吉田美保子の some ori ノート

北村武資展、資生堂、ピエール・シャロー

2014.09.15

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先日、北村武資さんのギャラリートークに、銀座もとじさんに伺いました。織りの世界では知らない人は居ない、人間国宝です。
「自分流のものを作るしか道はない。」「織物は、色や模様以前に、織りそのものが大事。」「織の構造美を創造する。」「寂びを入れず、出来るだけ透明のまま織る」などなど、面白く、ズキッとくるお話をたくさんお聞きできました。新しい構造の作品も出品されてて、どんどん開拓されて行くさまに感服。ひれ伏す思い。
思ったのだけど、人間国宝って、伝統文化の継承者ってイメージしちゃうけど、最先端の開拓者であり、チョー売れっ子の作家であり、成功している機屋の経営者なんだ。売れてないと、継承はおろか、開拓もチャレンジもできないし。
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その後、資生堂ギャラリーで開催されていた、「せいのもとで」展を拝見しました。
資生堂の社名は、中国の「易経」の一節「至哉坤元 万物資生」から採ったんだって。「すべてのものは大地の恵みから生まれる」という意味らしいよ。さすが、いい社名だなあ〜。
で、この展示会は、その「万物資生」を表現しているらしい。
志村ふくみさん、洋子さんの、草木染めの糸のインスタレーションもありました。茜で染めた白から赤のグラデーション。うん、染織は「万物資生」だわ。
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それから、汐留ミュージアムへ、「ピエール・シャローとガラスの家」展を観に行きました。ピエール・シャローとは、アールデコ時代の、フランスの建築家です。知らない分野なのだけど、チケットいただいた事もあり、興味津々で足を伸ばしました。
20世紀の初頭の一時期、パッと才能と時代がぶつかって花ひらいた。ドキドキ感があった。高揚する。きっと、寝る間を削って、線を引いたのではないか。
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その後、もう一件いったのだけど、長くなったからまた書きます。写真は、シャローのガラスの家。じゃなくて、東京国立博物館の法隆寺館。

草野満代さん、9/22、29 オンエア!

2014.09.12

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うっわーー!草野満代さん、締めて下さってる!!動画になると、やっぱ感激ひとしおです。
ここで見られます→ (スクリーンショット、拝借しました)
本放送の予告編なので、はじめと終わりにちょこっと映るだけなのだけど、ぜひ見て下さい。
本放送は、少し先だけど、ぜひご覧下さいね。2週続けてのこの帯締めて、登場して下さいます。
BS-TBS「謎解き!江戸のススメ」9月22日と9月29日 午後10時より
それから、拙作品ギャラリーも更新しました。まだお納めする前の、この帯、載せました。あ、タイトル、お披露目してなかったね。
「Sun Kissed Green (サンキストグリーン)」って名付けました。太陽が緑たちにキスするの。
よかったら、こちらもぜひご覧下さい。→

草野満代さん、うしろ姿とメッセージ

2014.09.09

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こちら、草野満代さんのうしろ姿です。おタイコもわざわざ写して送って下さいました。テレビのオンエアでは、後ろ姿は写らないからと言うことで。お優しいなあ、、、うるうる。
メッセージもいただきました。以下に抜粋、、、
「こんなふうに、作家さんに自分のイメージや思いを伝え、形にしていただく機会は初めてで、それゆえ、なおのこと、いとおしく感じます。」
草野満代さん、どうもありがとうございます。
2回目にお会いした時、帯のONLY ONLY でのご注文が確定し、ご希望をお聞きした。とてもはっきりした方向性のものだった。それで、私はとにかく試し織りを作った。それを3回目にお会いした時観ていただいた。方向性は少々ずれてて、つかみきれてなかった。すり合ってなかった部分を洗い出し、考え直す。聞き逃しや漏れがないよう必死だった。(この時、超絶美味しい和食のランチをごちそうになってたんですけど!)
草野さんは、その後は任せるとおっしゃって下さった。
そうやって作ったもの、いとおしいって仰って下さって、うれしいし、それを作った時間は、私にとっても、とてもいとおしいものでした。
草野満代さんが、この帯を締めて、オンエアされるのは、以下の通りです。ぜひ観てください。
BS-TBS「謎解き、江戸のススメ」9月22日と9月29日 午後10時より

次なるONLY ONLYは、なななんと!!!

