
きよさま のONLY ONLY、ヨコ糸の太さ、まり子さんがすぐ返事くださり、ご自分ももうちょっとしっかりさせた方がいいのではないかと思っていたとのこと。八寸帯は芯を入れない前提で作りますので、大事なのです。よかった、合意した。太くしましょう。
さて、では最終稿を決着させて行きましょう。
タレには、色の筋は入れないつもりですけど、いいですね?あと、手先はどうしよう?スッキリ無地でいいかしら?
これは、完全にお好みなのです。今までの経験からいうと、関東の方はスッキリ系を好まれるので、タレと手先は柄がない方が人気で、関西と中部の方は隅々まで仕事がしてある方がお好みかな。
きよさま とまり子さんに連絡しました。

そうしましたら、手先には色の筋が入っていた方がいいとのこと。華やかな方をお好みなんですね。了解。じゃ、紙で、小型帯を作ってみますね。縮尺は合ってますから、こんな感じの帯になります。

きよさま のONLY ONLY、ご希望が出そろったところで、2回目の試し織りをしましょう。糸づかいは、本番と同じで、、、、染料も本番を見すえた調合で、、、、
まあ、2回目もとにかくやってみるのです。糸を準備して、染料を作って、ブラッシングして、織って、蒸して、水元して、、、、
と、一通り、全部やって見ました。こうすると、本番の帯とほぼ同じ、布になります。ためつすがめつ、ながめます。引っ張ったり、折り曲げたりもします。(上の写真の手前が2回目の試し織り。奥は1回目の試し織り)
ふと思いました。タテヨコ、バランスいまいちだな。ヨコ糸、もうちょっと太いほうがいいのではないか?それで、計算を入れます。今織っている糸の太さは、前回のと比べてどうだろう?糸の種類が違うから一概には言えないけど。精練済みだから、セリシン落ちて練り減りしてるし。
うむ。これは、太くしたほうがいい。よし、きよさま とまり子さんに相談してみよう。

きよさま のONLY ONLY、1回目の試し織りをお送りしましたら、きよさま とまり子さん、お二人でご覧になって、あーでも無い、こーでも無いと、楽しい時間を過ごしてくださったようです。こういう時間が一番楽しいね。
試し織りといっても、布感は本番とほぼ同じですので、実感わかれたことと思います。
それで、きよさま のご要望によると、「ヨコ糸は座繰り糸の太めでいく」「三角の黄色は落ちついたイエローにする」「筋に入る色糸は、黄色、深緑、空色、銀色の4色にする」「タレにも三角の柄を入れる」などでした。
オッケーっす。ではデザインをし直ししますね。
まず、三角の位置と大きさを整えて、次に筋の色糸の入り方を決めましょう。4色のバランスをどうするかな?黄色を多くして黄色の帯の印象にするか(上の画像の左)、深緑を多くして、大人っぽい感じにするかだな(上の画像の右)。イラストレーターでふた通り作って、画像を添付して、メッセージします。
まり子さんがきよさま と相談してくださって、深緑多めの右の画像となりました。落ち着いた感じですね。汎用性ある帯になりそうね。

サイトの「着姿ギャラリー」を更新しました。「着姿ギャラリー」というのは、私が織ったものを、実際にお召しいただいているお姿を載せさせていただいているページです。今回、4枚、新しい写真を載せさせていただきました。ぜひ、ご覧になってくださいね。
私、自分のサイトの中で、このページが一番好きかもしれないなあ♡機織りしてきてよかったなあと思うのです。
ぜひ、ご覧くださいね。→着姿ギャラリー (サムネイルをクリックしてください。大きくなります。)
よかったら、こちらも→some ori マーケット(通販)

染織吉田のメルマガ、《 some ori 通信 》にご登録いただき、ありがとうございます。
14通目のメルマガをお届けいたします。
こんにちは。天候が定まらないこの頃ですが、お元気でいらっしゃますか?
先日、「日本伝統工芸染織展」と「国展」と「こいのぼりなう!」に行ってきました。
ご存知の方も多いとは思いますが、「日本伝統工芸染織展」と「国展」は、染織界のツートップの公募展です。
「こいのぼりなう!」というのは、国立新美術館で開催中の展示会で、テキスタイルデザイナーの須藤玲子さんの布をこいのぼり型にして、大きな会場中をダイナミックに泳がせるというインスタレーションです。
今回のメルマガは、出かけた先で思ったことなど書いています。大っぴらには言えない内容ですので、オフレコでお願いします(笑)。

