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もまさまの帯、方針と対策は分かってきた。目指す風合いは頭に入ってる。経糸を作ってしまおう。細かい話しはそれからだ。
もまさまは、無地もいいけど、それだとちょっと詰まらないかなってずっとおっしゃってた。たぶん、無地っぽいもの、お好きなんだろう。全くの無地ではないけど、無地場が効いてて、その無地場が深みや面白みがあるようにするのが是だな。
では、無地場の深みを出すために、経糸は、出来るだけ、多種多様の糸を使おう。糸の表情を豊かに出そう。それが織りの醍醐味だ。八寸帯だから、ある程度の張りがいる。太さと種類が決まってくる。
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色柄は、ブラッシングカラーズで行きましょうか。もまさまが、すでに一本お求めくださった私の帯は、ブラッシングで、白場が多く、軽快な感じなもの。
これからお作りする二本目は、それとは違った印象にするといいだろう。無地っぽくとなれば、全面にブラシするか?だとすると、ラブ・ロスコシリーズから発展させるか、、、、
などなどなどなど、妄想は続きます。妄想を構想にするのには、実物の糸を触るのが一番。糸棚の中から最適な糸を選り出します。
*写真は近所。散歩の途中。
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もまさまからのご注文で、最大のキモは、添付された二枚の写真のお着物に合う帯であること。これに尽きる。
実物のお着物を観た訳ではないのが怖いようにも思ったが、写真の状態はとてもいい。きれいに撮れた写真だ。色や質感も良く出てるし、写真のままを実物と思ってよさそうだ。
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そこで、私は以前、とあるお客様がお話くださったことを思い出した。その方も、バリバリのビジネスパーソン。第一線で、陣頭指揮をとりつつ、着物ライフも謳歌してらっしゃるすてきな方。
その方曰く、ネットで着物をや帯を買うとき、手持ちのものに合うか否かを見極める方法を発見したと。それは、パソコンに取り込んで、同じ画面に映してみるというもの。
例えば、ネットショップで気になる帯を見つけたとする。そしたら、その帯の写真を抜き出し、モニターに貼付ける。そして、手持ちの着物の写真を撮ってパソコンに取り込み、同時にモニターに貼付ける。その画面上で、合うかどうかを判断する。
撮影は違う条件下だけど、映し出す条件は同じだから、分かるのだと。
この話しを伺って、私は妙に納得した。なるほどー!
多忙を極める方々は、時間の使い方がうまいなあ。人生の楽しみ方も、ダイナミック。
もまさまの帯を作るにあたって、この方法は、最適だと確信した。
*写真はうちの近所。朝。
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しばらくメールが途絶えていたある日、久しぶりに、もまさまからメールが来ました。帯のご注文が確定しました。お問い合わせからご注文への格上げが突然だったので、ビックリ。ある日突然ってのも、もまさまのノリです。
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お望みは以下の3点のみ。
写真添付されている2枚の着物に合うこと。
袷用であること。
茶系であること。
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すっきりされてるなあ。きっとご本人も、すっきり爽やかな方なんだろう。この3点は、メールのやり取りの当初から、イメージ的に、また例え話的に、投げかけられてたキーワード。そうか、焦点はこの3点に絞り込めばいいんだ。
もう少しお伺いすると、八寸をご希望で、無地でもいいのだけど、全くの無地だとつまらなく感じてらっしゃることと、あまり厚手でない方がお好みだと言うことが分かった。
シンプルなご希望だ。シンプルになればなるほど難しいことを、肝に銘ぜよ、私よ。
