吉田美保子の some ori ノート

同窓会でした!

2014.05.25

10314585_592626250844630_6441776420142693278_n.jpg
昨晩は、我々、昭和62年卒が幹事をつとめさていただいた、済々黌東京同窓会2014でした。高校の同窓会。ものすごく本格的なヤツ。昭和17年卒の大先輩から平成26年卒の若者までが一同に集う一大イベントです。
大にぎわいで、まあ、成功と言えるのでは、、、というか、これ以上は出来ないよってくらい、がんばったよね、私たち。
丸1年、これに携わってきました。なんで、こんなに時間とエネルギーを取られるのだと思いながらも、リーダーに引っ張られる形で、コツコツ出来ることを、、、
みんな、すごいです。「ここまでするの?」ってことをやり切ったことの結集だったよね。ひー。
私は、ユニオン(団結)がどうも苦手で、今も昔も、なかなか上手く溶け込めないのですが、今回は仲間に入れてもらって面白かった。リユニオン、バンザイ!
10402815_593031944137394_5314533212593153678_n.jpg
当日は5時45分起き!お着物ですよ。うふふふー。
この日、私は生まれてはじめて、ヘアメークというのをやってもらいました。えへへ。中途半端な長さの髪を無理やり上げてもらってます。
私、今まで、一度もきちんとした恰好ってしたことないんです。成人式もしてませんし、大学は中退ですので卒業式もありませんし、残念ながら結婚式も経験してませんしね。あ、私、受験で、高校の卒業式も出てないんだ。式典は得意でないから、別に望まなかったけど、なんだかやり残した感、あります。
今回、そういう意味でも、同窓会の幹事をやりながら、なんだか卒業式みたいだなあと感じてました。

羽尺の緯糸

2014.05.22

P1100174.JPG
くりさまの羽尺、緯糸は10種類です。あ、写真には9種類しか写ってませんね。撮り忘れ。
ふっくらした真綿紬糸が基本です。真綿紬も、太い細いをまぜてます。細いのを3入れて、太目を1入れるくらいのリズム。もっと太いのは、一尺に一本くらいしか入れない。でも、必要。カッコいいから。
ほんの少々、つるっとした生糸も使ってます。その方が、着心地いいんじゃないかと思うので。
全部草木染め。あ、ひとつは墨染めです。
栗、矢車附子、蘇芳、ロッグウッド、マリーゴールド、墨といったところか、、あ、玉葱と山桃もだな。
これらを織りながら、まぜていく。まぜると言うか、、、、溶かす感じ。経糸に溶かし込んで、新たな色を作る。

さあ、織ります。

2014.05.20

P1100137.JPG
すべての準備が整いましたので、くりさまの羽尺、さあ織りましょう、織りましょう。
緯糸を入れると、心が浮き立ちます。立体物を創造している気になるのよね。特に今回みたいに、杼の入れ方のある程度のリズムは決めるけど、即興でどんどん作っていくときは。
自分の手の中から、布が生まれ出るのは、何度やっても感動する。
P1100110.JPG
いい布だなあ〜。自画自賛。

仲宗根みちこさん、新里玲子さんのトーク会

2014.05.19

写真.JPG
昨日、一昨日と、二日続けて、銀座もとじさんに伺いました。開催中だった宮古上布展のギャラリートークで、仲宗根みちこさんと、新里玲子さんが、お話される由、これは聞き逃せないぞ。
で、お二方とも、すっごくよかったです。引き込まれて拝聴していました。いやはや、苧麻を糸にして、それを布にするってやはりすごいなあ〜。伝統があって、その上で、ご自身独自の織物に昇華されてるし。いやはやー。
仲宗根みちこさんは、はじめの方で「私が織りたいものを織る」とおっしゃってた。で、終わりの方では、常にバランスを気にしながら仕事を進めて行くことや、ひとつひとつの作業をいかに慎重に丁寧に失敗せずにこなして行くかを話された。なるほど、自由にのびのびと織りたいものを織るには、同時に、厳しく締める所は締めないとね。
苧麻で太い細いをまぜたり、経に絣糸をまぜ込むときの、テンションの狂いを、機から降りて、後ろにまわって、直しながら織ってるって。その大変さ、分かります。大変だけど、それこそ、織りたい布なんだろうなあ。
新里玲子さんのトークも、面白かった〜。会場全体を引き込んでくれました。100歳で手績みをしているおばあの話しなど。苧麻の糸と宮古の女性がオーバーラップ。若いときは細い糸を績むけど、年を取ると太い糸しか績めなくなるんだって。それがまたいいんだった。八寸帯の糸に最高らしい。
「糸をいれて行くとき、ぜんぜん違う色を隣に持ってくると輝いたりするのよ。関係性ね。人間と同じ。」そんな話しもしてくれました。
「あこがれの宮古上布展」は、銀座もとじさんで開催されてましたが、18日で終了しています。
写真は我が家の近所。

