吉田美保子の some ori ノート

織ってます。動画もあるよ。

2014.06.06

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くりさまの着尺、織ってます。淡々とした中に、驚きと反省が繰り返しやってくる。落ち込んだり、舞い上がったり、飽きないなあ。野趣味で素朴な布、朴訥とした色気を感じる布です。
動画も撮ったよ。1分くらい。よかったら見て下さい。これ、一日中やってます。
今回のくりさまの着尺は、一日3尺くらいのペースで織ってます。羽尺の方がもうちょっと早かったな。密度の違いかな。


I have been weaving Kuri’s Kimono. I am working with this all day long. Please watch the video on the you-tube.

ルーペで覗く

2014.06.05

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くりさまの着尺、要所要所で、ルーペで確認しながら織っています。
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ルーペは2種類使ってまして、こちらは小さい方。トップの写真は大きい方です。
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焦点を合わせると、こんな感じ。
小さい方は、一辺が2分なのです。2分メガネとも呼ばれます。2分に何本の緯糸が入ったかを数えて、計画通りか確認しながら進みます。
ありゃ、ちょっとゆがんでますね。糸目に合わせて置かなきゃね。
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こちらは大きい方。

織ってます。

2014.06.04

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くりさまの経糸、こんな感じ。毛羽が多いのよね。これがふんわり弾力のある、柔らかな布になる秘密なのだけど、織るのは大変。目がまわる〜。
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布の表情は、なんと言うか、静かでおおらかな大地のよう。
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真綿紬はマットな絹糸なのだけど、こうして見ると、光沢があるなあ。抑えた中に輝きがある、これが絹の力かな。
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これは、端に出た緯糸を、いちいち切ってるところ。緯糸は12種類。メイン以外は、例えば、一寸に一本とかの出番なのです。飛んだ分は、切るのです。

緯糸の準備

2014.06.03

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さあ、着尺の緯糸が決まりました。巻きます、巻きます。
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栗染めの鉄媒染がメインで、濃さを変えたのを数種。真綿紬糸がメイン。座繰り糸もほんの少々。5.5匁と6.5匁を用意。5.5の方がメインね。こっそり、柿の実を思わせる赤っぽい色を隠し色として使います。緑もちょっぴり使います。無地に見えて、よくよく見ると、深く、豊かで、果てしない、布を織りたい。
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同時にしっかり計算を入れます。準備した糸の量と、入れていく割合の折り合いを付けるのです。自由に織りたいのだけど、自由なだけではいけない。しっかり計算を入れることで、バランスのよい布になると思う。

いよいよ着尺。

2014.06.02

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羽尺が仕上がりました。念入りに検反します。ためつすがめつ。湯のしがまだだから、完全には分からない。反省しつつ、いいところもしっかり見つける。
着尺では、もうひと目、筬目をつめてもいいかもしれない。羽織と違って、体重が掛かるから。身頃だけでいいんだけど。では袖を同じ筬で織っちゃって、身頃と衿衽は58羽にすると、ちょうどいいか?
すでに試し織りはくりさまもご覧になって気に入っていただけてる。緯糸の染めは、試しと同じでいいかな?いや、羽織とのコントラストを出すために少々白っぽくするか????
その旨、くりさまにご相談すると、一拍おいて、白っぽくはしないで欲しいとのお返事が。その理由は、この着物をお召しになることになるご主人が、お食事中などに汚しても、目立たないから安心だと。
なんだかほほ笑ましいなあ〜。愛があるなあ〜。うらやましい。
着てて、緊張しないってのも、大事です。楽に長く、お召しくださいね。
写真は着尺の緯糸を染めてます。同じタンクで、細目と、ちょっと太目の真綿紬糸も一緒に染めてます。ふっくらしたいい糸よ。

仕上げていきます

2014.05.31

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くりさまの羽尺、軽く検反しまして(最終検反は、最後にします)、湯通しです。私は、バスタブを使います。お風呂に、ぬるま湯をためまして、布をいちどきに放ちます。布ははじめは、もじもじと、はじらいと抵抗で、なかなか進水しませんが、ちょっとの時間で、すっかり水になじみます。その瞬間、クリは魚に変身します!私は、何回も何回も繰ってやって、彼が気持ちよくのびのびとスウィムをするのを助けます。
糊や汚れや、落ちきれなかった染料や媒染材も、すっかり落とし、丸裸になります。あー、さっぱりした。
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そして、伸子で張ります。
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その最中は、我が家は、いっぱいいっぱい、他に何もできません。
I give freedom to swim Kuri in bathtub. Kuri is free from covering now.
Kuri is so sexy.
Then, Kuri finish bathing and spread by streacher long in my room.

