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私の単衣をつくるのに、山本きもの工房の山本さんには、とーってもお世話になりました。全身自作の夢をかなえて下さいました。
実はお襦袢もつくりましたのよ、おほほ。こちらは裁断済みの白生地の状態で送っていただいて、うすーい緑に自分で染めた。日本語でいうとひわ色かな?ミントグリーンにちょっと黄色を溶かしたような色。透き通った羽衣系の布になった。
着物の裏につける居敷宛てなども、裁断済みを自分で染めた。こちらは薄めの菜の花色というか、カナリーイエローというか。かわいい色になりました。
帯もね、手元にあった一本をおろしたのだけど(こちらは、1丈5尺と長過ぎ。切ればよかったのだけど、どこを出すかを自分で決めていいものやらと思い悩み、切れずにいた。)(自分のものにすると決めてから、人が変わったようにバシバシ決めてった。あはは)、「タイコの幅はこの縞からこの縞までの八寸で」「前帯はそれに限らず」「タレ先はこのポイント」「長さは私サイズで切って下さい」と指定して、思い通りの帯にしてもらった。
いやーー、仕立師さんって本当にすごいね!山本さんと話してて、実感しました。
着物の反物の長さが足りないの、単に形にしてくれただけじゃないんだよ。着物としてカッコいいの。格子のリズムも抜群なのだ。縫い方も必要に応じて変えてあって、力が掛かるお尻あたりの背縫いは鬼のように細かいのだ。
今回しみじみ思ったのだけど、仕立師さんと組んで助けてもらうことで、織り手はもっと自由に羽ばたけるのではないか。仕立師さんのすごさを知ってれば、「ねばならない」の強迫観念に押しつぶされそうになることから、ちょっとだけ解き放たれるんじゃないか。もしかしたら、織ること自体にもっともっと集中して、愛撫するように織れるんじゃないか。
山本きもの工房さんのサイトはこちら→☆
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この春の私的一大イベントは、清水の舞台からダイブして、単衣の着物を誂えたことでした。やったーー!
頼もうって決めた時から、いろいろあって、仕立て上がって、何回か着るまで、ずーっとドキドキしてました。やっとやっと落ち着いてきましたので、ここにも書きますね。
長年、単衣の時期に自作を着ていないことを残念に思っていたのですが、やっと思い切りました。といっても、自分用に織れる訳ではありません。手持ちの自作反物の中から、売れないかもなってのをおろすのです。実は長さが足りない反物を作ってしまってたのでそれが候補。本来3丈3尺なければならない反物が、2丈8尺7寸6分しかありません。
糸とか染めはすっごくいいの。国産座繰りの無撚り糸や、石垣島産の手引き糸など使ってます。
これ、着物になるだろうか?
横浜の、山本きもの工房の山本さんにおそるおそる相談してみると、大丈夫だよ、と!下前の衿と衽に別布を入れこむことで、見た目は全く遜色ない着物になるとのこと。すごい!山本さん!
別布も、自作布。以前織った単衣にも抜群の着物の余り分を使っていただくことに。
それで、いろいろ相談させてもらって、襦袢と着物の裏地(居敷宛てと衿裏、袖口のすべり)の布も、自分で染めることに。
ひゃー、自分のことなので、一回で書ききろうって思ってましたが、長くなりそうなので、今日はここまでです。続き、もちょっと、書かせてね。
今回、着物を誂える側の気持ち、よーーく分かりました。その気持ちに添えるように、私もがんばります。
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くりさまの着尺、緯糸はこんな感じです。それぞれに愛おしい糸たち。表情ゆたかで、キャラだちしているのだけど、けっこう謙虚で、分をわきまえ、出番をじっと待っている。ここぞと言うとき、大活躍。
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ほれぼれ〜。
こいつらをどう生かすかという責任重大さ、受けて立たねば。糸はすごいんだぞって伝えたい。
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くりさまの着尺、織ってます。淡々とした中に、驚きと反省が繰り返しやってくる。落ち込んだり、舞い上がったり、飽きないなあ。野趣味で素朴な布、朴訥とした色気を感じる布です。
動画も撮ったよ。1分くらい。よかったら見て下さい。これ、一日中やってます。
今回のくりさまの着尺は、一日3尺くらいのペースで織ってます。羽尺の方がもうちょっと早かったな。密度の違いかな。
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くりさまの着尺、要所要所で、ルーペで確認しながら織っています。
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ルーペは2種類使ってまして、こちらは小さい方。トップの写真は大きい方です。
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焦点を合わせると、こんな感じ。
小さい方は、一辺が2分なのです。2分メガネとも呼ばれます。2分に何本の緯糸が入ったかを数えて、計画通りか確認しながら進みます。
ありゃ、ちょっとゆがんでますね。糸目に合わせて置かなきゃね。
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こちらは大きい方。
