
ONLY ONLY、みおさまの鞄、手描きのデザイン画をパソコンで作り直して、微調整していきます。色と配置をちょっとずつ変えて、何枚もプリントアウトします。紙を実物大に折ると、ぐっと現実味が増しますね。
ふむふむ。こんな感じね。よしよし。
同時に糸の準備を始めます。まずは糸を選んで、、、、、長ーい実作業の工程、毎度のことですが、工夫を重ねてちょっとでも効率的に。失敗しないように。

はい、これが、鞄の片面「春バージョン」の方の、最終稿。みおさまにメール添付したら、「うふふ、楽しみです」とのお返事。「織物になったらまた変わるもの」ってこともご理解いただいていて、おおらかに取り組めます。

ONLY ONLY みおさまの鞄、大きさと革の色について合意が取れました。さあ、私の出番です。まずは布のデザインです。何枚もラフスケッチをします。
うん、これかな。

それを実物大の高さ27cm、横35cmの紙を作って、描いてみます。
横の長さがこうなったのは、みおさまがお持ちの37cmの鞄を、椅子に座って、ひざに乗せた時、少し大きすぎると感じたとのことからです。なるほど、ひざからはみ出ると電車などで気になりますものね。
体に合わせて、大きさを決められるのもONLY ONLY のいいところ。仕立ての善林さんと組んでいるからできることです。
みおさまにメール添付でお見せしましたところ、以下のようなうれしいお返事いただきました。
「ラフに関しては私のほうからは、ほぼ言うことはありません。ヨシダさんがもってらっしゃる私のイメージは正しいと思いますし、『みかん』の着物の時もある時点からはすっかりおまかせで成功したと思っています。」
「それと、ヨシダさんが描いた『私ができあがった鞄を持っているイメージ画』、あまりのかわいらしさに笑ってしまいましたとさ。」
えっ!私は、このイメージ画、みおさまにそっくりだと思います!よく描けたとほくそ笑んでおります。

先日のこと、「みるさま」からメールいただいた。赤いショールまだありますか、とのお問い合わせ。

なんでも、今、ふるさとに帰省されているとのこと。それで、ご友人に私のショールを贈りたいと。介護など、いろいろがんばっていらっしゃる50年来の親友の方へ、応援だと。
まあ、なんとすてきな!
(「みるさま」というのは、ONLY ONLY での愛称で、八寸帯「Spirit of Green」とコラボバッグ「My One And Only Bag」を作らせていただいた方です。そのほか、ショールもお求めいただいてます。)

みるさまが、ふるさとで、そのショールをしていたところ、ご友人が目をとめられたと。それで、このショールは、ヨシダが熊本地震後に作ったもので、売り上げの10%を熊本城復興基金に寄付したのだと紹介したら、その話にご友人、いたく共感してくださったと。
これまでシックな色ばかり着ていたご友人が、急にきれいな色を好み出したのは、色のパワーが必要だからだと考えられたみるさまは、ご友人を守るのは、ヨシダの赤いショールだと思ってくださったわけです。ブランド物や市販のカシミアのショールを贈るのは簡単だけど、ヨシダのがいいと。
じーん。ありがたい〜〜。

私としても、とてもうれしく、このご縁に意味があるように思いましたので、この分の売り上げの10%を災害支援金としてプールしておきたいと申し出ましたところ、大賛成してくださいました。
(通常は、コラボ鞄のみ、売り上げの10%を寄付金として積み立ててます。)

ショールは、うちからご友人さまへ直送することになったので、さっそく準備です。
もう一度ていねいにアイロンをあて、たたみ、薄紙に包んで、ビニールに入れます。
カードもご友人さまにあてに作りました。同じ布がありましたので、それを貼ってね。

ほら、発送しますよ。みるさまのお気持ちが届いて、喜んでいただけますように願いをこめて。
*大切な方へのプレゼントに、染織吉田のショールなどいかがでしょう?ていねいにお包みし、カードを添えて発送します。お気軽にお問い合わせください。
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27通目のメルマガをお届けいたします。
こんにちは。お元気でいらっしゃいますか?
私の住む関東平野の片隅では、小春日和がうれしい日が続きましたが、あなた様のお住いのあたりではいかがでしたでしょうか?
明日から12月とは信じられませんね。
私は最近、思いがけないうれしい出会いが続きました。出会いは、偶然でしょうか?必然でしょうか?
今日はそのことを書いてます。よかったら、お付き合いください。
《 目次 》
1. なんでも作る人
2. 登喜蔵さん
3. 高機能ぞうり
4. ご縁ひろがる
___________

