吉田美保子の some ori ノート

千切り巻き

2014.05.05

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整経が終わったら、今度は、千切り(チキリ)(またはオマキともいいますね)に巻きます。渾身の力を込めて、気合いを入れて、えいやっと巻きます。
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はさんでいってるのは、機草(はたくさ)と呼ばれる紙です。がちっと巻くのに必要です。糸が食い込まないようにもするし、ただの紙だけど、なくてはならないすごいヤツなんです。
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この写真の方が分かりやすいですね。
昨日の拙ブログを見た、くりさまからメールいただく。昨日の一番したの写真、萌え萌えだったそうです。やったー!テクスチャー好き、織り好きには、たまらんいい感じになってると思ってる。

整経します

2014.05.04

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準備周到、さあ、整経です。息を詰めて、集中して、一気に行きます。
整経で一番大事なのは、綾を取ること。写真に写ってる、太い白い糸で取っていますよ。私は、端っこから順々に取るんじゃなくて、ひとつおきとか、ふたつおきとか、リズムを決めて取ることにしてる。そうすると、りきみや緊張も分散される。
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糸は、木枠から一度上に行って、梨地の「のの字」のヒートンを通して、整経機に持ってきます。写真は糸がはじめて束になるところ。これが一回分。44本。
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道具は美しいのです。素材も最高に美しい。ほれぼれ。
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はい、整経できました。真綿系の糸がほとんどだから、ふっくらふかふかしてます。その分毛羽立って織り難いのですけど、布味は最高になるはず。くりさまがお好きなタイプと思ってる。

整経準備

2014.05.03

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さあさ、くりさま、整経のための準備です。念入りに、念入りに。写真の奥、床に紙がありますけど、それに全ての計画が書いてあります。それをいちいちチェックしながら、進めていくのです。
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木枠を並べる。下に布を敷いてるけど、こうすると、糸が垂れても枠の足が糸をかまないのです。お皿にも布を敷いてるよ。
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今回、一部、木枠を二段重ねにしました。そこだけ、二本取りの経糸になります。いわゆる杢糸(もくいと)ですね。(二種類以上の糸を絡み合わせ作る糸を杢糸と言います)表情豊かな布の仕掛けのひとつです。

染織吉田、11周年です!大感謝です!

2014.05.01

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本日5月1日、労働者の日、染織吉田は、独立11周年を迎えさせていただきました。これも支えて下さる、あなたさまのおかげです。本当にいつも、どうもありがとうございます。
好きなことを仕事にしていることの、ありがたさと大変さは、日々、感じておりますが、私はやっぱり織りを仕事にしてよかったなあと思うのです。全ての軸を織りに合わせられのですから!
今取り組んでいるくりさまのお着物だって、仕事でなかったら、織らなかったかもしれません。しかし、取り組んでみて、ものすっごく面白く、夢中です。織りって面白いわ〜って感嘆しながら進めてます。それが仕事になるのですから、ありがたいったらありゃしません。(しかし、体はボロボロね。)
いつもいつも、おかげさまです。感謝、感謝。
去年の10周年は、節目でしたので、騒ぎ立てましたが、今年は特別なことは何もなく、ただ普通に仕事してます。普通が一番かなー。
これからも、いいもの、織ります。どうか今後ともよろしくお願い申し上げます。
写真は我が家の某所。天野志穂実さん撮影。

巻き、本番。

2014.04.30

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くりさまの経糸、バンバン巻きます。この頃になると、我が家は木枠で占領されます。足の踏み場もありません。
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無造作に巻いていると思ってる?ちゃんと計って巻いてますのよ。整経長は33mで、木枠は44枠の予定。余裕をもって、一枠1000mを巻いていきます。
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巻きます、巻きます。
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ふぅ。
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ふぅぅぅ。
木枠に付せんを貼っているのは、似ているけど違う太さや作りの糸を多用しているので、同じ種類の糸が並ばないよう、見分けるためです。うまく散らして、表情豊かな、くりさまのご主人のお着物、目指します。