《 目次 》
1. 伝統工芸展と国展
2. 着るのか?
3. こいのぼりなう!
4. 宣伝

___________
1. 伝統工芸展と国展
「日本伝統工芸展」と「国展」は、大変に権威のある公募展で、多くの染織家が入選を目指して出品しますし、常連の方々は、日本を代表する有名な作家さんです。
私は、なんとなく、「ここを目指すぞ!」という気持ちになれず、今まで出品することなくやってきました。しかし、機会があれば、会場に出かけて、拝見することは続けてきました。
今年も、よかったですよ!
やはり、今、染織をやってる人たちの最高峰だと思います。すごいです。
*日本伝統工芸染織展の、東京での展示会は、5月14日までです。その後、京都、岡山、福岡を巡回するようです。
*国展の、東京での展示会も、5月14日までです。その後、名古屋と大阪に巡回するようです。

2. 着るのか?
しかし、一方で、こういう公募展で展示される着物や帯は、力がこもりすぎて「着るものなの?」と思うものもあります。国展に出品されている大きな布は、「これ、なんにするの?」と思わざるを得ません。
*伝統工芸染織展の出品作は、「着物」「帯」がほとんどで、「帯締め」などが少数出品されています。一方、国展の出品作は、「着物」「帯」のほかに、でっかい布があるのです。
「着物」や「帯」も入賞するためには、目立つことや、技巧を凝らしたものであることも求められるのでしょう。完璧さを追求しているのか、「大変そうだなあ」「こもってるなあ」っていうのが、第一印象だったりするものもあります。
着はしないし、用途はないけど、すごい、美しいってのもいいかもしれません。そういう世界があってもいいとも思います。しかし、少々のモヤモヤは残ります。

3. こいのぼりなう!
先日は、そのツートップの公募展の後に、こいのぼりなう!展を観たものですから、いろいろ考えてしまいました。
「こいのぼりなう!」は、今回はインスタレーションで、会場全体で一つの世界観を作っているものでした。マイナスイオン出てるの?ってくらい、気持ちよかったですよ。
こいのぼりの布たちは、本来は洋服やインテリアなど、明確な用途があります。その特別な用途のために、特化して作ったマスプロダクツです。
*須藤玲子さんは「布」というブランド名でテキスタイルを作っている方なので、「布」さんの布と言った方が、通じるかもしれません。
で、それらが、すごい情熱で、エネルギーに満ちているのです。
布は、用途があるものなのだ。誰かの何かに役立つということが、布が生きるということだ。
そんなこと、思いました。
例えば、「アウターにする布」という命題があったとして、それに向けて、須藤さんを中心とした何人ものチームが、あらゆる試行錯誤とアイディアと技術と努力をぶつけ合い、昇華させて行く、、、、。
やりきった清々しさがある布なんです。それはマスだから出来るんだ。
かなわんなあとも思いました。
では、手織りの作り手がすべきはなんなんだ?
この日のことは、ブログにも軽く書いていますので、よかったら見てください。上から2番目の記事です。「こいのぼりなう!」の写真もあります。ブログに書いた方は公表用で、こちらに書いたことは、オフレコですので、そこんとこ、よろしく!(笑)
http://www.someoriyoshida.com/blog

4、宣伝
自分の宣伝もさせてください!
染織吉田の通販「some ori マーケット」、更新しています。
用途、あります!使えます!!役に立ちます!!!
ぜひ、御許へ。
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染織吉田のメルマガ、《 some ori 通信 》14通目のメルマガ【出かけた先で号】をお読みいただき、どうもありがとうございました。
ご感想、ご意見ございましたら、このメールに返信する形でお送りください。
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これからも、some ori や、きものや、モノ作りを通して、あなたさまとご縁を育んでいきたいと思っております。
どうかよろしくお願いします。
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きものと帯の注文制作
染織吉田 吉田美保子
http://www.someoriyoshida.com

