吉田美保子の some ori ノート

新作八寸帯、一衣舎展

2014.10.02

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八寸帯、できました!ラブ・ロスコシリーズの新作です。名付けて、「ピンク&グリーン」。(まんまですね、、)
これは軽さにこだわりました。空気がきゅっと。軽快な感じ。八寸のよさが出たと思っています。
デザインソースのマーク・ロスコはアメリカの画家ですが、気分は、アメリカじゃない。どちらかと言うと、ヨーロッパ。というか、ヨーロッパに入り込んだ異国のもの。洗練されたエスニック。そんな感じを思って作った。
あ、しまった!前柄、写真撮り忘れた。ごめんなさい。ぜひ、実物、ご覧下さい。今なら、見られます!
一衣舎さんの展示会に出品させていただいてます。ところは、浅草、雷門。雷門から程近い、ギャラリー丸美京屋さんでで本日より10月6日まで、開催中です。お草履の楽艸さんもご一緒です。ぜひお運びください!
詳細は、一衣舎さんのブログにて→

作品

冨田潤先生、講義

2014.10.01

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冨田潤先生の講義に、東京スピニングパーティーに行ってきました。
私、この講義、本当に楽しみにしていました。数ヶ月前、スピニングパーティーのチラシに冨田先生のお名前発見したときから、エキサイトして、受講する気まんまん。申し込みは、先着順ということで、受付開始日、開始時刻の午前10時の時報と共に、メール送信ボタンを押しました。(後に送られてきた受講票によると、受付番号4番でした。私より早い人が3人も!)
冨田潤先生は、私が織りをはじめた頃からのあこがれです。20数年前、ある本を読みました。そのころ、すでに古い本で立花隆さんだったかが書かれた、青春漂流というタイトルだったか、、、大変うろ覚えですが、若者が情熱を燃やして成長して行くルポで、それに冨田さん登場されてまして、感激したのです。こんな人がいたのか!
拝見できる限りは、展示会にも伺ってます。ずっと前、京都で個展をされたときは、夜行バスで行ったなあ〜。早朝の京都で時間をつぶしたなあ〜。冨田氏の作品は、見ていると心吸い取られる布なのだ。最近作られている八寸帯は、具体的な目標です。
アシスタント志願もしたことある。うまく行かなかったけど。
そんな訳ですので、当日も早起きして出かけ、一番前の席をゲット。講義は、朝10時から16時までという長丁場でしたが、あっという間でした。
スライドの数々とお話の数々、質問とお答えの数々。何でも教えますという副題でしたが、本当に何でも教えて下さいました。乾いた砂漠に水が吸い込むように、習ったつもり。ま、水、いただいても、それで何をどう育てるかですが、、、
制作過程のスライド見てて、一番思ったのは、「ここまでやるんだ」ってこと。あの完成度はここだったのか。私がいままでしてた事は、「やってるつもり」だったな。もっとやれるぞ。
*写真は無関係。東京国立博物館、法隆寺館の階段。

草野満代さん、29日晩、オンエア!

2014.09.29

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草野満代さんが、私にご注文くださって織った帯、「Sun Kissed Green(サンキストグリーン)」を締めて、再度テレビに出てくださいます。
ぜひご覧になってくださいね。片岡鶴太郎さんと一緒に案内人を務めてらっしゃる「謎解き!江戸のススメ」です。9月29日月曜日、午後10時から、BS-TBSでの放送です。
前回、22日放送分、友達が録画してくれた分を見る事ができました。テレビに映ってる草野さんが締めてくれてる帯が、うれしそうに、また、しっかり役目を果たしてくれてて、まぶしい思いで、画面を見つめました。
帯もですが、いい番組だなあと思いましたので、よかったら、見てくださいね。よろしくお願いします。
情報、もう一度書きますね。
「謎解き!江戸のススメ」9月29日月曜日、午後10時から、BS-TBSにて。
司会の草野満代さんが締めてらっしゃる帯が、吉田作です。草野さんに、ONLY ONLY でご注文いただき、制作しました。
番組のサイトはこちらです。→☆。9/22の分のダイジェスト動画も見られます。