羽尺、決定していきます

2014.05.17

P1090415.JPG
くりさまの羽尺、メインの緯糸が染まりましたので、混ぜ込む糸を決定していきます。緑みを感じさせるよう、隠し味を仕込むのです。糸の種類や太い細いもいろいろ。8〜9割くらいは、真綿紬の細目だけど、あとのちょっとで遊ぶのです。表情豊かで、着心地のいい、飽きない羽織になりますよう。
P1090873.JPG
糊がついてない分にはつけます。糊、つくらなきゃ。
P1090850.JPG
さあ、最終の小管巻き。実作業はmiwaさんがしてくれてます。

羽織の試し織り。2回。

2014.05.15

P1090878.JPG
さあ、羽織の緯糸が染まりましたので、早速、試し織りをば。ふむ、ふむ。写真の下っ側が着物、上っ側が羽織です。ふむ、ふむ。くりさまに画像をお送りしたら、お気に召していただけた感触。じゃあ決定しよっか、、、と思って、一晩おいて再度検討。
朝は色がクリアに見える。
うぅ、、、いやっ、ダメだっ。ダメダメ。もっと、着物と羽織の違い、出すなら出さなきゃ。今の状態だと中途半端。くりさまのご主人様、もうちょっとメリハリつけた方がお似合いになる。
P1090899.JPG
で、くりさまに、もうちょっとだけ濃くしたい旨お伝えし、緯糸に使う予定の中から、一部の糸を染め重ねます。染めて、媒染して、また染めて、洗って、糊付けて、乾かして、巻いて、さあ、再度の試し織り。
P1100026 2.JPG
ほら、こんな感じ。いいんじゃない。ほどよい色の差。織ってるのが羽尺。上に乗せてるのが着尺。これで行きましょう!

羽織の緯糸を染める

2014.05.14

P1090897.JPG
ロッグウッドも染料になりましたので、早速、クリ、スオウ、ヤシャブシ、と染め重ねて行きます。媒染は、鉄です。染めと媒染を重ねるごとに、真っ黒に近づいて行きます。
P1090926.JPG
鉄媒染は、鉄の成分が残ると、あとあと厄介なことになりかねないので、しっかり洗い流します。それに二層式の洗濯機の洗濯槽を使ってます。洗濯機として使うんじゃないよ。でかい洗い桶として使います。手でしつこく振り洗い。流水で、何度も水を換えて。最後は一晩、水にいれっぱなしにして、水をちょろちょろ出しっぱなしにします。完全に鉄を洗い流します。
P1090915.JPG
さあ、この写真の中央の糸が今回染めた糸。いい黒でしょ。左は栗染め。着尺の緯糸の予定。右の緑みをもった糸は色味を加えるための糸。
色が決まれば、もう一度計算をいれて、糊をつけます。

羽織の色

2014.05.13

P1090904.JPG
くりさまとやっと羽織の話しを進めさせていただきました。同じ経糸で、緯糸を変えて、羽織の方を濃くすることになりました。
くりさまが、「こんな感じは?」と提示された着物と羽織りが組み合わされてる画像は、着物は草木染めの手織りで、合わせてあった羽織はひと目で分かる化学染料。茶色っぽいお着物に、黒の羽織です。
ふむ。経が栗染めだから、ここまでパキッとはならないけど、やってみてもいいですよ、酸性染料で、限界まで強く染めてみましょうか?
と、申し上げますと、くりさま、今回は草木染めにこだわりたいとのこと。
了解っす!では、草木の力で、深くて黒い濃い色をやってみましょう。
P1090905.JPG
それでは早速、染めにかかろう。せっかくだから、栗も使おう。あと、スオウとヤシャブシ、ロッグウッド。ロッグウッド、煮出さなきゃ。
写真は2枚とも、ロッグウッドのチップをタンクに入れたところ。これから煮出すよ。
ロッグウッドって、明治の頃から輸入され、使われている、中米原産の優秀な染料。黒にしっかり染めたいときは欠かせない。
英語では、Log wood と書きますが、log って何? 丸太って意味もあるけど、書き付けとか、日誌って意味もあるよね?ブログのログだもんね?日々記録を残すように、日々、淡々と染めましょうか?って、やっぱ、丸太になりやすい木ってことだろうか?

