吉田美保子の some ori ノート

布糊と生麩

2013.12.22

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めとさまの緯糸(本番用)にふのりをつける。乾いて巻くも、むむ。真綿の糸の、ふわふわ感が抑えられてない。もう少し固くならないと、織りに支障が生ずる。
こんなこと初めてだ。いったいなぜだ。糸はいつもの糸屋さんのものだが、ふんわりふかふか具合が多いように思う。しかし、だからと言って。
皆目見当がつかず、助けを求める。小熊さーーん!染織の大先輩の小熊素子さんに緊急電話。申し訳ない。
こころよく話を聞いてくれ、アドバイスくれる。いろいろ話して下さり深くうなづく。ほんのちょっとのことで、こうまで違うとは。
糊を強くするしか解決策はない。ふのりに加え、しょうふもつけると、安定する。そっか、緯糸にしょうふは、つけてなかったよ。
それで早速、しょうふ登場。
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つけてます。
それにしても、小熊さんはすごいです。電話で、糸の様子を聞いてだけで、状況がバババっと分かって、バババっとソリューション下さる。
今回のめとさまのお着物に使っている糸なども説明すると、織り難いけど、面白い布になるんじゃないって言っていただき、ほっとする。織り難くてもがんばろう。
ありがとう、小熊さん!

吉野山と龍田山

2013.12.20

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めとさまの緯糸、出揃ったところで、上の写真を添付してめとさまにメールしました。
「山桜の咲き乱れる吉野山と紅葉の燃え盛る龍田山」
とお返事いただき、うれしかった。めとさまの写真も添付されててうれしかった。自然なこぼれる笑顔だった。人生を大きく舵取りしてらっしゃる時なのだ。「今」だからこその着物、織ろう。
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さあさ、糊をつけますよ。これは、ふのり。
糊をつけた緯糸で、少し試運転して、およよ。思ったような色が出ない。染め重ねたのに、試し織りと変わらないくらいだ。これはいったい????
ああ、そうか!経糸が見えてるんだ。筬を入れ替えたから、経糸の密度が上がり糸が見えるのだ。試し織りは、緯糸が見えていたのだ。筬密度、おそるべし。
しかし、密度は今の方がよい。糸のバランンスもよい。しっかりしたいい布味だ。では、緯糸をもう一度、染め直すしかないでしょう。
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それで、早速調整の染め。ホンのちょっとだけ。ホンのちょっとだけ。(←やり過ぎるなよ!)
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はいよ!
吉野山はより吉野山に、龍田山はより龍田山になったと信じる。

めとさま、ラストじゃないけどラストスパート

2013.12.18

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めとさまのお着物、筬通しのやり直しです。やっぱ、51羽はゆるかった。一羽の違いがこんなにもって思い知らされる。どんな布を目指すかってことは、全方位から攻めねばだ。
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朱の糸です。メインの朱もホンの少々だけ、染め重ねる。こっくりした感じ、もうちょっとだけ。茜の成分、もうちょっとだけ。紅葉の色だ。
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こちらは地のピンク。昨日の段階で「だいたい良し」だったんだけど、ちょっと可愛らしすぎに見えてきて、そうするといても立ってもいられない。地の部分は分量が多いから、全体の印象が決まってくる。ほんの少々大人っぽさを加えよう。それで透明感を保ちつつグレー味を極少加えたピンクにする。
めとさまは、「普段に、出来るだけ長く着られる袷の着物」をとお望みだ。普段着であること、30代になっても、40代になっても、50でも60でも70でも、出来ればオーバーエイティでも着られること、、、、めとさまのオンリーオンリーは、もうすぐ全容を現します。