きよさま の「急がなくていいのよ」という優しいお言葉に甘えて、私はその後、別の仕事にせっせと邁進しておりました。そしてこの春になって、さあいよいよ、きよさまの番 !
私は、まず「やってみる派」です。やってみて、お客様と一緒に「見つける派」です。今回は、きよさま とまり子さんがいてくれるから、三人よれば百人力です。
さあ集中して。長くなるので、説明は端折らせていただきますが、まずタテ糸の準備。ブラッシングの染料の調合、提案できるよう数種類。ヨコ糸の準備数種類。これは本番用とは別に。デザイン起こし。ささ、試し織りをしましょう。
その中で何を見つけるか?きよさま は、拙作「スタイリッシュな三角」をお気に召してくださってるのだけど、私としてはただの色違いではなくて、もっときよさま にぴったりのものを作りたいのだ。

そして、思いの丈を説明したお手紙を添えて、遠く鹿児島に向けて、レターパックで発送します。実物を見ていただくのが一番ですものね。

昨日は夕方からお出かけ。半蔵門線にひたすら乗って、三越前へ。目指すは、日本伝統工芸染織展。さすがレベル高くてピシッとしていて面白かったです。
岩井香楠子さんの染めの下図の展示もあって、ほおーと見入りました。作家の頭の中、見た感じ。微に入り細にわたり計画されてるなあ。ドキドキした。
あと、展示の中で一番心に残ったのは染めの人間国宝の森口邦彦さん。さすが、大胆で美しくて、よかったなあ。美と技術がピタッとあってる感じしました。(日本伝統工芸染織展は5月14日までの開催です)

で、三越新館から駆け下りながら、時計をチラ見。まずい、6時20分だ。半蔵門線に戻って、大手町で乗り換えて、乃木坂へ。はい、目指すは国立新美術館。国展に駆け込みます。金曜は夜間オープンの日です。
国展の会場は天井が高くてせいせいするね。染織しか見てないのだけど、染織も着物や帯に限らないのが自由でいいな。毎年出してる作家さんたちを見るのも楽しみです。ああ、この人、がんばってるなあ、よし私もって、勝手に元気をもらってます。初入選にも親しい人が!おめでとう!(国展も5月14日までの開催です。)

その後、同じく国立新美術館でやってる「こいのぼりなう!」を拝見。めちゃくちゃ面白かったです。須藤玲子さんのデザインされた数々の布がこいのぼりになって、大きな空間をダイナミックに泳いでいる。見るひとは床に置かれたソファーに体を沈めて、仰ぎ見る。これが気持ちよかった。
とても情熱的な布だった。その情熱が泳ぎまわるのだから圧巻でした。こちらのテキスタイルは、機械織りで作っているけど、手仕事って言っていいと思う。個人作家の手仕事ではなくて、もうちょっとだけマスプロダクツなのだけど。
こういうの見ると、個人作家がやらなきゃいけないもの、見えてくる。情熱で負けてない?
(こいのぼりなう!は、5月28日まで。写真は全てこの会場で撮りました。)

さて、この日、きよさまとまり子さんと、話したことは、、、、
私がまずお聞きしたかったこととは、、、、
今回の帯、1番のミソは、ブラッシングカラーズで入れる、黄色の三角の色だと思うんです。
黄色と言ってもいろいろあります。レモン色、山吹色、クリーム色、濃い黄色、ペールな黄色、パステルの黄色、濁らせた黄色、、、、いかようにもなるし、ここで、その帯の特徴が決まります。特徴って、いまの言葉でいうと、キャラと言ってもいいかもね。
どんな黄色をお望みですか?
きよさまにお聞きすると、ほとんど偏りのない、どストライクの黄色をお望みです。強くてきれいな黄色です。ちょうど、この日、まり子さん、私の織った帯を締めてきてくださったのですが、その黄色。たんぽぽ色とも言えるかなあ。
筋に入れる糸の色も大事です。どうしましょう?すると、くるっと部屋中を眺めるきよさま。「こんな色がいいわ」とおっしゃったのは、我が家にあったすでに染まってる、空色とダークグリーンの糸。まあ、これがもしそのものズバリだったら、これ使いましょうか?
あと、銀糸をお望みです。銀を入れて華やかさを出しましょう。
そして、もう一つのお望みが、地の色をおタイコと前帯部分で、少々変えることです。こっちは、私が持っている色見本をお見せして選んでいただきました。おタイコは薄いベージュ。前帯は薄いクリーム色。ふむ。面白いね。
よっしゃ、一旦ノートに書いたご要望を、まとめて紙に落とし込みますね(上の写真)。後日、まり子さんにお送りしますので、一緒に確認してくださいね。