染め、まだまだー

2014.04.29

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くりさまの経糸、巻きをはじめましたが、まだまだ染めます。どういう表情を目指すのか、染めながら、巻きながら考えるタイプです。
これはアルミ媒染。明るく健全な感じがするんよね。今回はちょっとだけ混ぜたいのだ。動きが出るから。
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こちらは銅媒染。青い液なのだ。緑青の色と言うか、、、、今回、これはたくさん使う。緑っぽさを内包させたい。
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これは鉄媒染。アルミ媒染や銅媒染の後に、もう一度クリで染めて、その後に掛けます。その後、またクリで染める。
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染めがオッケーになったら、糊をつけます。今回は、ふのりとしょうふを混ぜています。真綿系の糸を経に使うので、糊はしっかり強めに付ける。そうじゃないと、毛羽だって織れないのだよー。ってこれだけ付けても不安です。

糸巻き

2014.04.28

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くりさまの経糸、ずいぶん進んできました。決定した分から、糊をつけ、木枠に巻いちゃいましょう。様子見たいしね。そうだ、一部の経糸は二本取りで行こうか。たくさんの糸をふんだんに使って、フラットな立体造形を目指そう。その方が、くりさまとくりさまのご主人さまらしいと思う。
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この日は、miwaさんが、手伝いにきてくれてます。巻いても巻いても果てしない〜。エンドレスに思われる。もちろん私も巻きますよ。
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男物は一疋(一反の倍)で経てるし、相当な量です。しっかり計算しなきゃいけないのも、この段階。頭が痛くても、何回も何回も電卓をたたきます。

タブロー、出来ました!

2014.04.27

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新作タブロー作りました。それから、旧作のいくつかを、額を入れ替えるなど、仕様の変更いたしました。これらは手元にありますので、気になる方は、ぜひお問い合わせくださいね
上の作品からご紹介します。
[Colored Buds カラードバッズ] 額の大きさ W333xH247mm
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[Pink Stream ピンクストリーム] 額の大きさ W316xH230mm
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[ピン!ピン!ピン!] 額の大きさ 414×414 mm
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[Purple Water Fall パープルウォーターフォール] 額の大きさ H265xW220mm
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[Indigo Blue Sky インディゴブルースカイ] 額の大きさ W318xH232mm
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[Pink Crossing ピンククロッシング] 額の大きさ 220x220mm

作品

くりさまに会いに行く、2回ね。

2014.04.26

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くりさまの栗染め、せっせと進めますが、作業をしながらも、イマイチ漠然とした思いの中をさまよっている私。方向性をもう少し詰めたい。
そんなことを考えていた12月のある日、くりさまが、京橋でフレスコ画の個展をされていたので、出かけました。くりさまの絵も拝見したいし、もう少し、話したい。
会場に行ってみると、なんとファミリーみなさまいらっしゃいました!くりさまと、ご主人様(着物を着て下さる張本人)、それとクリちゃん、カキちゃんも!
ご主人様は相変わらず、ゆうゆうとしたいい印象。くりさまの絵も、ゆったりした感じで、なんか似てるとこあるんだなあ、などと。
クリちゃんの毛並みの色を再確認して、おしゃべりも沢山して帰宅。何を求めてらっしゃるか、私はどう作ればいいのか、、、、少しずつ見えてくる。
作業続行。
それからまたしばらくした1月のある日、今度はくりさま、グループ展を広尾で開催されました。お会いするチャンス!
今度は糸見本を持って行きました。紙とかモニターでは伝えられない、実物をみていただくチャンスです。候補の糸を管に少しずつ巻いて持って行きました。
写真がそれなんだけど、左の小箱に入っているのが、くりさまに、お好きな色として選んでいただいた糸。右は選外。なるほど、そっか、茶色じゃないのね。特に明るい茶色は外しだね。すこし緑を感じさせましょう。

くりさま、染めすすむ

2014.04.25

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くりさまの栗染め、どんどん進めます。栗とどう語り合いができるか。耳を傾けられるか。
媒染は、まず銅媒染した上に、染め重ね、また鉄媒染を重ねたりもします。目指す色まで何回も染めと媒染を重ねますが、なかなかたどり着きません。ま、そこが面白いんだけど。草木染めはね。
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濃い色がなかなか決まりません。栗の声が、聞き取れてないのかな。鉄媒染でグレーにしますが、乾くとちっとも足りてません。それで、染料に、スオウやヤシャブシの力を借りることにします。栗林から、雑木林に変身です。
写真は真っ黒に見えますが、乾くとそうでもありません。
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糊付けに備えて、ふのりを準備します。経糸にも真綿系の糸を使うから、糊はたっぷり必要です。着物を織るには、糊付けはキモです。毎度、腐心に腐心を重ねます。

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