
さて、けむさま と一緒に「着物仕立てひらやま」さんをお訪ねした時のお話です。
けむさまは、大の着物好きで、着付けの先生もされていらっしゃり、長年、ありとあらゆる着物を着てこられた通の方ですが、仕立て師さんに直接お会いして、着方や好みを相談し、採寸して、仕立ててもらうのは初めてだそうです。普通は、呉服屋さんを介しますので、スタンダードでいらしゃいます。
いつもお願いしている寸法を一旦リセットするいい機会だと喜んでくださっています。
一方の平山さんも、仕立て師としての長いキャリアの前半は、呉服屋さんなどから頼まれる反物を、渡された寸法表どおりに仕立てて納めるのが仕事の仕方だったそう。この当時は、自分が仕立てた着物がどこの誰に、どんな風に着られるかなど、全く知らなかったと。
そしてそれを、ある日、ガラッと変えたのだそう。お客様と直に会い、相談を受けて採寸し、仕立てるスタイルに。
けむさま と平山さんの話を聞いている私は、その細かさに驚かされました。着るときに腰紐をどこに締めるか(ウエストか、または腰骨の上か)というのはよく聞きますが、地衿の先をどこに持ってくるかといういことも話題にされています。それによって、寸法もちょっと変わるみたい。私、そんなこと気にしたこともなかったよ!

私にとっても、素晴らしい恵みがありました。
なんと平山さん、新モスで作った、着物の実物大のひな型を作っておいてくださったのです!それも、繰越などは、けむさま サイズで!(名称は「ひな型」でいいのかな?着物の世界でも「トワル」って言う?まさに洋裁のトワルみたいなものですわ。)

それをけむさま に、美容衿をつけた上に着装していただいて、衿合わせのポイントにフリクションペンで印をつけました。そのポイントの6分下で色を変えたいわけです。ここが一番のアイキャッチですから狙います。
そして衿につけた印を伸ばして、身頃と袖につけ、そしてトワルを解体して、反物にしたときにどこが柄かを確認します。そうすると、ピシッと段があった熨斗目(のしめ)になるという計画。
すごーい!画期的!まさにこれがほしかった!平山さん、どうもありがとうございます!
説明が下手で伝わってないかもしれませんが、これぞ、ONLY ONLY。お召しになる方と、仕立てる方と、布を織る私が一緒に作るONLY ONLYです
*今回は写真は取らなかったので、一番上の写真は、以前に私が一人で平山さんをお訪ねしたときのもの。いまとはメガネが違うわ〜。下の2枚の写真は、うちに帰って、トワルをトルソに着せて、最終確認しているところです。

日本伝統工芸展を拝見しに、日本橋三越へ。
私、実は公募展ってちょっと苦手意識があるのですが、日本最高峰だし見ておこうって出かけたら(そのわりには結構見ていますが)、大変に面白かったです!「ザ・技」って感じしました。それぞれの出品者がそれぞれの技を出し切っている感じが、清々しかったです。
私は、染織しかしっかりは見ていないのだけど、ほかの分野もしっかり見たら、疲れ切りますね、あれは。染織だけでも力作ばかりで、胸いっぱいになりました。
今日は、土屋順紀先生による作品解説もあったためもあるでしょうが、雨でしたが、大賑わいでした。
土屋先生、展示作品についての解説をされていくのだけど、時々、ご自身が織っている時のことなど、挟まれるのが、ああいいなって思った。時折おとずれる感動とか喜びについてなど。すてきな先生です。
あと、北村武資先生の経錦(たてにしき)の作品、ものすごくよかった。完璧でこの世のものとも思われないくらい。この一点だけ染織コーナーでなく特別な場所に飾ってあるので、見に行かれる方、お見逃しなく!
日本伝統工芸展は、10月1日まで、日本橋三越本店にて。その後、全国を巡回するようです。

ONLY ONLY、けむさまの熨斗目(のしめ)のお着物、準備が進むにつれ、私は、仕立て師さんに事前にお会いできればなあって思うようになりました。熨斗目(のしめ)は柄合わせが、何より大事ですので、寸法を細かく確認したかったのです。
けむさまには「いつもの和裁師さん」がいらっしゃるとのことでしたので、その方に私が直接コンタクト取れないものだろうかとお聞きしてみました。
そうしましたら、その和裁師さんは遠方にお住まいで、懇意の呉服屋さんを通してのやり取りでいらっしゃるとのこと。
なるほど、そしたら、お会いするのはちょっと無理かなとメールを読み進めますと、な、なんと!
「もし 、ヨシダさんがやりやすいのだったら、今回のお仕立ては、いつもの和裁師さんじゃなくて、ヨシダさんが信頼している方のところに頼んでいい」とおっしゃってくださったのです。
私の仕事のしやすさや、ちょっとした不安をおもんぱかってくださったのです。うっわーーなんとありがたいこと!けむさま 、本当にお優しい。
それで、信頼度100%のいくつかの仕立屋さんにご都合をお聞きし、けむさまとご相談した上で、「着物仕立てひらやま」の平山留美さんにお願いすることになりました!
それで、早速、昨日、けむさまと二人で、元住吉の平山さんのアトリエにお伺いしてきましたよ。
いやー、本当に有意義だった!とても面白く盛り上がった三者会談の様子は次回書きますね。
*写真は、持っていった資料の山。2回目の試し織りは結局2尺(76cm)も織ってしまった!

