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さあさ、ふふさま。
経糸が出揃ったところまで書きましたね。機仕掛け、やっちゃいましょう。
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それが出来たら、緯糸を染めます。色は、凍てつく冬の空色。
緯糸は、ふふさま用の第一候補として、ビス糸を準備。ビス糸と言うのは、蚕が糸を吐くときに、一番最後、自分に一番近い部分に吐く糸です。我が身に一番近いですし、さなぎとしてそこに長時間いるのですから、気持ちいいように、細くて柔らかい糸を吐きます。均一ではなく、太細の違いがかなりあります。生産量もごく少ないですから、希少なのです。
私、ふふさま、こういう糸、面白がって、愛でて、使いこなして下さる方だと思うのよね。私としても、節があったり、毛羽が出たり、織り難いのだけど、やってみたい糸なのです。
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染まったら糊をつけて巻きますよ。実作業をしているのは手伝いにきてくれたsizuさんです。
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帰りは、2月14日金曜日、お昼にチェンマイを発って、バンコクでの乗り継ぎが一時間あって、午後10時半に羽田に到着予定です。
14日朝はゆっくりめ。散歩して、朝ご飯食べて、ゆうゆうと空港に向かいました。が、バンコク行きのタイ航空、遅れてる。ええーー、乗り継ぎなんですけど、、、大丈夫?地上係員さんに聞くと、羽田行きに乗り継ぐ人が20人以上いるから、出発を待たせるとのこと。
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バンコクについて、どこのゲートにつくかと思っていたら、なんと、一番はじっこ。こりゃ、国際線まで距離あるわ〜。空港の建物に入ったら、「TO HANEDA」というカードを持った地上係員さんが待ち構えていた。
「我々は急がなくてはなりません。搭乗口は一番先です。走りますよ。」
20数名の我々は、バンコク・スワンナプーム国際空港の端っこから端っこを、隊列を組み、えっさほいさと走り抜けました。中学校の部活のようです。
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ほうほうの体で乗り込んだ羽田行き、飛行機は順調に飛び、予定どおりだとのアナウンスあり。ただ、「羽田の天候は雪。視界は前方2メートルとの連絡を受けております」と。えっと、、視界2メートル?
窓側の席だったので、着陸の体勢がとられてから、ずっと外を見ていました。いくらたっても何も見えません。と、突然、すぐそこにライトの光が見えました。え!?その1秒後にランディングしました。見えたライトは、滑走路の埋め込みライトです。1秒前まで何も見えず。目が慣れてくると、外が吹雪なのが分かります。吹雪の中でも飛行機って着陸するんだ。はじめて知ったよ。すごいなあ。
降りた時間は予定通りでしたが、羽田混雑とのことで、1時間くらいは飛行機内に留め置かれ、吹雪の中、飛行機につけるちゃちな階段(それも凍った!)を使って、外に出され(ジャケット、預けた荷物の中よ!)、バスで建物へ。
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経験者の私はこの日はもう帰れないってことは、覚悟済み。できれば居心地いいところで。
イミグレの前のスペースはカーペットで、暖かそう。そこにいた係の人に「もう帰れないからここにいちゃダメ?」って聞いたら、「いやー、申し訳ないです。」
荷物が出てくるターンテーブルのところも広くてよさそう。ここで夜明かししちゃダメ?「いやー、申し訳ないです。」
ま、そういうもんかな。外に出された私は、一路、空港5階のショップ前、つい一週間前にも一晩過ごした、懐かしい場所へ舞い戻ったのです。
学習済みですので、私は飛行機降りるとき、読んだ後の新聞もらってきたんだ。バンコク・ポストとか。それを敷いて、全く同じ場所にまた転がる。ああ、人生は面白いネ!
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旅にスマホは、必要ですね。一晩あけて、電車の運転状況調べます。モノレール、強いなあ。他のが軒並み「運転見合わせ」なのに、動いてる。浜松町から大門に出れば、地下鉄乗れるな、、、しかし外は雨。うーん、この荷物、動きを鈍らせるなあ。
ふと見ると、お掃除の方が、もう働いてらっしゃいます。「宅配便、この時間に出せるところありませんか?」「ありますよ。24時間営業です」
それで、荷物を預け、うんと身軽にして羽田を後にしました。15日土曜日の早朝です。モノレールに乗りながら、この日のスケジュールをおさらい。朝10時から、銀座もとじさんで、山岸幸一さんのギャラリートーク申し込んでる。これは聞きたいのだ。うーむ、3時間半ほど時間つぶせばいい訳か、、、
それで、動き始めた山手線でくるくる廻ってることにしました。暖かいし座ってられるし、快適です。生まれてはじめて、山手線周回しました。
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なかなか大変な思いをしてたどり着いた、銀座もとじさんですが、本当に行ってよかったです。山岸さんの織物は、本当にすばらしい。何をしたいか、何を求めているかが明確で、それを追い求めて、動いて、ゲットしてられる。感服です。
外に出たら青空。いい天気になりそうねーー!