*写真は那須高原の朝。ってウソぴょーん。うちから歩いて5分のとこ。今朝も寒かったね。
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青空がきれいな空気が冷たい朝、ちょいと銀座までお出かけしてきました。
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まず、「福田喜重の世界展」を拝見しに、銀座もとじさんに伺いました。今日はギャラリートークで、人間国宝、福田喜重先生のお話を直にお聞きできるというありがたい機会でした。
福田喜重先生の作品は、とてもとても美しい正統派の日本刺繍で、ひれ伏したいほど、いいお着物、素晴らしい帯、感服しきりです。
お話の中で心に残ったのは、正倉院御物とクリスマスツリーの意外な共通点でした。両者とも、補色で成り立ってると。そっか、クリスマスは赤と緑だもんね。正倉院の時代も大陸からの文化だから、補色が多いのだとか。それに引き換え、平安以降の日本の文化は、気の文化、水蒸気の文化で、あいまいな色、ぼかしの世界だとか。
なるほどー。福田先生の世界は、水蒸気が立ち上る幽玄な世界を、染めと刺繍で現したものなんだ。まさにその通りだと思った。
「福田喜重の世界」展は、銀座もとじさんにて、12月7日まで。
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それから、「エスプリディオール ディオールの世界」展に行きました。ディオールブランドに興味がある訳ではないのだけど、あちこちで評判だったので、こりゃー観とかなくちゃと思って。
で、一歩入るなり、クラクラしました。今日の午前は晴天で、寒いけど太陽さんさんの元から、いきなり、暗幕に仕切られた別世界に迷い込んでしまったものですから。
心をどこに置いたら分からないまま観て回って、ますますクラクラ。すごいレベルの、すごい量のエネルギーです。うわーー。
その上、急いで帰らなくちゃと思って、サクサク観ようと思ったら、そのエネルギーにあてられて、軽くめまい。地下1階から地上3階までの展示を、階段の手すりにつかまりながら行き来しました。そうしないとへたり込みそうだった。
会場もものすごく美しかった。すみずみまで構築されてる。すごい。これが一流ブランドの力か。
「ディオールの世界」展は、銀座のアップルストアの隣りのビルにて、1月4日まで。入場無料。すごいから、まだの方は観てビックリなさるといいかもよ。
*写真はすべて、ディオール展にて。一番上の写真は、フランスからやって来て、製造の実演されてるところ。なんかね、最後の晩餐を想った。神々しかった。
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もまさまは、遠く、ここから約850kmにお住まいです。ご注文を考えて下さってる方とは、一度お会いするのが一番いいと思いながらも、簡単にじゃあいつお会いしましょうって言う訳には、いきません。
しかし、もまさまはバリバリのキャリアウーマン(私の想像ですが、、)。東京や横浜には、ご出張などで時々いらっしゃってるご様子。その機会に足を伸ばしていただけないかと画策しました。
もまさまも乗り気で、横浜駅や青山方面からの来方をお伝えしたりしました。4月には、一度日にちまで内定したのですが、急なご用事で流れてしまい、、、、
お会いすることはなりませんでしたが、その間のメールの端々で、どんなものをお望みなのか、うっすら分かってきました。
何度か出てきたキーワードがあるのです。「茶系」で「無地に近い感じ」で「手持ちの着物に会う」こと。
もまさまからのメールは相変わらず、簡潔であっさりしたものですが、どこどこでヨシダの作品を観たというのを、印象深く覚えて下さっていて、ご縁を感じるって書いてくださってます。
ありがたいなあ、、、私の織ったものは、数も出来ないし、そんなに出回ってる訳ではないので、その数少ないいくつかの機会に居合わせて下さったのは、やはりご縁があるのでしょう。とてもうれしいです。
*写真はうちの近所。朝日さしこむよそんちのガレージ。もまさまのお望みの茶色はこんな色?はたまた?