羽尺、織り終わった!

2014.05.30

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くりさまの羽尺、織り終わりました!まだまだひとつ目の区切りですが、ちょっとホッとしています。
織りづらくて、苦戦もしましたが、使いたかった糸を使って、栗を中心とする草木染めで、布を織れたことはとてもうれしくありがたいことです。織りたい布を踏んばって織るって力はついたか、、、。(力と言うか意地だね。貪欲さか。)
ああやればよかった、こうすればもっとよかったってのは、実はあるんです。反省点は山のようです。
一方、よかった〜、最高だよって思う点もあるし(笑)。
実はまだ分かんないんだよね。これから仕上げると変身するし、仕立てまでいけば、またまた大変身です。楽しみです。
くりさまのダンナさまに似合いそうってことと、愛おしい布だなあってのだけは言えるかな。
さあさ、羽尺、仕上げて行きましょう。

平山ふさえさん、下地康子さん

2014.05.29

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染織家の平山ふさえさんと、下地康子さんが、我が家を訪ねて下さった。平山さんは、芭蕉布の聖地、沖縄本島の喜如嘉在住の作家さんです。下地さんは、関東在住ですが、ご出身は沖縄。
我が家に沖縄の風が吹きました。暑くなりましたし、沖縄からの風、心地よかったです。
三人で、アツく染織を語りました。いやはや〜。
織りを専業で続けていくことの大変さは暗黙の了解なのですが、お二人ともそれを自然に引き受けてらっしゃると言うか、、、覚悟と心意気を感じました。
すてきな作り手仲間です。お互い、がんばろう!
平山ふさえさんのブログはこちら。ぬぬぬパナパナ展に出展されてます。東京展は終わってしまいましたが、大阪はこれから。行ける方、ぜひ。
下地康子さんのサイトはこちら。国展で展示されてましたが、会期終了。あー、観に行きたかったなあ〜。
写真は天野志穂実さん撮影。このライトの下で、おおいに語り合いました。お酒も少々飲み過ぎました。

織りとコーヒー

2014.05.27

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くりさまのダンナさまの羽尺、ずいぶんと織り進んできました。表情が豊かな布なので、織っていて飽きません。経糸と緯糸がぶつかって、つぎつぎ現れる表情に、うわーうわーと驚きつつ、愛でつつ、織ってます。
でもものすっごく織り難いです。糸に風情があり過ぎです(笑)。
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うちの近くに、ぜにさわさんという、超高級コーヒー豆屋さんがあって、そこではマスターが、いろいろ解説しながら試飲させて下さるのですが、あるとき、正しい入れ方を聞いた私に、マスターがこう教えてくださいました。
「うちのようなレベルの豆はどうやっていれてもおいしいです。」
フィルターとか、湯の温度とか、挽くときの荒さとか、そういうことは些細なことだ。豆なんだと。豆に力があれば、どうやったっておいしいんだよと。
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そっかーーー。それは織りも同じかも。糸に力があれば、いい織物になるもんね。好き嫌いはあるけど、うっっわーー!いい布〜〜〜って風にはなる。

道具自慢

2014.05.26

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くりさまの羽尺、織り進んでます。今日は、ちょっと道具自慢。機張りといいますか、、伸子と言う人もいるけど、写真に写ってる布を張る道具、いいでしょーー!今回、デビューさせたのです。
これは、尊敬する染織家の影山秀雄さんの制作のものです。煤竹と皮のバンドで出来ていて、金具は使ってないのです。しなり具合が優しくて、布を無理やり広げてる感が皆無です。取り付けられている針が、布を差すのも絶妙な角度で、布に負担が少なく感じる。織りを知り尽くしている人が作った織道具。
んでもって、美しい。美しいものに囲まれて、美しいものを作りたい。
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実は、この機張り、織ってるときは見えません。実際は、この写真のように布の裏につけています。この方が私の好み。布の表情を見ながら織りたいから。上の写真は自慢のためにわざわざ撮ったヤラセです。
一寸くらい織ったら、その都度付けかえます。その感触にうふふふーってしながらね。

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