昨年の9月22日の午後、きよさまと、まり子さんと、まり子さんの妹のMさんが、我が家を訪ねてくださいました。
きよさまとは、お初にお目にかかります。まり子さんとMさんとは久しぶり。我が家にお越しくださるのは初めてです。女性が4人ですから、話は絶えることなく。とても盛り上がったのを覚えています。
せっかくだからと、私が織ったものを見ていただきました。
きよさま、角帯に興味を持たれました。ご主人様もおきものをお召しになるんですね。まり子さんとなにやら相談なさってます。そしてすぐにこれが欲しいと。
それから、ショールも。5枚ほどあったのですが、「これ」っとすぐ決められます。すごいなあ。決断が早い。それも的確。私はダラダラ悩むタイプなので尊敬です。
そして、「八寸帯 スタイリッシュな三角」をご覧になるやいなや、これが好きだけど、青は私の色じゃないのよ、黄色がいいのよと。だったら作っていただけばとまり子さん。あ、よかったらよろこんでと私。
じゃあお願いします。とそこで話が終わりそうになるので、「ちょっと待ったー!」
あ、いえ、せっかくONLY ONLY でお作りするなら、ただの色違いでなく、きよさまにとって最高に一本になるようにしたいです。ひと口に「黄色」と言ってもいろんな黄色があるわけですし。地の白もこの「スタイリッシュな三角」では、極薄のブルーグレーで染めて、シャープな感じを出しているんですよ。三角の大きさや配置もいかようにでも変えられますよ。
そうしましたら、きよさま、さすが決断力がありますね。バシバシご希望おっしゃいます。お好きなものが明確なのですね。それにまり子さんが、的確なアドバイス。私はしっかりとノートを取ります。
急ぎませんよというありがたいお言葉いただいてホッと安堵。では後日、ご希望をもとに簡単なデザインをお越し、お見積もりと共に郵送しますと申し上げました。

さあ、新しいONLY ONLY ストーリーをはじめましょう。今回のヒロインは、「きよさま」です。きよさまは、ここから遠く離れた鹿児島の方。さて、どうやって、きよさまと私が巡り合ったか?それも今回の「きよさまストーリー」の大きなポイントです。
さあ、お話のはじまりはじまり〜〜〜。
きよさまストーリーは、今までとちょっとだけ違うのですけど、それが何かと申しますと、きよさまと私の間を取り持って、一緒にもっといいものを作りましょうという、力強いパートナーがいてくださるってことです。
その方は、鹿児島でM’s HEARTという会社をされている林まり子さん。まり子さんは、お母さまの代からきものに大変お詳しく、着付け教室や着物の展示会もされていて、鹿児島の着物好きの方々に、とても頼りにされている方なのです。
大島紬の本場の鹿児島にいて「大島紬もいいけれど、それ以外にもいっぱいいいものがあるよ、もっと着物で楽しもうよ」って、広めていらっしゃる方です。
そのまり子さんが、昨年秋に、ご連絡くださいました。懇意にしている着物好きの方が今度上京されるので、ご自分と妹さんも予定を合わせて上京する。その時、ミホコさんのお仕事場にお邪魔できないか?
まあ、もちろん、ウェルカムです。
で、秋のある日、まり子さんご姉妹と一緒に我が家を訪ねてくださったのが、きよさまというわけです。
*写真はこの春。ちょっと遠出した時。今回のストーリーもこんな感じに進めるぞー。