1. なんでも作る人
先週の金曜日、不思議な来客がありました。
その数日前、織りの先輩から電話があり、ドラム整経機を自分で作りたい人がいるから、お宅のを見せてあげてくれないかと。よく聞くと、定年退職した元学校の先生。狂言の衣装を、布を織るところから自分で作りたいとのこと。糸は買うけど、道具は全部手作りすると。なんだかすごい。
で、その方がやってきたのです。
織りの道具って、けっこう精巧です。それに糸のことと織りの原理を、よく分かってないと、ムリだよなあ。特にドラム整経機は、綾をとって、長さをそろえて、織り幅を整えて、張力を一定にして巻き取っていくという、重要な作業を何役もこなします。自分で使ってて、これを機大工さんでもない方が作れるとは思えないのだけどなあ、、、
で、その方がやってこられ、まず、この実物が見たかったと喜ばれ、それから、自分はこれは作れるとおっしゃいます。
そうなの!?
こうやって、こうやって、と説明される。
今まで自作した織り機や管巻き機の写真を見せてくれましたが、なかなかどうして、りっぱです。
実際に使ってみたら、もしかして不具合はあるかもしれないけど、その都度調整されて使いやすく改良されることでしょう。
その方がおっしゃった印象的な言葉。
「人間が作ったものなんですから、作れないはずは無いんですよ」
わー、ささるわー。その通りです。
すっかり仲良くなり、私の今までの、織り機改造、仕事場改造も見せびらかしました。(つたないですけど自慢なんです。)

2. 登喜蔵さん
日曜日には、日本橋三越の催事場に、着物の展示会を見に行きました。
丹後からいらしている、登喜蔵さんにお会いしたかったのです。登喜蔵さんは、繭を草木で染めて、ずり出しという技法で、繭から直接糸をひいて糸にして、織っておられます。
それが、ものすごーーくすてきなのです。「これはいいものだな」って感じが、反物から醸し出てます。
私は登喜蔵さんのこと、長く一方的に存じ上げていて、お目もじ叶ったのは2度目ながら、ありがたいことに、親しく話をさせていただきました。
登喜蔵さん、覚悟の決め方が深くてかっこいい。その辺のいろいろ、超えてらっしゃる。その上、楽しそう。
織りをやってたらたぶんみんな余裕ないです。そういうことは飲み込んだ上で、悠々と織り、生きる。登喜蔵さんはその域の人。
目標です。
登喜蔵さんのサイト。動画もステキです。

3. 高機能ぞうり
日本橋三越の着物の催事場をふらふらしていたら、ぞうり屋さんのブースで声をかけられました。
試し履きしませんか?とのこと。
見た目は普通の草履ですが、台の土踏まずのところが、適度に盛り上がってる。アシックスとの共同開発したもので、なんとスニーカーと同じ素材らしい。高機能ぞうりって言うんだって。
へー。
試し履きさせてもらったらとてもいい。軽いし、どんだけ履いても足が痛くならなさそう。
製造元の方がいろいろお話してくださったので、実は作り手ですってこと白状して、名刺交換して、着物業界のいろいろを話し合って、意気投合し、とても面白かったです。何かに発展しないかな?荒波を楽しく乗りきるには仲間がいるもんね。
楽しく一生懸命やってれば、きっと大丈夫と思えました。
このおぞうり、たくさん履く方にとてもいいと思います。自社のサイトはないそうですので、気になる方は製造元の「株式会社おかだ」さんに電話などでお問い合わせください。
http://www.fashion-kyoto.or.jp/member/m0753523123.html