試し織りを観ていただく

2014.05.12

P1100192.JPG
そして、57羽の筬が再度送られてき(今度のは完璧!)、筬通しをして、試し織り3回目。湯通し、スチームアイロン。ふむ、これでいいかも。56羽でなくて、かえってよかった。
そんなある日、くりさまが、お友達と一緒に、我が家にお越しくださいました。ドーナツのバーレル持って!(その後食べ過ぎた)
3枚の試し織りを観ていただく。栗染めの糸が織機に掛かっている風景ももちろん。
経糸の感じ、気に入っていただけたようだ。ほんのちょっとだけ、柿色を差したのもよかったかな。(柿染ではないけどね)
ちなみに試し織りで使った緯糸は、経糸と同じで、栗染めがほとんど。基本の色です。ここからどう振るか?
くりさま、試し織りの色、お気に召していただけて、着物の完成の色は、栗染めメインとなった。実物を観ていただけたのが何よりよかった。モニター越しでは分からないこと多いし、言葉足らずで説明できないことも多いから。
さあ、それから、、、、、
今まで経糸を経て、機を動かすところに持ってくるので精一杯で、羽織の話しを、ちっともして来なかったのを反省。いっぱいいっぱい過ぎました。
男性が着物をお召しになるときは、やはり羽織は無いと落ち着かないと思います。お対でなくても構わないのだけど。お対もすてきです。
羽織の話しに移ります。
写真は、3枚の試し織り。同じじゃんって言わないでね。すっごく違うのです〜。

山あり谷あり

2014.05.11

DSC_3103.JPG
さあ、機に上がりましたので、さっそく試し織りです。
まずは、筬目を確定させなければなりません。予定では55羽(一寸間に110本の糸の密度)ですが、節が多い糸を使ってることもあり、53羽(一寸間に106本)で通してみます。
ゆるめ目からやってみたいのは、以前座繰り糸を地機で織ってる尊敬している方が、「糸の良さを見せたいから、筬目はゆるくする」っておっしゃっていたのが心に残っているからです。考え方は織り手それぞれです。
で、53で通して、4寸くらい織ってみます。いったん切って、お湯通し。糊を落として、乾かしてアイロン掛けて、様子を見ます。うむー。布としては最高に気持ちいいけど、今回はもちょっと丈夫さを求めたい。
P1090812.JPG
で、55羽に入れ替えます。また織ってみて、切って、湯通し、スチームアイロン。
うーーん、もうちょっとだなあ。56羽か?もっとか?と筬を出してみるも、手持ちの56羽の筬は、私が着物を織りはじめた時に一等最初に買った筬で、昔の幅なのです。女性ものの着尺は織れるが、男性の体格がいい方の着物を織るには、ホンのちょっとだけ、足りないのです。今回でいうと、10本くらい入りきらない、、、広い筬を買い直すか、、、
どうせ買うならと、持ってなかった57羽を新調することにしました。ほどなくやって来た57羽の筬。包みを開けた瞬間、ん?この筬、ちょっとゆがんでる?!!!筬の羽は真っ直ぐでなきゃ糸が最悪切れちゃうのですが、ほんの1mmくらい、ゆがんでる。うーーーんんんん、織って織れないことはないが、ここは申し出させてもらおう。納得しなくちゃ織れないもんね。
で、製造元に電話して、返送してみてもらったら、すぐに作り替えてくれることに。
はー、織りは、織り出すまでが、山あり谷あり〜
上の写真は、天野志穂実さん撮影。織機風景。
下の写真は、私撮影。2回目の筬通しをしてくれているmiwaさん。

カテゴリー