森康次先生

2014.09.28

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森康次先生の個展のギャラリートークに、銀座もとじさんに伺いました。この個展のために作られた新作をぜひ拝見したかった。森先生とお弟子さまの佐藤さんにお会いしたかったです。
30分も前に銀座に到着。森先生の刺繍の美しさを堪能しつつ、トーク会の開演を待ちました。鞠の付け下げ、すてき。こんなの着たら世界観が変わるかも。
待っている間に、森ファン、もとじファンのお客さまがどんどん集まってらっしゃいました。さすがーー!
以前に森先生からメールをいただきました。ものすごくお優しいありがたいメールでした。勝手に引用。(ごめんなさい、森先生)
『私も来年は69歳、もうすぐ70です。
このくらいまで続けると、ちょっと面白くなってきます。
見えなかったものが見えるようになって 、分からなかったものが理解できるようになりますから。
歳を重ねるのもなかなかいいものですよ。
吉田さん、何が何でも続けてください。
そして「ちょっと面白くなってきました。」って、聞かせてください。』
じーん。あ、あ、ありがとうございます。はい、何が何でも続けます。ちょっと面白くなってきたっていう境地は、まだまだまだまだ遠いのだけど。
お弟子さまの佐藤未知さんとも、感激の再会でした。スッキリ美しいご様子に、着実に仕事を重ねてらっしゃるんだなって思いました。別れ際に、小さな包みを下さいました。京都のお土産だと。まあ!
うちに帰って、包みを開けると、かわいい飴が出てきました。色もいいのよ。きれいな黄色と緑。
あ!!!!これは、森先生が私にご用命くださり、佐藤未知さんと何度も何度もやり取りを重ねて作ったPure heart Michi だ!!試し織りをお送りしたことなど、昨日のように思い出す。
佐藤さん、お気持ち、しっかり受け止めたよ。ありがとう。お互い、がんばろう!

思い出のショール

2014.09.25

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すてきなことがありました。我が家を訪ねてくださった方が、私のショールを巻いてくださってました。それが、すっごくお似合いで、ビックリ、ドキドキしました。
このショールをお求めいただいた時のことはよく覚えています。けっこうビビッドな色使いと柄のこの一枚を選んでくださったことに、ちょっと意外な感じも受けました。というのは、このお方、とても清楚で、フェミニンな方なのです。身につけるものも、おとなしいタイプのものがお好きなのかなと思っていたものですから、、、
これ、私としても、チャレンジの一品なのでした。糸はものすごくいいのを使ってます。入手困難な太目の赤城の節糸なんだよ。染めは、ブラッシングカラーズなのですが、実はブラシ(刷毛)ではなくて、ドロッピングで染めてます。経糸を張って、調合した染料を、ぶんぶん振り回して、夢中でドロッピングしています。ジャクソン・ポロック、憑依してる???
そうやって作った作品で、実はこれ、一枚きり。連作ではないのです。
どうしてるかなって気にしてましたら、目の前に現れて、ものすっごくカッコよく使いこなしてくださっているものですから、舞い上がってしまいました。大事に愛用いただいているのが、ヒシヒシ伝わって来ました。ありがとうございます!
ガーン。しししまった、、、、巻いてくださってる所、写真撮らせていただけばよかった。ヨシダ、一生の不覚、、、
この写真は、カメラマン武藤奈緒美さん撮影です。

作品

もうひとつ新作、Natural Earth

2014.09.22

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もいっちょ、八寸帯できました。こちらは、[Natural Earth](ナチュラルアース)と名付けました。自然の強さを表現しました。
これは昨日アップしたのより、もっと自然派。一見、生成りの無地に見える帯です。存在感のある帯になったと思っています。ほんとはね、生成りじゃないし、無地じゃないよ。
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経糸も緯糸も極うすーく染めてます。絹は、何もしないと黄変と言って、黄ばむ可能性があるので、白を生かす時にも、私は必ず染めてます。どんな白にするかってそこで決める。
緯糸は7種類の糸をまぜて使ってます。単調にならないように。7丁杼を持ち替えながら織ってます。
八寸帯は耳もかわいくしないとね。なんてことないんだけど、なんだかかわいい。
強くて、愛らしい帯になりました。

作品

新作八寸帯、Natural Earth with Blocks

2014.09.21

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八寸帯できました。
名前を、[Natural Earth with Blocks](ナチュラルアースウィズブロックス)と申します。思いきり、自然派です。いわゆる絹らしい、ツルツルピカピカさはまったくありません。その対局です。大地の息吹を感じる帯です。
糸はキビソが中心。染めはすべて草木染めです。
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キビソとは、繭のいちばん外側の固い部分。お蚕さんが我が身を守るために、しっかり固い糸を吐くのです。守ってくれる帯なのです。
染めは、糸の先染めも、ブラッシングカラーズも草木染めです。矢車と栗を使ってます。
全通ですが、飛び飛びに柄が入っているので、うるさくないよ。2枚目の写真が前柄あたり。タレは無地。カッコいい帯です。

