吉田美保子の some ori ノート

高円寺の夜

2014.03.29

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夕方に高円寺に行きました。友人と待ち合わせて。楽しい夜となりました。
まず、カメラマン武藤奈緒美さんの個展「気になる樹」を拝見にノラやさんへ。武藤さんの写真は、着物関係の雑誌に載ってるのなどはよく見ているけど、個展という形で拝見するのははじめて。
どっしりと息づいている樹が、武藤さんが覗くカメラのファインダーに切り取られて、それが額装されて、中央線の高架下のなかなかおしゃれなバール(?)の壁にある。その不思議さがいい。見ているとその生命力に深呼吸したくなる。
若い樹もいいけど、年月のたったドーンとした樹がいいねえ。森林浴した感じになるのはドーンとした樹が年月も刷新してくれるからか。
武藤奈緒美展は、4月5日まで開催中。
さて、次、我々は、メキシコ料理の店に行きました。友人は大の美食家で、この人にくっつとけば、おいしいものが、目の前につぎつぎ現れるのです。今までに食べたことないおいしいもの、たくさんいただきました。彼女は、このメキシコ料理をきっと、近々自分でも作るに違いない。すごい才能だ。テキーラも飲んで大満足。
一件だけでは済まない我々は、メキシコ料理の店で勧められた、大一市場を探し当てました。うひゃー、ここいいわ!屋台というか、もうちょっと立ってる感じだけど、簡易的な作り。アジアっぽい感じがいいです。我々が落ち着いた店、すごくレベルが高かった。自家製の分厚いベーコンがお通し。ここはどこなんだ。無国籍な感じです。ワインもおいしゅうございました。
高円寺、楽しいねー!我が家から、ちと遠いのが難と言えば難ですなあ〜。通いたいわあ。
*写真はメキシコ料理の、テキーラハウス

はやしのりこ展に行った

2014.03.27

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「はやしのりこのかたち」展に行ってきました。私ははやしさんのファンなので、行ける範囲で個展される時は、出かけることにしています。
はやしさんの作品は、とことん作り込んである。作品数も多くて圧倒させられる。今回もすごかったよ。ここまでやるかってくらい。迫力なのだ。
昨今は、なんにつけ、あっさり控えめ淡白が好まれてるけど、はやし作品には、潮流とか流行りとか、そんなの関係ないのだ。
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今回は、障害がある人たちがテント地にペイントしたのを、はやしさんが形にしたバッグも出来てた。彼らとはやしさんのパワーとパワーのぶつかり合いって感じで、すごくよかった。
実は私、障害者の作業所など、今まで結構ご縁があって、彼らが作ったものとか、それを生かしたものとか、ずいぶん見てきたのだ。ここまで面白く昇華させてるの、はじめて見た。彼らとはやしさん、両方が生きてて、すごくよかった。
「はやしのりこのかたち」展は、南青山のギャルリーワッツにて、3月29日まで。
*写真は私んち。天野志穂実さん撮影。

祝・オープン!岩崎さんの増孝商店!

2014.03.26

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岩崎訓久さん悦子さんご夫妻が、この度、蔵前にオープンされたショップ、増孝商店におじゃましてきました!!!笑顔いっぱいのお二人がお出迎え。久しぶりにお会いできてうれしかった。
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岩崎さんご夫妻は、力強い織り仲間で、いい布をどんどん織り出していらっしゃいます。それが一同に並んでて感激しました。見てて、このお二人は、心底糸が好きなんだなあと思ったよ。糸から愛があふれてるのだもの。
よかったね、糸たち、岩崎さんとこの糸になって、愛情いっぱいの布にしてもらえて。あんたたちはラッキーよ。
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このお二人、いいのだよー。増孝商店の詳細はこちらから!