ささ、けむさまのONLY ONLY、のしめのお着物、デザインを調整していきます。グラデーションのところがキモですので、念入りに。微調整に役立つのは、やっぱコンピューターだね。可視化できるし。だいたいこんな感じかなっていうの作って、ばんばんプリントアウトします。
やってみて、見てみないと分からないから、これはどんどんやります。

そして、トルソに着せてみます。トルソは高さを調整して、けむさまの身長150cm に合わせてますよ。

裾は切り替えポイントはこのくらいかな?いや、ちょっと間延びするな。もうちょっとメリハリつけよう。

衿は大事ねー。もうちょっとゆったりでもいいかもね。

お袖もつけてと。

うーむ。このくらいか?

この5月にONLY ONLY で取り組んでおりました、きよさま の八寸帯「Yellow triangle(イエロートライアングル)」、締めたお姿の写真を送っていただきました!

遠く鹿児島で、この帯がきよさま に可愛がっていただけてると思うと、ほっこりうれしいです。
「やっぱりいいですね〜」って!ご満足いただけているようで、ますますうれしいです。

柄の出方も、ちょうどよかったかな。ひと安心です。
メイキングは、こちらにまとまっています。トップにはこのエントリーが来ますので、スクロールして、ご覧ください。→ONLY ONLY きよさま

今日は、着物でお出かけ。「単衣で遊ぶ会」と銘打たれたパーティーです。
うわー、予報どおりのお天気だー。雨ゴートの出番ですよ。目指すは南青山です。

着物のパーティーに、なぜか来賓の方々はインドから。うふふ。サリーもめちゃくちゃ似合ってらっしゃったわ。

閉じこもりがちの日々ですが、こうやって外に出るといいですね。人と出会えてありがたい1日でした。

主催は、きものおたすけくらぶさんと、ワンズベストさん。楽しい時間をありがとうございました。

おたすけくらぶの富田社長です。役者でいらっしゃいます。

今日は、染織家で写真家の、柳川千秋さんが来てくれたので、大撮影大会となりました。

私はちょうどショールのブラッシングカラーズ をしてましたよ。

なかなか作業中の写真は撮れませんから、自分でも、ああこんな風にしてるんだーって人ごとのように見ています。

機材は、アイフォンです。すごいね、よく撮れてるー。あ、腕がいいのか、失礼しました。撮ってくださってありがとうございました。
動画も撮ってもらいましたよ。ブラッシングカラーズ しているところです。5秒です。
こちらも5秒。
これは、タテ糸を巻き取っているところ。こちらも5秒。早回しです。
おっと!糸が切れた!どの糸が切れたのかを見つけて、正しい位置に機結び(はたむすび)で結びます。正しい位置ってのが、大事です。糸は、綾によって、順番づけられていて、それが織りの命です。

けむさまの、のしめのお着物、2回目の試し織りです。こんな感じ?
写真を撮って、けむさまにメールします。
ご返信、だいたいオッケーでホッとする。ご希望も少々。
「ターコイズの一番濃い色を少し薄めに」、「水色を感じながら白に向かっていく感じに」、「黄色はさえた薄いレモン色」で「避けたいのは着物によくあるウコン色と、くすんだ感じ。」
了解しました。

その後、お仕立てのことやデザインのことなどで、メールをやり取りしておりましたら、けむさま、「どこかに薄いピンクを忍ばせられないか」とのご質問くださいました。
ああ、ピンク。
思えば、けむさま、いっとう最初は、「黄色とピンク」ののしめをご希望だったのだ。ピンク、お好きなのだ。うーん、それは入れたいなあ。ちょっと難しいが、とりあえず可能性を探ろう。
ごく少量、ピンクを染めることにした。レモンとターコイズと相性がいいように、パープル系のピンクを染めた。

はい、もいっちょ。太さと濃さを変えて、計4種、染めました。

早速、織り込んでみます。うーむ。可能性を探れないこともないが、紬調になる。訪問着調にしたいのだがな。

けむさまに写真をメールすると、
「ピンクが入ると、米沢の紬みたいになり、面白みより、あたり前になるのですね。よくばらない方がいいのだと思いました。」
とお返事くださった。なるほど、「あたり前」は却下ね。

でも、ピンクをご提案いただいたということは、何かちょっと物足りないってことなんだろうな。
けむさまは、今、人生の大輪の華を咲かせていらっしゃるのだ。お年的にも、社会の役割的にも。だから、控えめな着物にする必要はない。むしろ、大胆な思い切った着物を求めておられる、、、、
じゃあどうする?

「水色を感じながら白に向かっていく感じに」を、精一杯やりきることが、それに充当するのではないか?

けむさまのONLY ONLY、本番用の糸もそろいました。デザインの方も、最終調整に向かっています。ひな型で計画してて、一番いいと思ったのを、着姿のデザイン画に移してみます。
お召しになった時に、どこにポイントを持ってくるか、ねらいます。これは、絶対はずせない。最重要ポイントと言っていいです。
けむさまらしさを出したいし、人の目線がどこにくるのかも念頭に入れて、それから、デザイン的な着心地もあるよね、落ち着くとか、着てて楽とか、自信につながるとかっていうような。

けむさまに、糸が染まりましたよーとメールいたしましたら、最高にうれしいご返信くださいました!本当に、くずれ落ちそうになるくらいうれしかったです。見ていてくださる方はいるんだなあと、ジーンとしました。
ちょっとだけ、ご紹介させていただきます!
「酷暑のなか、すごいですね。はればれと美しいです。
だいぶ前ですが、〇〇さんのサイトで、ヨシダさんの作品をみました。ちょっと不思議な空気感が印象的でした。自由なのに、抑制も効いてて、気難しさがなくて、ほかの有名な作家さんや機屋さんとは、ちがう匂いがしました。〇〇さんにしては、めずらしいとも思いました。
あれから何年もたちましたが、直接にご注文できたことは、とても幸運です。ヨシダさんの創作の過程を共有させていただけるのも、新しいスタイルで、きもの好きにはたまらない贅沢。
とても楽しみです。」