作品

スコットランド

2014.09.20

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住民投票の結果、スコットランドのイギリスからの分離独立はなくなった。そっか、、という気持ちで、ニュースを聞いた。
スコットランドは、私にとって、とても大事な国です。21歳〜22歳の2年間、迷い込むようにして住んでいた国。
大学時代、バブルまっただ中の東京で、居場所が見つけれず、かなぐり捨てるようにして、逃げ出した。その行き着いた先。
ホームステイで一緒になった男の子に、どこから来たのかと聞いたら、「リトアニア」と答えた。「リトアニア?ああ、ソビエト連邦ね」って言ったら、「違う違う。ソ連じゃないよ。リトアニアだ。」「ソ連の中のリトアニアってことでしょ?」「違うよ。リトアニアはリトアニアだ。」
そんな風に主張するのに、なんだか、びっくりした。へえーっと思った。その数年後に、本当にソ連が崩壊したとき、心底自分を思い込みを恥じたけど。
パレスチナからの女の子もいた。どこからの来たのという問いには、もちろん「パレスチナ」だ。国の名前では、イスラエルかもしれないけど、そうじゃないのは、当時の私でも感じていた。印象的な民族のスカーフをしていた。
バスクの男の子もいた。この子も、出身地は「バスク」と答えた。「今はスペインってことになってるけど。」
スコットランドに居た頃は、まだベルリンの壁もあったんだ。昔話だねえ、、、、
地図に書かれた境界線は、たまたまそうなったんだってこと。戦争に勝ったとか負けたとか、政治のいろいろで。民族の気持ちが反映されている訳じゃない。民族の気持ちは、勝った負けたでは覆らない。政治が決めた線は、いつもで変わり得るんだって事を、若いくせに頭が固かった無知な私は、教えられた。
写真はスコットランドじゃないよ。うちの近所。また行きたいなーー。

初公開の法隆寺裂をみた

2014.09.16

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昨日の続きです。
新橋から山手線に乗って、上野で降りる。蚊におびえながら公園を抜け、向かうは、東京国立博物館、法隆寺宝物館。ここの2階の奥の部屋は、幡や袈裟の残欠がいつも展示されてて、私的チェックポイントなんだけど、今回、今まで展示されてなかった分が、修理を終え、初お目見えしてたのです!(展示は15日で終了しています)
展示されている布たちは、聖徳太子が亡くなった時に作られたものなど。昭和12年からガラスにはさんで保管してたんだって。修復されたとは言え、1200年前のだもん、ボロボロです。しかし、その鮮やかなこと。イキイキしていること。最高のアートだ。
かなわんわ。最先端を切り拓いてる人たちが作った作品のみが持つ、パワーがある。技法もすごい。ものすごく精緻。糸もそろってるし。金糸もあったよ。びっくり。
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ミュージアムショップの本屋を覗いたら、つい2冊も買っちゃって、金欠に。帰りに中華屋にでも入りたかったのだけど、すごすご帰った。
写真は、法隆寺館。現代アートのギャラリーのよう。

北村武資展、資生堂、ピエール・シャロー

2014.09.15

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先日、北村武資さんのギャラリートークに、銀座もとじさんに伺いました。織りの世界では知らない人は居ない、人間国宝です。
「自分流のものを作るしか道はない。」「織物は、色や模様以前に、織りそのものが大事。」「織の構造美を創造する。」「寂びを入れず、出来るだけ透明のまま織る」などなど、面白く、ズキッとくるお話をたくさんお聞きできました。新しい構造の作品も出品されてて、どんどん開拓されて行くさまに感服。ひれ伏す思い。
思ったのだけど、人間国宝って、伝統文化の継承者ってイメージしちゃうけど、最先端の開拓者であり、チョー売れっ子の作家であり、成功している機屋の経営者なんだ。売れてないと、継承はおろか、開拓もチャレンジもできないし。
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その後、資生堂ギャラリーで開催されていた、「せいのもとで」展を拝見しました。
資生堂の社名は、中国の「易経」の一節「至哉坤元 万物資生」から採ったんだって。「すべてのものは大地の恵みから生まれる」という意味らしいよ。さすが、いい社名だなあ〜。
で、この展示会は、その「万物資生」を表現しているらしい。
志村ふくみさん、洋子さんの、草木染めの糸のインスタレーションもありました。茜で染めた白から赤のグラデーション。うん、染織は「万物資生」だわ。
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それから、汐留ミュージアムへ、「ピエール・シャローとガラスの家」展を観に行きました。ピエール・シャローとは、アールデコ時代の、フランスの建築家です。知らない分野なのだけど、チケットいただいた事もあり、興味津々で足を伸ばしました。
20世紀の初頭の一時期、パッと才能と時代がぶつかって花ひらいた。ドキドキ感があった。高揚する。きっと、寝る間を削って、線を引いたのではないか。
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その後、もう一件いったのだけど、長くなったからまた書きます。写真は、シャローのガラスの家。じゃなくて、東京国立博物館の法隆寺館。

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