Breath for Spring

2014.03.25

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ふふさまの九寸帯、銘を「Breath for Spring」とさせていただきました。冷たく厳しい冬の中に、春の息づかいを発見したイメージです。
はじめてメールをいただいてから5年、ずっとご注文いただいた「厳しいけれども凛として、澄んだ冬の空気を残した、でも華やかな春の予感のある感じ」を探してきました。この探す過程が一番苦労したかな。分からなくて暗闇のほふく前進のように進んで行った時期もあったなあ、、、
その答えが、「Breath for Spring」です。
宅配便、無事ついたかな〜って思っていたら、ふふさま、メール下さいました!ああよかった、気に入っていただけた。がんばってよかったなあ。一部抜粋でご紹介させて下さい。(ふふさま、猫さんと同居されてます。)
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届きました!
広げる場所にやや悩みましたが(なんせ換毛シーズン・・・)巻いてある紙をはがすのももどかしいくらい、ドキドキしながら広げました。
うわぁ・・・!
まず、地の色味がすごくいい。糸にほどこした絣の効果なんでしょうか、濃淡のあるブルーグレーの繊細な表情、絹ならではの張りはありながらもやわらかい手触り、試し織よりもずーっとずーっといいですね。
青と紫のブラッシングカラー、こちらは「うん、この色!」という納得の色で、でも本番の勢いというか、潔さが増した感じ。
青銀のアクセントも主張しすぎずいいバランスになりましたね。
なにより、とにかく、美しいですね。眺めているとため息が出るくらい。
・・・着こなせるのか?!と、かなり心配ですが、この帯の似合う凛とした大人な女性になりたいですねぇ。
本当に素敵な帯を、ありがとうございます。着姿を見てもらえる日を楽しみにしています。
では、また、お会いしましょう!
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ふふさまのONLY ONLY はこれにて、ひとまず完結です。ブログ上にてお付き合いくださいました方、本当にどうもありがとうございました。
ふふさまストーリーは、カテゴリーでまとまってますので、ここをクリックして、時間をさかのぼってお読みいただければ幸いです。

ふふさま、発送

2014.03.24

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ふふさまの帯、お太鼓の形にするとこんな感じ。仕立てられると両端が折り込まれ、もっとシュッとしますけどね。ふふさまから、お手持ちのお着物で合わせる候補、教えてもらってた。カッコいいの。うん、お互い引き立て合えるような感じするね。
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さあ、お納めですから、きちっとキリッと巻きますよ。この状態にすると、神々しい感じさえします。お供えのような感じです。ふふさま、お蚕さま、染料、私、いろんな思いが詰まってます。
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ONLY ONLY の作品には、名前を付けて、お手紙を書いて、糸見本や染め見本をつくって一緒にお納めします。名前もね、つけたのよ。うふふ、それは明日発表しましょう!

ふふさま、完成。

2014.03.23

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ふふさまの帯、湯のしからかえってきました。ふわっと光沢を帯びてます。さあさあ、広げて見ましょう。
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ああ、いい帯になった。冬の寒さが少しずつ和らぎ、ずーっと先だと思っていた春が、息づいてきた感じ、出てるんじゃないか。これこそ、ふふさまと私が、5年前から、ずーっと追い求めていたもの。
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検反しながら、あちこち点検。糸や染めの様子など、ためつすがめつ。銀糸の入り方もよかったね。これは、ふふさまがリズムを決めた。前柄の方には入れないってのもふふさまの決定。もしも自分が決めるのだったら、入れすぎていたと思う。引き算の美学は、ふふさまぐらい大胆でないとなかなか出来ないね。
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全体像はこんな感じ。地の白に見える所、薄ーいブルーグレーです。単色に見えるけど、4種類の経糸と緯糸の計5色からなってます。雪景色もよく見るとたくさんの色がある。そんな帯にしたかった。

