございます。
そうですか、もう20年と10年ですか、モノ作りもなかなか大変で、それでいてこれほど楽しいことはなくて、つくづく幸せを感じる時もあるのです。
10年のご挨拶をいただき嬉しく思っています。
そこでお願いですが、着尺を1本織っていただけないでしょうか。
着る人は弟子の「佐藤未知」です。
希望の色があるのです。
「黄色」のベースに「白」と「綺麗な緑」で配色して欲しいのです。
この場合 好みの色を色見本としてそちらに送りたいのですが・・・・
こんな注文の仕方でもいいですか。
よろしくお願いいたします。
織りの道に入って20年、開業10周年、おめでとうございます。
これからも精力的にご活躍ください。
アトリエ 森 繍
森 康次
ーーーーーー
このメールを開けたときの、私のビックリ、口あんぐりを想像してみてください。わあ、森先生だ!メール下さっただけでも、感謝感激なのに、なんとご注文。え?え?えええっーーー!って感じです。
ちょっと落ち着いて、森先生のホームページをじっくり拝見しました。
例えば、この「質問や疑問に答えて」のページ。森先生のお人柄、創作に対する真摯な思い、次につなげよう、育てようと実践なさってること、すごく響きました。
ああ、森先生、刺繍やご自分のお弟子さんのみならず、着物世界全般や、溺れそうになりながらアップアップでやっている私などまで、お心を掛けてくださって、なんとありがたいことだろう。私、しっかりがんばれよと、心に誓いました。

プレゼント、抽選結果発表!

2013.07.10

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染織吉田設立10周年&サイト開設記念プレゼント企画、82名さまからご応募いただいておりましたが、やっとやっと抽選いたしました。
抽選は厳正を期すため、手伝いに来てくれてたshizuさんにお願いしました。写真は82枚のご応募のプリントアウトから、無作為にピックアップするshizuさん。私が自分ですると、ついついお名前見ちゃうもんね。
それでは、大変お待たせいたしました。
私の織ったショール1名様と、私の織った布を使ったミニ巾着10名様のご当選者の発表です!
順番はピックアップした順です。
ショール
ROさま(東京都)ずーっと以前お会いしたことある方です。特賞ゲット!おめでとうございます!
ミニ巾着
YTさま(愛知県) お会いしたことは無いのですが、織ったものは一衣舎さんの展示会で見てくださっているとのこと、ありがとうございます。
KKさま(福岡県) お会いしたことは無いのですが、フェイスブックでつながっている方です。今後ともよろしく!
JKさま(住所不明)おお、まったく始めての方です。ご住所おききするため、メール差し上げますね。「ブログ、いつも楽しく拝見している」と書いて下さっています。こういう、今まで一方通行だった方と交差できたことが、今回とてもうれしいです。
YSさま(埼玉県) この方もお会いしたことは無いと思います。銀座もとじさんで、私の作品を見てくださったとのこと。
YTさま(東京都) お!男性の方です。サイトの作品ギャラリー、見ごたえあると書いてくださり、うれしい。
MAさま(東京都) このお方は存じ上げています。笑顔がかわいい印象的な方。
MKさま(千葉県) ああ、この方もよく存じ上げています。自分の好みがきちんとあるすてきな人です。
NMさま(四国) この方はまったく、はじめましての方。ご住所分からないので、メールしますね。四国だと書いて下さってます。
HYさま(東京都) あ、こちらも存じ上げてる方。着物も洋服も楽しんでお召しになってる感じで、お会いするとこちらまで楽しくなる方です。
SFさま(熊本県) わが故郷熊本から唯一の当選者です!地元からパワーもらってます。
以上11名の方、当選おめでとうございます。賞品の発送は、7月後半になります。どうか楽しみにお待ちください。(住所が分からない方以外は、ご連絡せずいきなり送りますよ。)
はずれてしまった方ごめんなさい。ご応募いただき、本当にどうもありがとうございました。染織吉田の10周年を盛り上げて下さったこと、心から感謝いたします。
ご応募いただいた皆様へ「ありがとう賞」をお送りしますね。こちらも7月後半の発送予定です。
どうか今後とも、染織吉田をよろしくお願い申し上げます。