*写真は、チェンマイでのショット。今回の旅行、現地集合で両親と一緒でした。長期滞在の彼らに途中から参加する形です。帰りは同じ日でしたが、彼らは福岡行きで本当によかったです。
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2月8日、昼間から外は大雪。飛行機、飛ぶのかしらん?
旅行会社など電話できるところ、掛けまくる。それで分かったことは、飛行機と言うのは、向こうを出たら(今回の場合はタイのバンコク)、どうにか着陸させて、お客を降ろして、また乗せて、ノルマをこなして行くってこと。
まあ、もしもチケットが正規のものだったら、振り替えてもらえるのでしょうが、もちろん格安航空券。この便、逃せばチケット、パア。
で、8日午後5時すぎに、私の乗る便が、バンコクを飛んだってことが分かった。こりゃ、行くしか無い。羽田にゴー。
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完全防備の冬服で出発。雪に足を取られながら、駅まで強行軍。小田急、止まってる。じゃあ東急で行きましょう。渋谷で山手線、品川へ。京急に。ホームまではスムーズ。しかし、電車こない。人があふれてくる。放送があり、たった今から運休です。
がーん。もうダメだと一瞬思ったが、iPhoneで調べたら、なんと、モノレールは生きていた。浜松町へ。ああ、あこがれの羽田空港、国際線。たどり着いたよ。
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が、滑走路封鎖。私の乗る飛行機、ランディングできず、名古屋に降りちゃった。その機体が羽田に飛んでくるのが何時になるのか不明。床で一晩を過ごすこと決定。(椅子はもちろん空いてない)
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とにかく、少しでも居心地がいい床を探さねば。空港の5階のショップ前に転がってました。
「いい経験だよ、こんなこと、一生に一回だもん。思えば、避難所などにも寝るなんてこと無く生きてきた。ラッキーだったな。あ、しいて言えば、大阪から四国にフェリーで行った時の、三等船室にゴロゴロ寝たのに似てるなあ。あれも面白かったな。もうあれから20年か」などと思っておりました。
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はじめの説明では、早ければ午前4時出発とのこと。しかし、それが6時になり、8時になり、、、、、、結局飛んだの、10時すぎだったよ。10時間の遅れだね。でも、搭乗手続きの締め切りは、午前3時だったから、この飛行機に乗ったのは、あの雪の中羽田にたどり着き、そこで一晩過ごした人だけってことで。みんなツワモノだなあ。ご老人、お子様連れ、さぞかし大変だったでしょう。日本語できない外国の方も不安だったね。私ごときが文句言っちゃいけないな。
と言う訳で、ボロボロに疲れて、9日の朝つくはずチェンマイに、夕方遅くにたどり着きました。
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後日談。
次の日、まずはマッサージだと、評判の高い本格マッサージ屋に行き、一番高いコースを頼みました。このくらいしないと、前日のダメージ、リカバーできない。
ベテランぽい、にこやかな女性が、とても熱心に、力を込めて、グイグイもんでくださいました。痛かったけど、これで昨日のコリが消えるのならがまんです。
で、その晩、体がほてって眠れず。次の日コリ返しがきて、体中がもっと痛い、、、ああ、人生は過酷だなあ。
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写真は、「美しい竹の村」。チェンマイ郊外で、木綿を紡いで、草木染め、手織りをしています。
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ただいま戻りました!