もとじさん、メゾンエルメス

2014.03.22

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銀座もとじさんに、プラチナボーイ新作展のトーク会に伺いました。作家さん8名だったから、お一人お一人の時間が短くてもったいなかったけど、一言の中に含蓄があったなあ。着物に合いやすい帯をどう作るかなど参考になった。
あわせて、織三蹟展、帯留め展も開催中で拝見してきた。盛りだくさん!
織三蹟展は代官山ヒルズでも拝見したけど、私のハートがちょっとは磨かれたのか(曇ってることが多いですので、、、)今日の方が響いたな。西陣のすごさを改めて見た思い。
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それから、メゾンエルメスに、「コンダンサシオン:アーティスト・イン・レジデンス」という展覧会を観に行きました。これは、エルメス財団が、若いアーティストをエルメスの工房に住まわせながら仕事の場所を与え、エルメスの職人がヘルプもし、新しいアートの創造を応援するというものです。超一流の仕事場に入り込めるのだから、うらやましい限り。
今まで16人のアーティストが参加したそうで、そうやってできた作品たちが展示されていたわけです。ここは会場もすごくよくて、光の入り具合とか、ライトのあて方とか、影の出来具合などが、最高だったなあ。ここにこうあることがアートなのだなあと思った。
一番好きだったのは、マリー=アンヌ・フランクヴィルという方の作品。1981年生まれだって。若っ!クリスタルの作品がメタルの台に乗ってて、壁に写る影が最高によかった。
6月30日まで。銀座に出たら、また寄ろう!
写真は我が家。撮影は天野志穂実さん。

バケットで舌を突き刺す。

2014.03.19

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うちから一番近いおいしいパン屋さんは、相模大野のメゾンカイザーだと思っている。そこのバケットモンジュは、皮がぱりっとして、大変美味。が、大変にかたい。その日に食べ切らない分は冷凍する。後日、オーブンで焼くと遜色無くおいしい。が、皮のかたさは倍増している。
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気をつけて食べればいいのだろうが、おいしくて夢中で食べる。で、気がつくとバケットの鋭くかたい皮で、グサリと舌を突き刺している。しょっちゅうだ。
舌が傷ついてると、痛いし、大変わずらわしい。それをなぐさめるには、強い酒を飲むといいと気付いた。ウィスキーがいいね。ロックでいただくと、冷たさも相まって、舌がしびれて、しばしわずらわしさを忘れられる。その上おいしい。
強い酒を飲むとその後動けないので、日中は晩酌を楽しみにせっせと働く。なかなかの好循環だ。
写真は、ふふさまの緯糸。ビス糸(蚕が自分に一番近いところに吐く、柔らかくて繊細な糸)です。天野志穂実さん撮影。

ふふさま、伸子張り

2014.03.18

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ふふさまの帯、湯通しが終わると、そのまま張ります。水がしたたるいい帯なのです。
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我が家の場合、北の窓に取り付けたポールと織機を基点に張ります。始めと終わりを張ったら、伸子をどんどん張って行きます。
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柄のところは、ほら、こんな感じ。
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下から見るのもなかなかいいでしょ。ふふさまぽいでしょ。
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ここがタイコ。
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ここが前柄。
ある程度乾かしたら、湯のし屋さんに送ります。たっぷり蒸気をあててもらって、ふっくらふかふかして帰っておいで〜!

ふふさま、織り上げ→蒸し→湯通し

2014.03.17

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ふふさまの帯、織り上がりましたよ。機からおろす時はいつも緊張。ちゃんとできてるはずでも、見込み違いや計算違いや勘違いがないとも限らん。心を落ち着けて、カラカラと出して行きます。
ほっ。ちゃんとしてる。よかった。ふふさまのお顔が心にぽっ。うん、ふふさまらしい一本になった。
早速、次の作業に掛かります。検反して、不織布に巻いて、蒸し作業。これによって、染料がしっかり定着します。それから湯通し。糊や余分な染料を落としてしまいます。写真はゆるゆると入浴中のふふさまの帯。
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ピンぼけだけど、こっちの写真の方が感じが出てるかも。お風呂にお湯をためて、布をさーっと入れて、均等に振り洗いするのです。糊が落ちて、気持ち良さそうです。

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