2014.09.08

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草野満代さんです! びっくり!!
ONLY ONLY で帯を織らせていただき、うれしすぎて腰を抜かすほどでした。
ありがたいことに、その帯を締めて番組の収録に臨まれたとメールいただきました。
お写真も貼付してくださり、載せてもいいと、、、、、
ありがたいなあ、お優しいなあ、、、ありがとうございます。
ご存知のとおり、草野さんは元NHKアナウンサー。今はフリーで活躍されてます。お着物姿で出演されることもしばしばで、スタイリストさんが用意する衣装でなくて、自前のお着物のことも多いらしいです。
そもそものご縁は、草野さんとも懇意の友人がチャンスを作ってくれました。帯をお作りするのに、3回お会いできました。一度なんか我が家までお越しくださったんですよ!!!

花ト囮

2014.09.07

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ダンスを観てきました。DAZZLE ってダンスカンパニーの「花ト囮」(はなとおとり)です。とても怖くておどろおどろしく面白かった。
その圧倒的なダンスに、もっと近くで観たい、もっと小さな劇場だったらよかったのにと思いました。アングラっぽい所でも良かっただろうな、、、、、、会場は、東京国際フォーラムのホールCでした。
が、音響とか照明もすばらしかったので、それが理由でのこの会場だったのか、などとも思いました。こんだけ完成度高いと、会場も選ぶんだろうな。
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実は私、ダンス、まったく縁がなく、今回チケットいただいたのです。うわーい、チョーラッキー!予備知識がなくて、すごいもの観るの、何よりありがたい。非日常にいきなり連れて来られた感じ。道中のそぼ降る雨がまた良かった。
写真は帰り道。

森田空美先生!

2014.09.04

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大感激な出来事がありました。なんと、あの森田空美先生に一対一でお会いして、作品を観ていただき、アドバイスをいただくという光栄に浴して参りました。
今の着物界をリードと言うか、、、、大転換させた方ですので、雲の上の方だと思っています。いやーー緊張したよ!
ずっと帯の風合いに付いて悩んでました。締めやすく、美しく。ブレイクスルーめざして、七転八倒してました。暗中模索で、もうこれ以上は堂々巡りかと落ち込んでた頃に、ご縁があり、森田先生につないでいただきました。
青山のオフィスは、ドアを入ると、そこは異空間。キリッと整い、空気が違う。先生はにこやかでお優しく、丁寧で、着物に対する深い愛と責任をもたれた方でした。
参りました。見ていただいた拙作、自信作がそうでもなかったり、イマイチかと思ってたのほめられたり、目から鱗のご意見いただいたり、、、
糸に対する執着も、湯のしに対するこだわりも足りないな、私。結構しつこい方だと思っていたけど、それは自己判断だった。基準が低いよ。もっともっと上げねばだ。
色やデザインへのセンスをほめられたのは、うれしかった。お見せした九寸帯、「あら、もう少し前に拝見してたら撮影に使わせてもらったのに、、」とおっしゃられたのは、にんまりした。
森田空美先生、本当にどうもありがとうございました。お話いただいとことを、しっかり布に反映させます。
写真はたまたま見かけたポスターをパチリ。ちょっと森田先生の世界観ぽいと思った。トーキョーワンダーサイトってところの。カッコいいよね。

熊本ゆかり便り9月号に載った!