染織吉田、通常どおりにしております。充電してまいりましたので、ますますがんばります。
以上、よろしくお願いいたします。
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この一週間、特にはじめと終わり、大変に面白い体験をしました。(ま、ひどい目にあったと書いてもいいでしょう)
どんな体験だったかは、関東在住の方には、日付を言えば、推測していただけるかな。
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予定では、8日の夜にうちを出て、9日日付変わってすぐのフライト、帰りは、予定では14日の午後10時すぎにランディングして、我が家に夜中に帰り着いているはずでした。
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その日は、関東地方、45年ぶりの大雪、交通機関大混乱の日です。
よりによって、行きも帰りも、大当たりです。
今、窓から外の光が、雪に反射してさんさんと降り注いでいます。あーあ、今日、帰ってくればなあ。。。
写真は、滞在先のチェンマイのホテル。
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染織吉田は、14日まで、オフラインになります。電話、メールなど、つながりません。メールのお返事は、後日いたします。ちょっと留守にいたします。
以上ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくお願いします。
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いやはやー、すごい雪ですね。びっくりですね。外はちょうど、ふふさまの帯の地の色みたいね。しんしんと降り続いているけど、じきに止んで、春がくる。梅の花も凍えてるけど、また香りを届けてくれるでしょう。
経糸、でそろいました。一部が極薄の絣になってるの、写真じゃ分からないですね。糸が部屋中に干されると、圧倒されます。さあ、これをどう、ふふさまに添わせていくか。
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ふふさまの帯、経糸は、ほんの少々ニュアンスをつけることにしました。真っ白な雪にも、微妙な陰影がありますものね。ふふさまとお会いして、自然界すべての中の、あるかないかの、微妙なエッセンス、楽しんでいただける方だと思いました。
経糸に少々細工をして、のっぺりした印象を避けるという手段は、私はよく使います。ちょうどキャンバスに下地を塗っているイメージで。土台を作って、そこにどんなイメージを遊ばせようかと思うのです。
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その、経糸にニュアンスをつける方法の、私の常とう手段は、糸を綛のまま三つ編みにして染めると言うものです。そうすると、染まるところと染まらないところがランダムに現れて、面白い表情がつけられます。
しかし!!!!
今回の ONLY ONLY は、シャープでキリッとした帯をお望みのふふさまです。ぼわぼわした印象は御法度です。そこで、染め上がりが予測できない三つ編みでなく、きっちり絣くくりして、染まるところ、染まらないところを意図的につくりました。
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ほら、これが染まり上がったところ。もともと極薄のブルーグレーが染まってますが、糸が出ているところは、一段濃い色のブルーグレーになりました。これから、ビニールテープをほどいて、綛に戻します。そうすると、染めたところ、くくって染まらなかったところがパキッと分かれてるのが現れて面白い。
でもこれ、ほんのちょっぴりの差よ。ぱっと見は、分からないくらい。ぱっと見では気付かなくても、なんだか深い印象ねって思ってもらえて、じっくり見ると、ああ、手が込んでるなって仕事、したいのです。
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ふふさまの帯の経糸、まず一回目の染めです。
染める色は、「白」。どんな「白」かと申しますと、ふふさまの求める、「厳しいけど、凛とした、雪解けの色」。
透明で、静かで、シャープ。あえて色を説明するとすれば、ブルーグレーがちょっと入った白なのだけど、ごくごく少量、染料に赤も入れて、紫みも出しました。
絹糸の色というのは、繭の色ですので、ほんの少々、アイボリーと申しますか、黄色っぽい暖かみを持った色なのです。それを無くしたいので、補色の紫を隠し味に投入です。
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ふふさまの帯、方向性が決まりましたので、早速動きはじめます。さあ、糸を仕入れましょう。
ふふさまは、つるっとした光沢のある、絹らしい絹の帯をお望みです。シャープな感じを出すためにも、節の少ない、白さのある糸を選びました。
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糸がきましたよ。ストレートな、性格の良さそうな糸。
さあ、まずは洗います。振洗いして、不純物を落として、さっぱりさせます。いい感じ。
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2月1日に発売された和楽3月号、きれいにスキャンしましたので、再掲いたします♡
このモデルさんが締めてる八寸帯が、ヨシダ作です。帯のタイトルは、スモール・バード。全通の八寸帯です。玉糸やタッサーシルクやカンボウジュを使ってて、ワイルド感があります。野原で小鳥がさえずってるイメージ。
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このページは、きもの研究家の森田空美さんの着物新提案のページです。森田さんといえば、クールな現代着物ブームを起こした張本人。帯の提供は銀座もとじさんです。
着物で育った訳でも、教育を受けた訳でもない私は、手探りでやみくもに着物や帯を作ってきました。着物の常識を知らないことを逆手にとって、無我夢中でやってきました。
今回、高級誌の和楽の、現代着物で多くのファンを抱える森田先生のページに選んでいただけたことで、ああ、がんばってきてよかったなあとしみじみ思いました。本当にどうもありがとうございました。
和楽3月号は、ただいま発売中。238ページと241ページです。見てね。