お知らせ

糸はどうしようか。

2013.07.10

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森先生とお弟子さんの佐藤未知さんには、ちょっとだけお会いしたことがある。2012年の春、銀座もとじさんで、森先生が個展された時に、ギャラリートークをされる日に出かけた。糸で表現するってことでは、刺繍も織りも共通だけど、現れ方はまったく違うのを大変面白く拝見した。
で、その時に、すらっとした、明るい、まっすぐな感じの女の人に声をかけられた。「吉田さんですよね?」
初対面なんだけど、なんだか近しい感じがする。この方が森先生のお弟子さんの佐藤さんなのだった。
佐藤さんが森先生の元で修行されている経緯はこちらで見つけた。創作に対する森哲学も完結にまとめられていて分かりやすい。森先生、すごいなあ。
写真はこれから作る着物の糸を吟味しているところ。まだこれらの糸で行くとは決めていない。ぐんま200の生繭とか、いい糸なんだけどね。だからといって、今回に最適かどうかはこれから悩む。もし不適格だったら仕入れる。
ちなみに、刺繍の糸は無撚りだそうですが、織りの糸は私の場合ですが、あらかじめ縒ってある糸を求めてます。少なくても、経糸で1mにつき180回、緯糸でも100回は縒ったものでないと、織れないです。同じ絹でも違いますね〜。

プレゼントご応募、82名さま!

2013.07.09

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染織吉田10周年&サイト開設記念プレゼント企画、先月30日でご応募締め切らせていただきましたが、本日いただいた応募メッセージをプリントアウトいたしました。
その数、82名さま!
ご応募いただき、本当にどうもありがとうございました。
後日厳正なる抽選の上、賞品発送いたします。もうしばらく、お待ちください。
それにしても、このプリントアウトは永久保存です。パソコンのそちらとこちらでやり取りできるの、楽しいものですなあ。

お知らせ

新しい仕事に取りかかる

2013.07.08

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新しい制作に取り組んでます。まだまだ計画段階なので、いろいろ同時並行だけど。今回のお仕事も、とてもすてき、かつ責任重大。精一杯ぶつかって行こうと思ってます。
ご注文主さまに、快諾いただきましたので、制作過程をこのブログにアップしていきたいと思います。そのご注文主さまとは、何とこの業界の大御所。お話しいただいたとき、本当にビックリしました。
そのお方とは、刺繍の森康次先生です。すごい!お弟子さんの佐藤さんのお着物をお誂えになりたいと。うう、感激。感涙。森先生、お弟子さんのみならず、私まで育てていただいてるなあ。
写真は、今日の作業。送っていただいた色見本やひな形を元に設計図を作ろうとしているところ。
森先生、佐藤さんとの出会いや、話しの経緯などはまた今度書かせていただきますね。
アトリエ森繍のホームページ、とても丁寧で、大事なこと、たくさん書いてあって読み込んじゃいます。この糸箪笥、萌えました。私が扱う糸はここまで繊細では無いのだけど、お手本にしたいです。

利根山光人展

2013.07.06

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先日のことだけど、町田市立国際版画美術館に、利根山光人展を観に行ってきた。不勉強でこのアーティストのこと、存じ上げず。ただ、近場で、流行りものでない、ガッツリしたアート、観たかったから行ってきた。
で、ものすごく、よかったです。
油絵などの作品多く残した作家なので、回顧展と言えるのかどうかわからないが(この展示では版画にフォーカスされてたので)、この作家の生き様を観たような気がしたのだ。
1921年生まれ。1945年に召集。外地に向かう途中に終戦。その後アートの道へ。終戦後のダム建設現場の絵とか、ものすごくよかった。その後のメキシコ体験がターニングポイントだったらしく、如実に絵がかわり、それがよかった。全体的に見てもひとつの頂点と言ってもいいかも。
で、その後の絵は、いろいろ逡巡も見られ、それでも描くんだって意思を感じた。それでも描くんだ。で、最晩年の、HIROSHIMA とかね、行き着いた感じで。よかった。絶筆は、ドン・キホーテ。いいなあ、ドン・キホーテ描いて死にたいなあ。
利根山光人展は、8月4日(日)まで、町田市立国際版画美術館にて。この美術館、初めて行きました。水遊びが出来る公園の中にあり、子どもらがパンツいっちょで遊んでました。でっかい、水車みたいなオブジェがよかった。
写真はうちの近所。申しわけない。

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