2014.09.02

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熊本のすてきな呉服屋さん、和の國さんのブログに、月に一回掲載される「熊本ゆかり便り」の最新号が、アップされました!
今月はなんと、私が登場しております。写真が2枚も。きゃ、お恥ずかしい。
こちらです。写真はともかく、いい文章。
この欄は、着物ライターの安達絵里子さんによる執筆です。さすが、着物愛に満ちる文章のプロ、すーっと読ませます。
上に載せた写真は、熊本ゆかり便りに載せていただいたものを、トリミングしました。なんだか、なで肩よね、私。まあ、こんなだったかしらん???もしかして、修正していただいてるかも、、、、肩を削るなんて出来るのかな???
これね、写真館で撮ったのですよ。家族で記念撮影しまして、ついでに一人のも撮ってもらいました。
写真館で写真を撮るなんて、妹が七五三の時以来かも。ええっと、、、37年ぶり???37年前、娘たちみんな初めてのパーマをかけました。みーんな、へんてこりんになりまして、写真館で写真を撮るってのは、へんてこりんな恰好をすることかって刷り込まれました。今回、すてきに撮っていただいて、くすぐったい気分です。

お知らせ

ピエト。開発中

2014.09.01

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これは、九寸名古屋帯、ピエトです。ピエト・モンドリアンに感化され、作りました。
モンドリアンの作品の持つ、インパクト、やっぱすごいです。静かだけど、弾けそう。きれいだけど、デジタルじゃないのよ。手でひとつずつ、手応えを感じながら描いてる。そこのところ、一番インスパイアされた。
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かわいい帯になりました。お若い方から、おばあちゃままで、気軽に締めていただける帯になったかなあと思っています。
最善を尽くした愛しい作品です。ですが、改良すべき点がすでに見えております。またどんどん作ります。エンドレスです。

作品

新作帯、ルイーズ

2014.08.31

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新作九寸名古屋帯、アップします。名前は「ルイーズ」。すっきりシンプルを狙いました。軽快な感じ。ちょうどこれからの季節に締めていただくのに、最適な帯では?
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この帯の名前は、ルイーズ・ブルジョアからもらいました。ルイーズ・ブルジョアってもう死んじゃったけど、すごく好きな、尊敬するアーティストです。日本で一番有名なのは、六本木ヒルズにある蜘蛛の立体かな。
ルイーズは、テキスタイル作品も作っているのです。自由に切り貼りしたりして、独自のチェックを作り出してる。それに感化されて作りました。
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シンプルだけど、緯糸の要所要所に、銀糸や、濃い藍色や、薄い空色の、撚りが甘い絹糸が入り、キラッと感を添えてます。これは、ルイーズじゃなくて、ヨシダの感覚。帯としての遊び心です。目立たないけど、目立つという憎いヤツよん。むふっ。

作品

被せ綿、お納め

2014.08.29

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ずっと取り組んでいた菊の被せ綿の染めですが、黄色も染まりました!福木に茜を少々まぜて染めまして、その上に、酸性染料で補強しています。福々しくと思ったので、福木を使いましたが、めざす色は鬱金(ウコン)色です。
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ほら!赤と黄色がそろいました。重陽のお節句に使うものなので、思い切り濃く染めています。赤は緋毛氈(ひもうせん)とか陣羽織とか、ああいう意味ある真っ赤をめざしました。昔から特別に尊ばれている色なんだなあと思いました。
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これらを抱えて、お納めもしてきましたよ。遠州流のお茶のお家元さまです。飯田橋の駅を降りて地図通りに伺ったけど、なんだか江戸をすぐそこに感じたよ。別世界に迷い込んだような感じだった。
この絵は、先代さまがお描きになった被せ綿を被せた菊。うわー。なるほどなあ。昔からこうやって、菊にこの被せ綿をして、長寿を願って、差し上げたりしたそうです。
ものすごくおいしいお抹茶もいただきました。無作法なのに、ひゃー、どうしましょう。
すばらしい体験をさせていただきました。昔からの行事の一端を担えたとしたら、大変光栄です。

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