めとさまの緯糸

2013.12.17

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めとさまのお着物の緯糸、対話を元に染め直します。もうほんのちょっとだけ、深くこっくりした色に振ります。
上の写真は地の糸です。ほんのりしたピンク。薄いピンクなのでだけど、白っぽくならないように。
ピンクって、赤の薄い色ではないよ。黄色や緑やグレーが、たっぷり入ってる。でも、ぱっと見はピンク。
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こちらは橙。試し織りに使った糸を、もうちょっとだけこっくりさせる。
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これは朱です。試しに使った糸はそのままにして、もうひとつ別に濃いめの朱を染めてます。茜の草木染めです。
実は試し織りでは、メインに添えた濃いめの朱色が目立ちすぎたようで、私は入れるのをやめようと提案したのです。が、めとさま、この濃いめの色はぜひ欲しいとのこと。うぅと思ったが、そっか、紅葉だ。紅葉ははじめから対話にでてたキーワード。そりゃあ入れなきゃ。
で、濃いめが一種類だと唐突な感じがして、なじまないので、濃いめを2種類にして、メインに添わせることにした。かつ、真綿以外の絹糸も使い、深いけど透明で軽やかな、色づいた風を目指します。
Pictures showing the dyeing scene, Only Only (full order system) client requested more deep and tranquil catching up with client’s taste transparent colored wind.

めとさまとの対話、試し織り編

2013.12.16

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めとさまのお着物、試し織りです。糸の入れ方をいろいろ工夫して、表情を変えて織ります。糸の種類を変えたり、色の濃さを変えると、印象が違ってきます。さあ、どうする?目指すは、「colored wind」。色づいた風。透明だけど、色を感じる。
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試しが出来たら対話です。めとさまに観ていただきましょう。めとさまは、今、ご自宅からさらに遠くに滞在中。我が家からは600kmはありましょう。想いをたくさん乗せた郵便は、どこまでも行くのです。
写真は、試しの布と私が書いた説明書と、めとさまからの返信。

打ち合わせで。

2013.12.15

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昨晩は、とある打ち合わせでした。それで私、すっごく勇気づけられた。
それは、その方が、すごく楽しそうに、夢中になられてたってこと。そっか、私が作るものは、こんなにも、人によろこんでいただくことができるのか。
私が真剣勝負で作ったものを、これまた真剣に受け止めてくれ、精一杯打ち返してくださる。
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よかった。もっとがんばろう。
*写真は散歩の途中。朝の光の中で。

fringeさん、もうすぐ開店!

2013.12.12

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とーっても素敵なお友達がいます。こんなカッコよくてチャーミングな方に近しくしてもらって、光栄だわーっていつも思う。素敵な人や物をひきつけ媒介する、その感度が抜群の人なのだ。
その名は、福永麻子さん。もうすぐ、彼女のお店がオープンします。麻子さんの「好き」を集めた空間になるとのことよ。お店の名前は、「fringe (フリンジ)」at 二子玉川。
私の新作タブローたちは、このフリンジさんに居りますの。どうか観に行って下さいね。フリンジの空間でどう存在しているか、とても楽しみです。
そもそも、私がタブロー作るぞって思い立ったのも、ひとつには、麻子さんとの会話がきっかけです。
「美保子さんの作品見たとき、これは絵画だなって思ったの。壁に飾って観ていたいなって。」
びびびー!絵は、織りをはじめる20年も前からやってます。元々はそっちの人間です。よっし!融合させるっぞ!
フリンジさんは、12月14日がスタートです。12月中はプレオープンの形をとって、麻子さんが好きなものが、いろいろ取り揃えられてるみたいです。むふっ。
写真は、先日オープン準備で忙しくしてらっしゃる中おじゃました時パチリ。お出かけの皆さん、ビルの3階ですからね、右斜め上を見ながら歩くとすぐ分かります〜。
詳しいことは、麻子さんのフェイスブックの「私のフリンジ日記」をご覧下さい。

タブロー小品3

2013.12.11

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今回作ったタブローは、今日ブログアップするもので、一応すべてです。また次を作る気まんまんなんですが、とりあえず、ここまでが、第一期作です。
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この写真と一番上の写真の作品は、額の台紙にジェッソ塗ってます。ジェッソなんて何十年ぶりだろう。(ジェッソってアクリル絵の具の地塗り剤ね)
大昔、美大時代とか、その前の美大受験時代に、いつも使ってた。ペインティングナイフで、ジェッソをぺたーと塗って行く感覚。心がチリチリするよ。
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これらの新作タブローは、もうすぐオープンの素敵な場所で展示販売されます。見にきてね。
その場所とは!!!
じゃーん!
明日書きます。(もったいぶり〜)