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くりさまの経糸、こんな感じ。毛羽が多いのよね。これがふんわり弾力のある、柔らかな布になる秘密なのだけど、織るのは大変。目がまわる〜。
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布の表情は、なんと言うか、静かでおおらかな大地のよう。
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真綿紬はマットな絹糸なのだけど、こうして見ると、光沢があるなあ。抑えた中に輝きがある、これが絹の力かな。
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これは、端に出た緯糸を、いちいち切ってるところ。緯糸は12種類。メイン以外は、例えば、一寸に一本とかの出番なのです。飛んだ分は、切るのです。
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さあ、着尺の緯糸が決まりました。巻きます、巻きます。
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栗染めの鉄媒染がメインで、濃さを変えたのを数種。真綿紬糸がメイン。座繰り糸もほんの少々。5.5匁と6.5匁を用意。5.5の方がメインね。こっそり、柿の実を思わせる赤っぽい色を隠し色として使います。緑もちょっぴり使います。無地に見えて、よくよく見ると、深く、豊かで、果てしない、布を織りたい。
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同時にしっかり計算を入れます。準備した糸の量と、入れていく割合の折り合いを付けるのです。自由に織りたいのだけど、自由なだけではいけない。しっかり計算を入れることで、バランスのよい布になると思う。
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羽尺が仕上がりました。念入りに検反します。ためつすがめつ。湯のしがまだだから、完全には分からない。反省しつつ、いいところもしっかり見つける。
着尺では、もうひと目、筬目をつめてもいいかもしれない。羽織と違って、体重が掛かるから。身頃だけでいいんだけど。では袖を同じ筬で織っちゃって、身頃と衿衽は58羽にすると、ちょうどいいか?
すでに試し織りはくりさまもご覧になって気に入っていただけてる。緯糸の染めは、試しと同じでいいかな?いや、羽織とのコントラストを出すために少々白っぽくするか????
その旨、くりさまにご相談すると、一拍おいて、白っぽくはしないで欲しいとのお返事が。その理由は、この着物をお召しになることになるご主人が、お食事中などに汚しても、目立たないから安心だと。
なんだかほほ笑ましいなあ〜。愛があるなあ〜。うらやましい。
着てて、緊張しないってのも、大事です。楽に長く、お召しくださいね。
写真は着尺の緯糸を染めてます。同じタンクで、細目と、ちょっと太目の真綿紬糸も一緒に染めてます。ふっくらしたいい糸よ。
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くりさまの羽尺、軽く検反しまして(最終検反は、最後にします)、湯通しです。私は、バスタブを使います。お風呂に、ぬるま湯をためまして、布をいちどきに放ちます。布ははじめは、もじもじと、はじらいと抵抗で、なかなか進水しませんが、ちょっとの時間で、すっかり水になじみます。その瞬間、クリは魚に変身します!私は、何回も何回も繰ってやって、彼が気持ちよくのびのびとスウィムをするのを助けます。
糊や汚れや、落ちきれなかった染料や媒染材も、すっかり落とし、丸裸になります。あー、さっぱりした。
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そして、伸子で張ります。
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その最中は、我が家は、いっぱいいっぱい、他に何もできません。
I give freedom to swim Kuri in bathtub. Kuri is free from covering now.
Kuri is so sexy.
Then, Kuri finish bathing and spread by streacher long in my room.
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くりさまの羽尺、織り終わりました!まだまだひとつ目の区切りですが、ちょっとホッとしています。
織りづらくて、苦戦もしましたが、使いたかった糸を使って、栗を中心とする草木染めで、布を織れたことはとてもうれしくありがたいことです。織りたい布を踏んばって織るって力はついたか、、、。(力と言うか意地だね。貪欲さか。)
ああやればよかった、こうすればもっとよかったってのは、実はあるんです。反省点は山のようです。
一方、よかった〜、最高だよって思う点もあるし(笑)。
実はまだ分かんないんだよね。これから仕上げると変身するし、仕立てまでいけば、またまた大変身です。楽しみです。
くりさまのダンナさまに似合いそうってことと、愛おしい布だなあってのだけは言えるかな。
さあさ、羽尺、仕上げて行きましょう。