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さあ、完全注文制作 ONLY ONLY ストーリー、次なる章のはじまりはじまり〜。
このお方を仮に、もまさまと呼ばせていただきましょう。
もまさまと私の出会いは(リアルもまさまとは、いまだ出会えてませんが、、、)もうずいぶん前の話しになります。ある日、メールボックスに一通のメールが届きました。サイトのお問い合わせ欄から送られてきた、未知の方からのです。
ふむふむ。
なんと、この方、私の帯を以前に求めて下さったと!それが、お手持ちの無地の紬にぴったりとのこと。お気に召していただいてるご様子にとても安堵した。よかったよ〜。
手放した子たちが、元気で愛されて活躍していることを知ることほど、うれしいことはない。特に、もまさまのように、私の知らない所で、縁を結んで下さってた時は格別!!!!「おまえ、たっしゃだったのかい!」
この時のメールは、簡潔な、行き届いた文章で、短いけど印象に残るものだった。いくつかの質問事項にお答えするため、私も、必要にして充分であるよう配慮して、返信をした。
そうしたら、簡潔で的確な返信がすぐに来た。
この簡潔で的確で素早いってのは、もまさまとのお付き合いで、その後ずっと続いた。出来るキャリアウーマンだってことが、ヒシヒシ伝わる。ああ、見習わなくちゃ、、、
*写真はうちの近所。散歩の途中。
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先日のことだけど、山梨のきつつき工房ご夫妻が、出張のついでに寄って下さいました。きつつきさんは、織機や機道具の製造販売や修理改造などされてる頼りになるご夫妻。私は、織機を改造していただいてから、すっかりファンになってしまいました。
今回は、注文している綛あげ機の相談で、寄って下さいました。私が何を欲しているか、どう使って行きたいのかってことを、もっと分かりたいって思って下さったんだと思う。ありがたいなあ〜〜〜。注文制作の鑑!
綛あげ機は、綛の振り幅とか、落としとか、枠周とか、ちょっとしたことで、使い勝手がまったく違ってきます。今までは、織りをはじめた当初、訳も分からずとりあえず買ったのを使ってました。使いにくいなあって思っていたけど、こんなもんだと思ってた。解決に向けての努力の仕方すら、想像できず、、、。(苦労して当たり前と思ってるのがそもそも間違い!)
夏に改造してもらった織機の方もそうでした。20有余年、悩みながら使ってた。もうダメかもって思った時、ふとよぎったのが、風の噂に聞くきつつき工房。ダメ元だ、ぶつかってみるか。(って電話番号は検索しまくって調べました。)
その電話がつながって、丁寧に話しを聞いてもらえて、「じゃあ今度下見に伺います」って言ってもらったとき、ああ、救世主に出会ったって思ったよ。
私の織機、ほんとーーに使いやすくなりました。それから将来に対する不安も消えた。(きつつきさんは私より一世代くらいお若い。)綛あげ機の方も、心から楽しみにしています。
あまりに感動したので、故郷の酒でも取り寄せて一献さし上げようかと思ったけど、お聞きしたら、きつつきご夫妻、飲まない人種だそうです。あらー。飲んだくれの私とは、元からわけが違うのです!(ってブログは飲みながら書くこと多しです。ですから拙ブログは酔っぱらい口調。)
道具を改良して、素材を吟味して、独自のシステムを開発して、もっともっと、チャレンジします。がんばりまーす♡
*写真は、きつつきさんにいただいた白菜と蕪と柿。きつつきさん、いらっしゃるたびに、自然豊かなお土産をくださるのです。野の花をいただいたこともある。山梨の山麓から、ドンとそこそのものを手渡され、とてもうれしい。こっちには絶対ないものなのよ。
白菜、虫がいて、わあ!なつかしい!!って思った。買う野菜には虫、いないもんね。おいしい食料は誰に取ってもおいしい食料。柿もうまみが濃厚でチョーおいしかった。
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私のサイトの、「業界の方へ、プレスの方へ」の下方にある、メディア掲載例のところを更新しました。
先日、婦人画報の11月号に載った分と、ずーっと以前、2008年にクロワッサンに載った分を発掘して、載せました。
このページです!→☆。ぜひ、ご覧になってください。婦人画報とクロワッサンに挟まれた、七緒、モイスティーヌ、美しいキモノ、和樂も読んでいただけるとうれしいです。
2008年とか初期に織った分とか、なつかしいなあ。