4. ご縁ひろがる
思いがけなく広がったご縁、もっと広く巻き込みながら、みんな楽しくやっていくにはどうしたらいいのでしょう?何か仕掛けたいのだけどな。このメルマガも、その一助とならないかしら?
そんなことも頭のすみにおきつつ、せっせと機織りいたします。
冬に向けて、ショールはいかが?
新作、水玉ショール、出来立てホヤホヤです。ぜひご覧ください。
https://www.someoriyoshida.com/store

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染織吉田のメルマガ、《 some ori 通信 》27通目のメルマガ【ご縁ひろがる号】をお読みいただき、どうもありがとうございました。
ご感想、ご意見ございましたら、このメールに返信する形でお送りください。
配信停止をご希望の方は、タイトルを「配信停止」として、このメールをそのまま返信してください。
これからも、some ori や、きものや、モノ作りを通して、あなたさまとご縁を育んでいきたいと思っております。
どうかよろしくお願いします。


新作の、ショールができました。きれいな色の水玉シリーズです。

急に寒くなりましたので、ギリギリセーフで間に合いました。って、遅いかな。それに北にお住いの方にしたら、もうとっくに寒いですね。自分の住まいを基準にしたら、いけませんね。

このショール巻いて、この冬、楽しく過ごしてください。

通販サイトで詳しく説明しています。こちらです。ぜひ。

ONLY ONLY でお作りする鞄の、持ち手やマチに使う革の候補を、メールで見たみおさま、2枚目の写真の「中茶薄手アドバン調」が「しっくりきた」とのことでした。(前回のブログの2番目の写真)
それにお答えして善林さん、「薄めの色でプレーンな単色のものを好まれるということ分かりました」「実際にこの革を使うか、または新たに購入するかどうかは、布ができてから決めたい」とのことでした。

おっと、それでは私の出番ですね。
革の分量が多いので、布地との色のバランスもよく考えなければ。例えば、布のデザインに、少々革の色を入れてはどうだろう?その方が、なじむのでは?
みおさまに提案すると、「茶色は春夏に向かないように思う」と。それに「革は2番目のがいいと言ったが、実は、もっと薄くてもいいのではないかと思った」とのこと。
そっか、ここ、合意までたどり着いてなかったですね。強固にしとかないと。
で、ネットの色見本の出番です。モニターによって違いがあるにせよ、抽象論からは抜け出せます。

上のスクショの「カフェオレ」が、革の色として、まず私が思った色。それが、どうも違うようだと探したのが、中と下の「バフ」と「肥後煤竹」。
これをみおさまに提示すると、「バフ」と「肥後煤竹」は、結構違う色見ながら、どちらも納得できる色だとのご返信いただいた。
よし、フォーカスが定まってきたぞ。では、振り幅もちつつも、布をデザインしていこう。

完全注文制作ONLY ONLY、みおさまの着物にも合う春から初夏向きの鞄、みおさまと、善林さんと、私とで、CC:メールのやりとりがすすみます。
大きさと並行して、革についてのお話になってきました。

みおさまは、もともと、手垢が目立たないように、こげ茶の持ち手をお望みでした。
私も、春夏用とはいえ、持ち手のみだったら分量も少ないし、こげ茶でいいのではないかと思っていました。
しかしその後、善林さんをまじえ話が進み、まず、底を全面革張りにすることになりました。これは、補強のためと、汚れ防止のためです。布地は白ベースですし、九寸帯地でいくので布自体の強度はさほどないので。
その後、鞄を自立させたいというみおさまのご希望が出たので、側面も底に張った革がそのまま立ち上がる「通しマチ」にすることになりました。
とすると、革の分量がぐっと増します。季節のこともですし、白っぽい布とのバランス考えると、こげ茶でない方がいいのではと話がすすみ、、、、
みおさまも、おしゃれのことを考えると、汚れがめだたないなど考えない方がいいだろうという気になられたようです。この辺、ジレンマですね。

早速、善林さんが、手元にある数種類の革に、私が送っている布を仮りで載せて写真を撮り、投げかけてくれました。
*載せてる写真は、このとき送られてきたものをトリミングしたものです。