作品

展示会たくさん

2013.12.09

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展示会にたっくさん行ってきました。駆け足になりますが、ご紹介させてください。
まず、山下枝梨子さんの「やましたの布きれ展 とおまわりみふゆ」。会場がすっかり山下さんの世界になってました。山下さんは、威張らない普通の布を丁寧に作る人です。布と人は一緒なんだなあと思いました。とてもよかったです。
やましたの布きれ展は、新高円寺のギャラリー工さんで、12日まで。
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それから、影山秀雄さんの「影山工房展示会」。織りは深いわーっとまたまた思い知りました。影山さんお手製の道具の展示販売もあり、講座もありで、刺激受けまくって、帰ってきました。影山さんの、培ってこられたものを分けようとされる姿勢、感銘です。
影山工房展は、終了してます。
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お次は、「布ノ美 村穂久美雄マフラー展」。村穂さんは、山陰の木綿の第一級のコレクターで、もうずっとずっと以前にコレクションを見せていただいたことがあるのです。10年以上は前かな?今回、ご自身で織られた布は初めて拝見したけど、布への愛が、作品からもにじみ出てました。もう90歳近いのお年らしいけど、いまだ現役の織り手でらっしゃる。生き様がアートだなあ。
村穂久美雄マフラー展は終了してます。
染織関係は以上ね。
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次は、「山之口貘展」。沖縄出身の、もうずっと前に亡くなった詩人の展示会です。この展示会の案内見たとき、とっさに「行きたい」って思った。私、山之口貘の詩集、一冊だけ持ってた。ずっと以前に誰かが紹介してて、それが熱くて、惹かれて買った。それ、探したけど、見つからないんだよなー。で、この展示は見とかなきゃってソワソワさせるものがあり。
で、行ってよかったです。愛されて、アートに正直に生きた人だなあと思ったよ。生きることがアートそのもの。
「貘展」は、12月16日まで、書肆サイコロにて。
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さあ、真打ち、「椎葉聡子展 -IL SENSO BLU-」展。椎葉さんはフレスコ画のアーティストです。水彩画などもあり、乾いた心(?)にしみ入りました。平面作品観に行くと、心がよろこびますな。いいものです。
椎葉さんは、お年が近いこともあり、作り続けること、発表し続けること、そんなことも学ばせてもらってます。ああ、この人やってるから私もって思う。
椎葉聡子展は、京橋のギャラリーモーツァルトにて、12月14日まで。
*写真もいろいろ。

めとさま、悩みの筬通し

2013.12.07

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めとさまのお着物、筬通しです。
写真は、悩んでいるところ。53羽でいくか、52羽にするか、はたまた51か????
写真に写っている下の筬は、53羽。一寸ほど入れて、考える。ちょっときゅうくつか?息が詰まるかな?男性物だったら、これでいくけど(男性はどうしても布に掛かる力が強いので、丈夫さを最優先せねばなので)、めとさまの場合は、そこを最優先しなくてもいいと思ってる。布の息づかい、糸の息づかい、大切にしたいのです。
じゃあ、51羽は???こっちでやってみるかな。(写真に写ってる上の筬は51羽です)(場合によっては、52にするかな???)
計画の段階では、52羽のつもりで、糸の数や幅など、揃えてます。少々の振れ幅は問題ないので、51でも53でも行けるのです。机上では読み切れなかったこと、今やっとやっと目の前に。自分でやってて、自分で、「おお!」と思う。計画通りで「おお!」、予想外でも「おお!」。織りは常に新鮮です。
とは言っても、よそから見たら、大差ないね。より、めとさまに添える着物であるためにってことだけ考えてます。
*53羽というのは、一寸間に53の羽がある筬ということで、そこに糸が2本ずつ入るので、一寸に106本入ると言うことです。52羽だと104本で、51羽だと102本です。一羽違うと、表情が違います。伝わってくるものが違います。布作りの面白さです。

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