あの時だから織れたものってあります。同じ糸は仕入れられないし、染めも同じには出来ません。私自身も変わって行きます。成長してるって信じてるけど、それすら分かりません。
次へ、次へ!もっと、もっと!いいか悪いかは分かりませんが、変わることを恐れず、織り続けて行きたいと思っています。
今後ともどうかよろしくお願いします。
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染織家、山下枝梨子さんの個展「とおまわりよふゆ。」に、伺いました。
会場は新高円寺のギャラリー工さん。扉を開けるとそこには、バーン!とやましたワールドが創造されていました。
ご自分が思う世界を、丁寧に、こつこつと、わくわくとクリエイトされてきたんだなあと思いました。
作り手が作りたいものを作り散らかしたのではなくて、山下さんは、使う人を思って、一越一越、積み上げてこられたのだなあ、、、そこに醸される山下さんらしさが、とてもいとおしくすてきでした。
ご案内状には、「主張が少なく、存在感がうすい。わき役な布たちを揃えました。」とあります。これ読んで、ああ、山下さん、勝負に出たなあって思いました。自分の世界をしっかりと確立させた。すばらしいです。やり切ってるし。
しかし、存在感はあると思ったなあ、、、。主張もあるよ!しょっちゅう使いたくなるいい布でした。
やましたの布きれ展「とおまわりよふゆ。」は、新高円寺の GALLERY 工 さんにて、11月28日金曜日まで。山下さんのブログはこちら→☆
*写真は、この展示会のご案内状。うちのドアに貼ってます。
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さあ、いよいよ、講習会がやってきました。土屋先生の元にいざ!
藤沢の駅からバスに乗って、スマホを頼りに行き着いたとたん、うっわーーーっ、この工房、完璧!
広さとか、動線とか、道具の配置とか、光の具合とか、水回りとか、熱源とか、電源とか、完全無欠!神経が行き渡ってる、、、、すっごいなあ、、、出来る作家の仕事場って感じがバリバリしました。大切に作り上げてこられたんだなあとも思いました。愛があふれてる♡ここに入れていただけただけでも、参加したかいがあるってもんです。
土屋先生は、にこやかに優しく受け入れてくださったけど、、、実は、めちゃくちゃ大変でボロボロになりました。
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一言で言えば、自分の出来なさ具合に凹みまくりました。いろいろデザイン的なことなど考えてきたこと、ぶっ飛びました。だって、カッターが使えない。シャが張れない。次が読めない。糊をこねれば、ふちを汚すし。均等にぬれないし。地白と地染まりの違いもピンとこないし。
あたふたあたふたしっぱなし。ペースがつかめなく、頭がいっぱいで何も入ってきません。ああ、、、
型染めは初めての経験とはいえ、テキスタイルという大きなくくりでは、ずっと携わってきているものだから、私、もうちょっと出来ると思っていた。大いなる間違いだったぜ。凹みまくり。
それに疲れた。体力なしを反省した。一日中織ってるのは出来ても、染めてるのは出来ないんだ。出来なきゃダメじゃんね。
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講習会の受講者は二人で、もうお一人がツバキの模様の暖簾を作られた。型彫りしているとき、土屋先生が、「花を彫る時は花の気持ちで、葉っぱを掘る時は葉っぱの気持ちで」って指導してらっしゃるのが心に残った。そっかー。大事なのはそこだよね。私も隣りで、雪のひとひらの、可憐さを思いながら彫った。余裕ないながら。
染めたものの写真は載せないよー。ここには作品レベルまで達しなかったものは、載せないです。
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この度は、土屋先生に大変お世話になりました。本当にどうもありがとうございました。型染めに限らず、染め全般について、いろいろと不思議に思っていたことや分からなかったこと、教えていただきました。染めは化学や物理が分かってないと(化学反応をおこして、染料と繊維を物理的にくっつける)、どうしてものみこめないない所があるのだけど、今回、突破口をあけていただきました。あとは実践あるのみ!!!!
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*写真は上4枚が土屋工房。本当にきれい。自作も多いとのこと。さすがです。見習わなければ。最後の写真が、涙なしには語れない、私が彫った型紙。