ONLY ONLY、みおさまの鞄、ご希望をあらかた聞き取って、さっそく服飾作家の善林さんに連絡しました。
二人の間でバンバンとメールが行き交いまして、善林さん、ご希望が出てる分だけの情報で、「こんな感じ?」と紙でささっとラフを作ってくれました。
速いわー。目に見える形になると、想像しやすいし、問題点も気付きやすいし助かります。
それで、みおさまに、この紙ラフの写真を送り、底の作り方とか、芯のこととか、具体的に相談です。このあたりから、メールのやり取りを、「みおさま、善林さん、私」の CC:にして、透明化して進めていくことになりました。
みおさま、自立する鞄をお望みだということが、出てきました。それなら、底を革にして、そのままマチの部分まで、革にすればいいと善林さん。通しマチというらしい。鞄のONLY ONLY、細かいところまで、ご希望をお聞きして進めます。

というわけで、みおさまとのONLY ONLY、本格スタートすることになりました。
おつくりするものは、きものにも合うメイン使いの鞄。
その用途の鞄は、ふたつお持ちで、ひとつは秋冬用の濃い茶色のもの。もうひとつが真夏用の麻素材のもの。その間の春先から初夏まで使う、明るい色の鞄が欲しいなと思っていたと。
お好きな色は、薄いクリーム色、若草色、みかん色、夏みかんの色、はっさくの色。
あら、おつくりしたお着物と同じね。うふ。
それで、これまでの織ったものの資料などをどんどん出してみていただきましたら、目に留まったのが上の写真の布。以前織った九寸帯の試し織り部分です。
色がちょっと、お好みよりはシャープになるけど、これもいいですね。鞄の片面をこういう感じにして初夏ぽくし、もう片面を春っぽくして、使い分けるのもありかも。
みおさま、いわゆるブラッシングカラーズ はあまりタイプではないとのことでしたが、これは好きだと。なるほど、刷毛目が出るものより、こうやって、色をはめ込んでいく感じですね。
大きさは、展覧会に行ったときカタログを買って楽に入るくらい。あとお土産の瓶詰めが入るくらい。
それから、持ち手の革は、汚れが目立たないように、こげ茶にしたいと。
はい、では、その旨、善林さんと相談して、またご連絡いたしますね。
織りのそもそも論をします。
織りをやってみたいなって興味を持った人はみんな、まずはじめに、素材は何にするって問題にぶつかります。これ、知らず知らずの分岐点です。
素材ってのは大きく分けると四つ。絹、木綿、麻、ウール。で、みな、まずは大抵、全部に手を出します。
はい、私もやりました。25年以上も前のことだけどね。今は絹いっぺんとうだけど、ウールにも可能性を探って触りました。
そんな私達にとっての大きな人、本出ますみさん。織りをやってる人はみんな知ってるこのお方。通称、ポンタさん。出しておられる情報誌「スピナッツ」も食い入るように愛読しました。
私、20代半ばの織りを始めたごく初期のころ、大阪に住んでたんですけど、その頃、なんどか京都のポンタさんをお訪ねしました。まだまだ行き先の定まらないペーペーの私に、丁寧に応じてくださったの、よく覚えています。お店と事務所とたぶん住居を兼ねた、古い木造の建物、可愛らしく、誠実な空間でした。
その後私は、絹の道に、きゅーっと引き込まれていきましたので、ウールの道からは離れてしまったのですが、本出さんは、大きな大きなキーパーソンとして、深くきざまれました。
先週の金曜日の晩、なつかしい本出さんのお名前が、ふとラジオから流れてきました。私の愛聴しているNHKの「ラジオ深夜便」。その4時台の「明日への言葉」のコーナーで登場とのこと。
しかし朝4時のリアルタイムでは聴けませんでしたので、タイムフリーになるのを待ってました。今日、やっと聴くことができました。
とても、とてもよかったです。本出さん、すごいなあ。ウールの花がパーッと開いた感じ。牧場のシロツメグサに混じって咲いているようなかれんなお花。とてもきれい。小さいけど、存在価値抜群。試行錯誤していた、私の最後の青春の頃を思って聴き入りました。
よかったら、ぜひお聴きください。ものづくりっていいなーって思うよ。原点なのよ。全部、繋がってる。
ここから聞けます。下までスクロールして、4時台のところの「聴き逃し」をクリックしてください。おすすめです。11月26日まで聞けるようです。
*写真は手元にある「スピナッツ」の一部です。